こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『ブラック・フォン』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『ブラック・フォン』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『ブラック・フォン』が好きになると思いますよ♪
映画『ブラック・フォン』のあらすじ
コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていた。気が小さい少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に「手品を見せてあげる」と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。気が付くと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。
出典:映画com
・ホラー映画の金字塔、ブラムハウス制作
・誘拐犯グラバーの目的と仮面が意味するものとは?
・死者と繋がる黒電話の描写がとても良い
・全ての要因が収束するラストシーンは見所満載!
「ドクター・ストレンジ」、「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソンが監督、「透明人間」、「ゲット・アウト」などスリラー作品の話題作を多数送り出しているジェイソン・ブラムが製作を手がけたサイコスリラー映画です。
死者と繋がる黒電話が登場し、かなり不気味かつ不思議な世界観を作り出しています。
そしてラストシーンの展開は、予想を超えていました!
しかしながら、かなりの謎が曖昧に描かれているため、本作を深く理解するためには考察が必要になります。
当ブログでは『ブラック・フォン』の謎を徹底的に考察・解説していますので、映画を観終わった後に参考にしていただけると嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『ブラック・フォン』のネタバレ一覧
ネタバレ①:本作の原作について
本作には原作があります。
それが”スティーブン・キングの息子ジョー・ヒルの短編「黒電話」”です。
とはいえ、原作も気になる人もいると思いますので、興味があれば読んでみてください。
本作の理解がより深まると思いますので♪
ネタバレ②:グラバーのモデルとなった殺人鬼
本作で登場する誘拐犯グラバーには、モデルとなる人物がいます。
その人物とは、”1970年代に存在した殺人ピエロのジョン・ウェイン・ゲイシー”です。
ゲイシーは、”33人の青年や少年を殺害した連続殺人鬼”です。
ゲイシーは、パーティーなどで子供たちを喜ばせるためにピエロの格好をしていることが多く、殺人道化や殺人ピエロの異名を持っております。
周囲からは模範的市民と思われていましたが、実際は9歳〜20歳の青年や少年を自宅や車に誘い、強姦した後に首を締めて殺害している凶悪な連続殺人鬼です。
また多重人格を主張しており、ゲイシー曰く”私の中には、4人のジャックがいる”ということです。
しかしあまりに凶悪な犯罪を重ねていたため、1994年に薬物注射による死刑執行が下されています。
本作のグラバーも5人の少年を誘拐し殺害しています。
そのことからもグラバーのモデルは、ゲイシーで間違いないでしょう。
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ネタバレ③:グラバーの目的
本作でフィニーを始めとした少年たちを誘拐したグラバーですが、その目的は一体なんだったのでしょうか?
グラバーの目的は、”ゲームを模した快楽殺人”かと思われます。
というのも、グラバーのモデルは連続殺人鬼ゲイシーです。
ゲイシーは、己の快楽のために33人の青年や少年を誘拐して殺害しましたが、これはグラバーにも共通することかと思われます。
本作中では、5人の少年たちが殺害されておりましたが、実際にはもっと多くの青年や少年が犠牲になっているのではないでしょうか。
またグラバーは、ルールに沿って少年たちを殺害しております。
フィニーが助かりたいために偽名を名乗ったときも、何故かグラバーは激怒していました。
おそらくグラバーには、次のようなルールがあるものと考えられます。
①約束を守らないイタズラ少年にお仕置きする(例えばベルトでムチ打ちなど)
②嘘をつかない純粋な少年を殺害する
③名前を忘れるほどの絶望感と孤独感を味合わせてから殺害する
フィニー以外の少年は、①〜③のルールに従ってしまったためグラバーに殺害されましたが、フィニーは少年たちのアドバイスにより危機を回避することが出来ました。
こうやって見ると、グラバーって変態ですね!
