ホラー/ミステリー

【ネタバレ】『Pearl パール』考察【最高の続編!ラストシーンの意味について】

こんにちは、ニャンコです。

このブログは映画『Pearl パール』のこんな疑問に答えていきます。

・見所ポイント

・ネタバレ一覧

・感想と考察

ニャンコ
ニャンコ
【ブログを書いているのは、こんな猫♪】

①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
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映画『Pearl パール』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。

まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・

きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『Pearl パール』が好きになると思いますよ♪

映画『Pearl パール』のあらすじ

1918年、テキサス。
スクリーンの中で踊る華やかなスターに憧れるパールは、敬虔で厳しい母親と病気の父親と人里離れた農場に暮らす。若くして結婚した夫は戦争へ出征中、父親の世話と家畜たちの餌やりという繰り返しの日々に鬱屈としながら、農場の家畜たちを相手にミュージカルショーの真似事を行うのが、パールの束の間の幸せだった。

ある日、父親の薬を買いに町へ出かけ、母に内緒で映画を見たパールは、そこで映写技師に出会ったことから、いっそう外の世界への憧れが募っていく。そんな中、町で、地方を巡回するショーのオーディションがあることを聞きつけたパールは、オーディションへの参加を強く望むが、母親に「お前は一生農場から出られない」といさめられる。

生まれてからずっと“籠の中”で育てられ、抑圧されてきたパールの狂気は暴発し、体を動かせない病気の父が見る前で、母親に火をつけるのだが……。

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

・A24製作『X エックス』の正統な続編

・少女パールがサイコパスに目覚める過程を描く

・ダンスシーンとラストシーンの笑顔はトラウマ級

・次回作『MaXXXine』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が第95回アカデミー賞で7部門を受賞し話題の映画スタジオA24製作の最新作『Pearl パール』です。

前作『X エックス』の前日譚であり、完結編として現在製作中の『MaXXXine(原題)』とあわせA24初の三部作としても注目されています。

監督・脚本は『X エックス』に続けてタイ・ウエストが担当しており、『X エックス』で主人公のマキシーンと、最高齢のシリアルキラー・パールの二役を演じたミア・ゴスが主演として、本作でも若かりし頃のパールを演じ、脚本とエグゼクティブ・プロデューサーとしても参加しています。

ミア・ゴスの怪演が光っており、マーティン・スコセッシ監督が魅せられ、ベネチア国際映画祭が狂喜し、ホラー映画初のオスカー候補と噂されたほど世界中を熱狂させたました。

鑑賞時、彼女の狂気に圧倒されながらも、最後には、彼女の笑顔の虜になってしまうことでしょう。

当ブログでは、『Pearl パール』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。

ニャンコ
ニャンコ
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【ネタバレあり】映画『Pearl パール』のネタバレ一覧

ネタバレ①:前作『X エックス』との繋がり

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

本作には、前作『X エックス』との繋がりがいくつか描かれています。

ニャンコ
ニャンコ
ざっとこんな感じだね♪

①登場人物

②ワニ(名前はセダ)

③川に突っ込んでいた車

④凶器となったクワと斧

⑤パールがブロンド女を嫌いになった理由

まず「①登場人物」ですが、本作の舞台は1918年となっており、前作『X エックス』から61年前の前日談を描いています。

そのため主役のパールを始めとして、夫ハワードも若かりし頃の姿で登場しているんですよね。

またパールが街中に出かけた際、後に伝道師となるマキシーンの父親らしき姿も映っていました。

続いて「②ワニ(名前はセダ)」ですが、こちらも前作『X エックス』に登場していましたね。

ワニの寿命を調べてみたところ、約150年ということなので、もしかして同一個体なのかもしれないですね。

また名前であるセダの由来ですが、セダという名前はサイレント期の人気女優の1人であり、映画界における最初のセックス・シンボルと言われているセダ・バラから取られています。

続いて「③川に突っ込んでいた車」ですが、こちらも前作『X エックス』に意味深に登場していました。

こちらは本作でパールが殺した映画技師が乗っていた車だったということがわかり、パールが証拠隠滅のために川に転落させていたことが描かれています。

続いて「④凶器となったクワと斧」ですが、こちらは前作『X エックス』でもパールの凶器として使用されていました。

しかし前作『X エックス』では、パールは高齢となっていたため体力や筋力が少なく、ヨロヨロしながら使用していたのに対し、本作のパールは若さ特有の体力と筋力を活かし、アグレッシブに使用している点が異なります。

