こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『オールド』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『オールド』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『オールド』が好きになると思いますよ♪
映画『オールド』のあらすじ
「シックス・センス」「スプリット」のM・ナイト・シャマラン監督が、異常なスピードで時間が流れ、急速に年老いていくという不可解な現象に見舞われた一家の恐怖とサバイバルを描いたスリラー。
人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。
それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。
ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。
そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。
しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。
やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。
ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。
・時間の流れが急速に進むビーチの秘密とは?
・脱出不可能なビーチ、取り残された人々はどうする?
・時間に侵食される恐怖
・サスペンスかと思いきや人生を描いたヒューマンドラマでもある
主人公一家の父親役をガエル・ガルシア・ベルナルが演じ、「ファントム・スレッド」のビッキー・クリーブス、「ジョジョ・ラビット」のトーマシン・マッケンジー、「ジュマンジ」シリーズのアレックス・ウルフらが共演しています。
M・ナイト・シャマラン監督ならではの伏線を散りばめたストーリー構成となっており、1回観ただけでは、頭の中が「?」になってしまうかと思われます。
当ブログでは、映画『オールド』の謎を徹底考察・解説していますので、観賞後の役に立てれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『オールド』のネタバレ一覧
ネタバレ①:ビーチの謎
出典:IMDb
宿泊したホテルに紹介され訪れたプライベートビーチ。
楽園かと思いきや、そこは脱出不可能かつ不思議な現象が起きるビーチです。
普通は24時間=1日、このスピードで時間は経過しますよね?
それがこのビーチでは1時間=2年という驚異的なスピードで時間が経過してしまいます。
時間の流れが通常の17,520倍ってことになります・・・もはや意味わからないね。
そんな意味不明の時間の流れだと様々なことが発生します。
・子供があっという間に大人になる
・病気が急激に悪化する
・妊娠から出産もあっという間
・大人は老衰で死ぬ
特に子供があっという間に大人になる、これは衝撃的ですね。
さっきまで6歳や11歳だった姉妹が一瞬で大人になってしまいますからね。
そして問題は「何故このビーチだけ時間の流れが異常なのか?」ということです。
ちなみに影響を受けるのは”生きた細胞”のみ、例えば髪や爪は”死んだ細胞”なので伸び続けることはありません。
ネタバレ②:なぜ時間の流れが異なるのか?
普通の時間より異常なスピードで時間が経過するビーチ、何故このような現象が起きているのか?
それは、”何百万年もの間、海に沈んでいた岩山に蓄積した金属が特殊な磁場を発生させている”からです。
つまり具体的な理由は不明ってことです、超常現象みたいな類いなんでしょうね。
もちろんビーチから脱出すれば時間の流れは元通りになるのですが、ビーチから脱出するには岩山の間を通らなければならず、岩山を通ろうとすると急激な磁場の変化で気絶させられてしまうため脱出は不可能です。
海を泳いで脱出する、と考えたジャリン(水泳経験あり)が別のビーチを目指して泳ぎましたが途中で気絶し溺死。
岩山を登って脱出をしようとしたカーラも途中で気絶し落下死。
こんなのどうやったって脱出不可能じゃん!!
しかも1日=48年、つまりどんな人間でも2日ビーチにいたら寿命で死んでしまうわけです。
こんな絶望的なビーチ、果たして脱出出来るのでしょうか。
ネタバレ③:山頂からの光
本作中で山頂からチラチラと映り込む謎の光、その正体は撮影用のカメラです。
撮影しているのは、なんとビーチまで連れてきてくれた運転手!
監視するからにはビーチの秘密を知っているということですよね。
この撮影用のカメラの存在も本作の不気味さを増す要因となっております。
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ネタバレ④:抱えていた病気
出典:IMDb
謎に包まれたビーチには4つのグループが訪れています。
①ガイ(父親)、プリスカ(母親)、マドックス(長女)、トレント(長男)
②アグネス(祖母)、チャールズ(父親)、クリスタル(母親)、カラ(長女)
③ジャリン(夫)、パトリシア(妻)
④セダン、謎の女性
そしてグループそれぞれに身体や精神に病気を抱えている人物がいます。
・プリスカ
→お腹に良性腫瘍(時間の経過で悪性腫瘍となる)
・チャールズ
→ストレスで統合失調病(精神が不安定で記憶障害が起こる)
・クリスタル
→カルシウム不足(おそらく低カルシウム血症、骨粗しょう症)
・パトリシア
→てんかんの症状(発作で痙攣が起きる)
・セダン
→血液が固まらない症状(出血するといつまでも血が止まらない)
明らかに何者かに選別された、って感じがしますよね?