ネタバレ④:フィニーとグウェン 2人の母親の能力
本作でポイントとなるのが、”フィニーの死者との会話”と”グウェンの予知夢”です。
これは2人の母親からの遺伝であり、”2人の母親も予知夢を見る”ことが出来ました。
しかし代償として、母親は2人を残して自殺してしまっています。
そのことを2人の父親は悔いており、2人に厳しく接しているって感じですね。
そんな本作の重要人物である2人の母親ですが、本作ではあまりにも説明が不足しており、いったいどのような人物だったかは考察するしかない状況です。
わかっていることは、「予知夢を見ることが出来た」ということだけですが、フィニーが死者と会話出来ることから、2人の母親の能力は次のとおりかと思われます。
①予知夢を見ることが出来る
→未来の危機を事前に知ることが出来る
②死者と会話することが出来る
→予知夢で見た未来の危機を死者の力を借りながら回避することが出来る
この①と②の能力をグウェンとフィニーがそれぞれ引き継いでいる、ということかと思われます。
これは個人的な考察になりますが、”予知夢で子供たちの危機を知ってしまい、防ぐためには自殺するしかなかった”のだと思われます。
おそらく母親が生きていること=子供たちの命が危機にさらされる、という予知夢を見てしまい、子供たちを守るために自殺したのでしょう。
それがグラバーによるフィニー誘拐事件かどうかはわかりませんが、子供を愛する母親が自殺するとなると”子供たちを守るため、仕方なく自殺した”としか考えられません。
ネタバレ⑤:グラバーの仮面が意味するもの
本作で特徴的なのが、グラバーの仮面ですよね。
そんな仮面ですが、数種類あったことに気づいたでしょうか?
またグラバーは、本作ラストでフィニーに仮面を取られた際、必死に顔を隠す仕草をしていました。
このことからもグラバーにとって、いかに仮面が大切であるかが伺えます。
そんな仮面が意味するのは、”グラバーの喜怒哀楽=感情表現”、そして”多重人格”です。
当ブログでは、グラバーのモデルは連続殺人鬼のゲイシーだと説明しました。
ゲイシーは、幼い頃から実の父親から虐待を受けており、喜怒哀楽=感情を上手く表現することが出来ませんでした。
また犯行後は、「私の中には4人のジャックがいる」と証言しており、多重人格であることをほのめかしています。
本作中にも数種類の仮面が登場しているため、おそらく仮面ごとにグラバーの人格が存在しているのでしょう。
またグラバーは、仮面を身に付けることにより感情表現を行なっていたものと推測出来ます。
もしかしたら、”感情の数=人格の数”なのかもしれませんね。
そうすると喜怒哀楽、つまり4つの感情=人格が存在することになるので、ゲイシーが言っている「私の中には4人のジャックがいる」という発言と一致するんですよ。
つまり仮面は、”グラバーの4つの感情であると同時に4つ人格である”ということになります。
そう考えると、フィニーによってグラバーの仮面が取られた際、グラバーが顔を覆い隠していた理由もわかりますよね。
仮面=人格であると仮定すると、仮面が外れた場合、グラバーはどうなってしまうのでしょうか?
おそらく4つの人格が表に出てきて、精神が崩壊してしまうのだと思われます。
そのため顔を見られないように必死に隠していたのでしょう。
ネタバレ⑥:5人の少年たちの目的
本作で黒電話を通じ、フィニーを助けてくれる5人の少年。
その正体は、”グラバーによって誘拐され殺害された少年たち”です。
少年たちは、自分の次に誘拐された少年たちにも黒電話で語りかけていましたが、霊感のない少年たちは死者と会話することが出来ませんでした。
母親の能力を引き継ぎ、死者と会話出来るフィニーだからこそ少年たちと会話することが出来たわけですね。
そんな5人の少年たちの目的は、”フィニーにグラバーを殺してもらい、復讐を果たすこと”です。
最初は、「フィニーの脱出手段を教えてくれている」と思いましたが、ラストシーンで全ての要因が繋がり、結果的にグラバーを殺すことになるので、少年たちの目標はグラバーを殺すことで間違いありません。
しかし少年5人それぞれの目的や正体がわかりにくいので、登場した順番を含めて一旦整理してみました。
①野球少年ブルース(落とし穴担当)
・冒頭でフィニーの投球をホームランした野球少年
・自転車で帰宅中にグラバーに誘拐される
・黒電話を通じ、フィニーに落とし穴を掘らせる
②新聞配達のビリー(ケーブル、窓格子担当)
・愛犬のゴールデンレトリバーと一緒に新聞配達をする好少年
・新聞配達中にグラバーに誘拐される ※犬助けろや!