最後に「⑤パールがブロンド女を嫌いになった理由」ですが、これは義妹ミッツィーが原因だったということがわかります。

前作『X エックス』では、パールは「ブロンド女は好きじゃない」という理由で若い女性をワニがいる川に突き落として殺害しました。

この出来事は、パールが理想の暮らしをしている義妹ミッツィーに妬みを抱いており、またダンサーになるという夢も義妹ミッツィーに奪われてしまったということが本作でわかります。

このように本作には、前作『X エックス』との繋がりが散りばめられているのです。

そして気になる3作目『MaXXXine マキシーン』も今後控えているため、今後もシリーズの繋がりが非常に楽しみとなっています。

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【ネタバレ】『X エックス』感想と考察【ラストシーンまで見逃せない上質ホラー】映画の見所をネタバレありでわかりやすく考察・解説しています...

ネタバレ②:扉が意味するもの

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

本作は「扉」が非常に重要な役割を果たしています。

例えば序盤でパールが空想の世界に浸っていると母親が扉を開き現実世界に連れ戻される、パールが映画技師に会うために扉を開く、教会のダンスオーディションを受けるために扉を開く、など様々なシーンで「扉」が効果的に使用されています。

そしてどのシーンでも、扉を開いた先にはパールの空想世界が紛れ込んでいるんですよね。

つまり「扉」は、”パールの空想世界と現実世界の繋げる役目がある”ということになります。

最も印象的だったのは、教会のダンスオーディションではないでしょうか。

詳細は後ほど詳しく説明しますが、教会のダンスオーディションはパールと空想と現実世界が入り混じり、狂気の世界へと変貌を遂げることになります。

ネタバレ③:パールがサイコパスに目覚めた理由

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

パールがサイコパスに目覚めた最も大きな理由は、”内に秘める狂気を抑えつけることが出来なくなったから”です。

もちろんそれだけではなく、「閉鎖的な農場の暮らしにうんざりしていた」、「農場生活から救い出してくれると思っていた夫ハワードは戦争に行ってしまった」、「ダンスオーディションに落ちてしまい、人生に絶望した」などの理由もありますが、いずれの理由も間接的なものです。

パールは終盤で義妹ミッツィーに自身の想いを打ち明けますが、その独白シーンからパールが生来狂気を持っている人物であることがわかります

つまり”様々な間接的な要因が合わさり、パールの内に秘める狂気を抑えつけることが出来なくなってしまい、サイコパスに目覚めた”ということになります。

クロネコ
クロネコ
まあ序盤からサイコパス要素まる出しだったからな・・・
ニャンコ
ニャンコ
タイトル「パール」の出し方とか、サイコパス以外の何者でもないよね笑

ネタバレ④:腐った豚が意味するもの

本作には腐った豚が何度も登場します。

この腐った豚が意味するものとは、”パールの心そのもの”です。

パールも本性であるサイコパスを隠してさえいれば、普通に可愛らしい女性です。

しかし内に秘める狂気は、肉を腐らせるウジ虫のように身体と心を侵食していきます。

腐った豚も同様であり、最初はとても美味しそうな食材でしたが、時が経つにつれ腐っていきウジ虫が湧いて出てきます。

そして豚が腐っていく=パールの内に秘める狂気が目覚めていく、という表現になっているのです。

ネタバレ⑤:ワニの卵を潰した理由

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

パールがワニの卵を握りつぶした理由は、”自らを妊娠させ、農場から連れ出さずに戦地へと向かった夫ハワードが憎かった”からです。

実際に卵を握りつぶした際、ハワードの身体も吹き飛ばされていました。

またパールはハワードとの子供を妊娠し、流産した過去があります。

しかしパールは悲しんではおらず、「むしろ子供が死んでくれて良かった」と言っていることから、子供は望んでいなかったことがわかります。

つまり”パールはハワードへの怒りを、自分より弱いワニの卵にぶつけていた”ということです。

パールは怒りを抑えきれなくなると、小動物を殺していたのでその反動なんでしょうね。

ネタバレ⑥:映画技師が殺された理由

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

映画技師の男が殺された理由は、”パールのことを外の世界に連れ出してくれなかった”からです。

映画技師の男はパールに対し、「ヨーロッパに行こう」、「これからはポルノ映画が流行る」、「この道をまっすぐ進めばニューヨークに繋がっている」など外の世界に連れ出してくれるような言葉を放っていました。