・黒電話を通じ、フィニーにケーブルの在り処を教えて窓格子を外させる
③グリフィン(ダイヤル錠担当)
・ダイヤル錠と共にグラバーに誘拐される
・ダイヤル錠は玄関に設置されている
・黒電話を通じ、フィニーにダイヤル錠の番号を書いたメモの場所を教える
④不良のヴァンス(冷凍庫担当)
・地元の不良でフィニーも何度か脅されていた
・ゲームセンターで警察官に逮捕され、7741番地に戻ってきたところをグラバーに誘拐される
・黒電話を通じ、フィニーに壁を掘らせて冷凍庫を露出させる
⑤親友ロビン(物理担当)
・フィニーの親友であり理解者である少年
・お菓子を買いに行く途中でグラバーに誘拐される
・黒電話を通じ、フィニーに土を詰め重たくした電話でグラバーを殴り倒せるよう特訓する
こうやって整理してみると、”いかにグラバーを無力化してフィニーに殺させ、そしてフィニーを家から脱出させるか”ということが考え抜かれていることがわかります。
亡くなった少年5人とフィニーのチームワークがなせる技とでもいいましょうか。
1つ1つは「意味がわからない」、「何のためにやっているのか」と思われるようなことばかりですが、全てが繋がったときは衝撃的でしたね。
具体的には、次のような流れでフィニーはグラバーを殺し脱出することが出来ました。
①グラバーを落とし穴にハメ、穴に仕込んでいる窓格子で足を挫かせ動けなくする
→ブルース、ビリーの功績
②動けなくなったグラバーに対し、土を詰め重たくした電話で殴る
→ロビンの功績
③電話線でグラバーの首を締め上げ、とどめを刺す
→ロビンの功績
④出口を塞いでいる大型犬に対し、冷凍庫の肉を投げて出口から遠ざける
→ヴァンスの功績
⑤玄関に設置されているダイヤル錠を解錠し、家から脱出する
→グリフィンの功績
また少年たちが度々「今日が最後だ」みたいなセリフをフィニーに言っていました。
最初は、フィニーに対して言っているのかと思いましたが、”実はグラバーに対して言っていた”ということが判明するシーンは痛快でしたね。
ネタバレ⑦:マックスがフィニーに気がついた理由
フィニーが監禁されている地下室は、グラバーの自宅ですが弟マックスも住み込んでいます。
マックスはグラバーのような連続殺人鬼ではなく、心優しい男性です。
そんなマックスですが、終盤で自宅の地下室にフィニーが監禁されていることに気がついてしまったため、グラバーに斧で頭をカチ割られてしまいました。
そしてマックスが自宅の地下室にフィニーが監禁されていることに気づいた理由は、”自宅がグラバーの潜伏地域に含まれていることに気がついたから”です。
マックスは、グラバーによる誘拐事件の独自調査をしており、薬の効き目や移動時間などからグラバーの潜伏地域を割り出していました。
しかし流石に自宅に少年が監禁されているとは思わず、「もしかして自宅に監禁している?」と疑問に思ってしまい、実際に調べてみたらビンゴ!って感じですね。
また本作でグラバーがフィニーに対し、「上の階に人が来ているが、地下室は防音だから声を出しても聞こえない」というセリフを言っていましたが、この人物こそ”兄の家に転がり込んできたマックス”なのでしょう。
フィニー以外の少年が監禁されているときは、まだマックスは家にいなかったはずです。
しかしフィニーのときには、失業して居場所がなくなったマックスが家に転がり込んできて、グラバーにとって不測の事態になったことに間違いありません。
ネタバレ⑧:ヴァンスはなぜ7741と刻んだのか
本作最大の謎の1つが、”なぜヴァンスは7741の数字を刻み、未来にいるフィニーと会話が出来たのか?”という点だと思います。
ヴァンスは地元の不良として有名であり、ゲームセンターで暴れていたところを警察官に逮捕されました。
しかし何故か警察無線を通じ、未来にいるフィニーと会話をすることが出来るのです。
また喧嘩相手の腕にナイフで7741の数字を刻み込んでいました。
ヴァンスの謎をまとめるとこんな感じです。
①未来にいるフィニーと会話することが出来る
→周囲には聞こえていない
②7741番地を知っている
→喧嘩相手の腕にナイフで数字を刻み込んだ
まず「①未来にいるフィニーと会話することが出来る」ですが、これはヴァンスというよりフィニーの能力でしょう。
つまりフィニーは、”死者だけではなく、過去の人物とも会話が出来る”ということです。
未来のフィニーが出す何かしらの信号を過去のヴァンスがキャッチし、2人だけの会話が成り立っていたものと思われます。
続いて「②7741番地を知っている」ですが、これは”ヴァンスが空き家である7741番地の家に不法滞在していたから”ということが考えれれます。
ヴァンスは、警察官に逮捕された後、何故か7741番地の家の前でパトカーから降りています。
このことから、”ヴァンスは自宅の住所として7741番地を警察官に伝えた”ということが推測されます。
また同時に自らのサインとして、”7741の数字を喧嘩相手に刻み込んだ”のだと思われます。
しかし7741番地の家は、グラバーの所有地であり死体を埋めている忌まわしい場所です。
おそらくヴァンスは、空き家である7741番地に不法滞在しているところをグラバーに見つかり、誘拐そして殺害されたのでしょう。
ネタバレ⑨:フィニーが次のグラバーになる
少年5人や妹グウェンの助けもあり、グラバーを殺して脱出することに成功したフィニー。
ラストシーンでは元気に学校に通い、片思いしている少女ドナともいい感じ・・・というシーンで幕を閉じます。
というのも、”フィニーが次のグラバーになる”という可能性があると思うんです。
実はフィニーとグラバーのモデルである連続殺人鬼ゲイシーには、いくつか共通点があります。
①父親のしつけが厳しく、体罰を行なっている
②周囲からホモ・オカマ・クズ・弱虫などと呼ばれている
③頭が良くIQが高い
ラストシーンでフィニーがグラバーの家から脱出した後、父親と再開しているんですがフィニーは嬉しそうじゃないんですよね。
これは、”日常に戻ったら、また父親の体罰が待っていることへの不安”を表しているものと思われます。
またフィニーは、グラバーを殺すことで”人を殺すことの感触”を覚えています。
つまり、”フィニーは何かきっかけがあれば、次のグラバーになる可能性は十分ある”ということです。
そう考えると、ラストシーンも意味深になってきますよね。
とはいえ、フィニーは少女ドナのことが好きなのでホモではありません。
しかし逆に考えると、”少女ばかりを狙う連続殺人鬼になる”という可能性も秘めていることになります。
映画『ブラック・フォン』の感想
数々のホラー映画を世に送り出しているブラムハウスの制作ということもあり、期待値大で観てきましたが、とても面白く興味深いストーリーでした。
ブラムハウスって、人間の闇を表現するとがとても上手いんですよね。
本作は、「死者からの電話を頼りに地下室を脱出する」というストーリーなのですが、全ての要因が収束するラストシーンはとても見応えがあり、とても爽快感がありましたね。
とはいえ、良くも悪くも展開が想像出来てしまう点が少し残念でした。
またグラバーの目的、仮面の秘密、フィニーとグウェンの母親の能力など謎がはっきりと明かされないままラストシーンを迎えてしまうのも残念でしたね。
観客の想像に任せる、といえばそれまでですがやはりある程度の謎は解明して欲しかったのが正直なところです。
しかしながら、とてもクオリティが高く面白い映画であることには変わりありません。
何度かビクッとするシーンもありますので、ホラー映画好きな人も納得する仕上がりになっていると思います。
続編は難しいかと思いますが、ブラムハウスからは益々目が離せないですね♪
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まとめ
ブラムハウスらしい人間の闇に迫った映画です。
全ての要因が収束したラストシーンは、意味がわかると鳥肌が立ちますね♪
子供たちが力を合わせて悪い大人に立ち向かっていく姿勢は、とても頼もしいと思うと同時に応援したくなる気持ちになります。
とても面白い映画ですので、ご覧になっていない人は是非一度ご覧になってください。
同時期に『X エックス』や『哭悲(コクヒ)』が上映されていますので、好みのジャンルを観るのも良いかもしれませんね。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。