しかし実際のところは、そこまで野心があるわけでもなく、同時にパールの狂気さに触れてしまったことでパールを避けようとしてしまいます。

パールにとって映画技師の男は、”夫ハワードに代わって外の世界に連れ出してくれる男性”だったはずであり、その裏切られてしまった気持ちからパールは映画技師の男を殺害してしまったのです。

ネタバレ⑦:義妹ミッツィーが殺された理由

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

義妹ミッツィーが殺された理由は、”パールにない全てを持っており、人生を楽しんでいたから”です。

ミッツィーは典型的なアメリカ白人であり、また家も裕福なため自由な生活をしていました。

一方パールはドイツ人であり、閉鎖的な農場生活、金銭的に余裕もなく肩身の狭い想いをしていました。

またパールは外の世界に旅立ちたいという夢がありましたが、両親のせいで農場から抜け出すことが出来ず、人生に不満を抱えていました。

そんなパールの想いを知ってか知らずか、ミッツィーは教会のダンスオーディションに誘ってくれます。

クロネコ
クロネコ
ミッツィーは優しんだよね〜

しかし結果的にパールはオーディションに落ち、繊細なメンタルはズタズタに切り裂かれてしまいます。

そんなパールに審査員が「もっとアメリカ的なブロンド娘を探している」と声をかけてしまうのです。

アメリカ的なブロンド娘といえば、ミッツィーです。

最後のパールの長回し独白シーンで、パールは夫ハワードやミッツィーに対して不満を抱えていたことがわかります。

自分はこんなにも頑張っているのにブロンド娘であるミッツィーは全てを持っている・・・こんなふうに考えてしまったに違いありません。

だからこそパールは、ミッツィーを斧で追い回し、四肢と首を切断してワニに食わせてしまったわけですね。

ネタバレ⑧:教会のダンスオーディション

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

本作で最も印象的なシーンといえば、教会のダンスオーディションと言っても過言ではないでしょう。

夢を追いかけるためにパールが挑んだダンスオーディションですが、そこで繰り広げられたのは狂気の宴でした。

というのも、”パールの思い描く狂気が戦争という形で妄想化している”んですよね。

もちろんモチーフとなった戦争は、夫ハワードが出征している第一次世界大戦のことです。

おそらくパールは、自分を置いていってしまったハワードに対する恨み、そして愛情を同時に抱いていたのだと思われます。

そこに「外の広い世界に旅立ちたい」というパールの強い想いが掛け合わさり、あのような狂気の宴になってしまったのでしょう。

そして結果的にダンスの練習をしているわけでもないパールは、オーディションに落ちるのですが、そこで更なる狂気が待ち構えています。

というのも、”審査員の姿が母ルースや夫ハワードに変わっている”んですよね。

もちろんこれはパールの妄想なのですが、これらの人物にはある特徴があります。

それは、”パールの夢を邪魔している存在”ということです。

パールは外の世界に旅立ちたいのですが、母ルースは許してはくれませんし、夫ハワードは農園から救い出してはくれませんでした。

だからこそパールは恨みを連ねており、その恨みが幻覚として審査員の姿と重なり、妄想を繰り広げていたのだと考えられます。

クロネコ
クロネコ
もしパールがオーディションに合格していたら、どうなっていたんだろうね?
ニャンコ
ニャンコ
何も変わらないと思うなぁ・・・

もしパールがオーディションに合格していたら、パールは外の世界に旅立つことが出来、そして夢を叶えることが出来たかもしれません。

しかし本作をご覧になった人ならわかると思いますが、パールは元々サイコパス要素を持ち合わせているため、きっと旅先でも内に秘める狂気を抑えることは出来ず、殺戮を繰り返してしまうはずです。

そう考えると、あの時点でパールはオーディションに落ちて良かったんだと考えられます。

あんなサイコパスが世界に解き放たれたら・・・考えるだけで恐ろしいですね。

ネタバレ⑨:ラストシーンについて

ラストシーンも本作の見所の1つです。

両親を殺害したパールは、自らの心境を映し出した腐った豚を食卓に並べ、夫ハワードの帰りを待っています。

そこに戦争から帰還したハワードが舞い戻るのですが、待ち受けていたのは戦争以上の地獄の光景でした。

義両親の死体がダイニングに座り、料理は腐り果て、最愛の妻は狂気の笑顔で見つめ返してくるわけですからね。

ニャンコ
ニャンコ
あの笑顔はトラウマになる・・・
クロネコ
クロネコ
口角の上げ方が半端ないんだよね、あと目が怖い!

前作『X エックス』をご覧になった人ならわかっているかと思いますが、夫ハワードも殺人者として活躍をしておりますので、ハワードはパールの狂気を受け入れたんでしょうね。

いやむしろ受け入れないと自分自身が殺されてしまうと思ったのかもしれません。

それほどまでにパールの狂気は人間の闇そのものを描いており、見る者を洗脳するほどの強烈な笑顔を携えていました。

残念ながら次回作『MaXXXine』の予告映像は流れませんでしたが、一体次はどんな狂気を描いてくれるのか・・・今から楽しみですね。

映画『Pearl パール』の感想

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

前作『X エックス』に登場した殺人鬼パール婆さんの61年前の若かりし頃を描く前日談という、なんとも奇妙な続編です。

というのも前作より色使いが綺麗なんですよね。

当初タイ・ウェスト監督は、白黒で撮影しようとしたのですが、その頃に「ライトハウス」(2019)や「マクベス」(2021)、そして「マリコム&マリー」といった白黒映画が製作されていたため、本作を異なる方向性の作品とすべく本作のような色使いの映画になったそうです。

そしてこの色使いこそがパールの異様さを際立たせているんですよね。

どこか懐かしい昔のハリウッド映画を思い起こさせるような色使いは、観客を1918年のハリウッドへの連れていってくれるのです。

ニャンコ
ニャンコ
冒頭からぶっ飛んだ色使いと映像だったからね!

前作『X エックス』と比較しても、半端なく映像が綺麗なんですよね。

前作『X エックス』はとても暗い雰囲気で恐ろしく描かれていたのですが、本作はどこかポップさを感じさせる雰囲気に仕上がっています。

【ネタバレ】『X エックス』感想と考察【ラストシーンまで見逃せない上質ホラー】

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まあやっていることはサイコパスなパールによる無慈悲さ殺戮なんですけどね・・・。

しかしそのギャップがすごく良いわけです。

そして何と言っても本作は、主演ミア・ゴスの演技力が半端ないです!

あの頭にこびり付くような笑顔、そして目線は凄すぎます!

クロネコ
クロネコ
もはやモンスターだよ、妖怪だよ・・・

前作『X エックス』でも老婆パールとマキシーンの1人二役を演じていたミア・ゴスですが、本作でもその演技力は健在でしたね。

特にダンスオーディションの狂気の宴、そしてミッツィーへの独白シーン、そして何よりラストシーンの笑顔はトラウマになるほどの恐怖でしたね。

これは次回作『MaXXXine』も期待大ですね!

果たしてマキシーンがパールのような凶悪サイコパスになってしまうのか・・・今から公開が楽しみです。

まとめ

出典:『Pearl パール』オフィシャルサイト

前作『X エックス』とはテイストの異なるサイコパスホラー映画でした。

パールが内に秘める狂気が解き放たれたとき、どんなカオスな世界が待っているのか・・・それを思う存分堪能することが出来ました。

序盤からジェットコースターのようにぶっ飛ばしていましたが、サイコパスに覚醒してからのスピード感は爽快でしたね。

個人的には教会のダンスオーディションがパールの狂気を最も表していると感じました。

あんな戦争をバッグにしたダンスシーンなんて中々ないですよ・・・よく思いついたなと。

しかしグロさは少し控え目だったのが残念でしたね、結構肝心な部分はカメラ外していましたからね。

次回作『MaXXXine』も控えていますので、個人的にはもっとグロ要素を前面に出してもらいたいですね〜。

ニャンコ
ニャンコ
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最後まで読んでくれてありがとうございました。