ちなみにメンバーの病気はビーチの影響で次のような結果となります。
・プリスカ
→お腹の腫瘍が急速に成長し気絶するもチャールズの摘出手術で生還
・チャールズ
→記憶障害が悪化し周囲全てが敵に見えるようになる。
セダンを殺害し、ガイに襲いかかるがプリスカに錆びたナイフで切りつけられ、錆の毒が全身に回り死亡。
・クリスタル
→老化により身体中の骨が劣化し骨折するも、ビーチの力で異様な角度で修復され悶絶死。
・パトリシア
→てんかんの発作が再発し死亡。
・セダン
→記憶障害が悪化したチャールズにより刺殺。
なぜホテル側は病気の人々をビーチに誘ったのか・・・衝撃的な真相は映画ラストで明かされます。
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ネタバレ⑤:砂の城
ビーチ脱出のきっかけとなった砂の城。
マドックスとトレントが残り13時間=26年の時間をどう過ごそうか、と考えた結果が砂の城を作る、ということでした。
これは見た目は50代の大人でも心の中は11際と5歳ということを表していますが、本当の意味は別になります。
というのも、本作には「Sandcastle(砂の城)」という原作があるんですよね。
どうやらこの「Sandcastle(砂の城)」を基にしているようです。
砂の城って作った人ならわかると思うのですが、少しの振動で崩れてしまいますよね?もちろん波にさらわれてしまっても一瞬で崩れ去ります。
それは人生も同じこと。
人生だっていつ何があるかわからないですし、築き上げたものが一瞬で崩れ去ってしまうこともあります。
つまり砂の城=人生を表しているのです。
そんな砂の城を人生の最後に作ることを選択するとは・・・なかなか儚いものがありますよね。
しかし理由はどうあれ童心に戻り砂の城を作ったことでビーチから脱出する方法を見つけることが出来ます。
それがトレントの友人でありホテル支配人の甥っ子イドリブがくれた暗号の紙です。
暗号の解き内容を確認すると、「僕の叔父さんはサンゴ礁が嫌い」というメッセージが書かれています。
そしてマドックスとトレントは沖にあるサンゴ礁の中を潜って進んでいけば、ビーチを取り囲む岩山の力を避けつつビーチから脱出が出来ると考えるわけです。
ネタバレ⑥:サンゴ礁
本作で重要な役割を果たすサンゴ礁、どうやら時間の流れを異常にスピードアップさせる岩山の力を防ぐことが出来るようです。
明確な理由は本作では描かれておりませんが、トレントが「岩山の磁場を防ぐには、磁場の影響を遮断する何かの中を通れば良い」みたいなことを言っていましたので、おそらくサンゴ礁には岩山の磁場を防ぐ何かしらの成分が含まれていたのでしょう。
サンゴ礁を潜って潜り抜ける際、途中でマドックスの服が引っ掛かり息が出来なくなってしまいます。
それを山頂から監視していた運転手が「浮上してこないということは溺れ死んだんだろう」と推測し、ホテル側へ死亡の報告をします。
しかし実際はマドックスとトレントは、サンゴ礁の隙間から海面に顔を出し息継ぎを行い、無事にビーチを脱出していました。
その勘違いのおかげで2人はビーチを脱出し生還を果たしたわけです。
ネタバレ⑦:ウォーレン製薬の陰謀
時間の流れが急速に進む謎のビーチ、その様子を山頂から監視している送迎バスの運転手がいましたよね?
その正体はウォーレン製薬のスタッフです。
ガイ達がホテルの部屋に到着した時、企業のパンフレットを見つけましたよね?
そのパンフレットがウォーレン製薬のものです。
つまりこの時点でウォーレン製薬が関与している複線が張られているわけですね。
またホテルの支配人でありウォーレン製薬の責任者でもある男がいますが、その男の甥っ子イドリブが「僕には友達がいない」って言っていましたよね?
これも複線でイドリブが知り合う子供達は皆んなビーチに連れていかれ、病気や老衰で死んでしまうので友達がいない、ということなんです。
このウォーレン製薬が何をしていたかというと、試験段階の薬の治験をしています。
というのも普通であれば何年も何十年も効果が出るまで試さなければならない試験段階の薬の治験も、1日=48年が経過するビーチを利用すれば簡単に治験を行うことが出来るからです。
試験段階の薬の治験には、ビーチは神がかっている場所なわけですね。
本作の冒頭でホテルに到着した時に歓迎のカクテルをもらっていましたよね?
そのカクテルの中に試験段階の薬を混ぜ込ませています。
そして今回はパトリシアに飲ませたてんかんの発作を抑える試験段階の薬が10年以上も効果があることが立証され、ウォーレン製薬の研究員は大喜び。
つまりビーチの時間を利用し、多くの新薬を開発し何百万もの人々を救おうとしているわけですね。
とはいえ無関係な人々まで犠牲にしていますからね・・・今回はマドックスとトレントが生き延びましたが、本人達からしたら50年の月日と両親、そしてトレントは子供を奪われたわけですからね!そりゃ許すことは出来ないですよ!
そこでトレントは子供の頃(と言っても1日前ですが)に行っていた”名前と職業を聞く遊び”で警察官だと言っていた男性を見つけます。
その男性にビーチで見つけたノートを渡すのですが、そのノートに書かれている名前全てが行方不明者ということが判明したため警察が動き、ホテル従業員とウォーレン製薬の研究員は逮捕されます。
おそらくこの女性は罪悪感を感じながら病気の人々に歓迎のカクテルを配り、ビーチに送り出していたのでしょう。
そのため真相がバレた時、今までの罪悪感が溢れ出し唖然とした表情になってしまったのだと思われます。
もしくは身近な人、例えば家族や恋人などに重い病気の人がいて、ウォーレン製薬とビーチの存在がなければ救えない命だったのかもしれません。
ウォーレン製薬にもまともな思考回路の持ち主がいた、ってことを表しているのかもしれませんね。
映画『オールド』の感想
時間の流れが急速に進むビーチに取り残された人々と恐怖と絶望を描く映画『オールド』、さすがM・ナイト・シャマラン監督ですね。
最近だと祖父母の家に遊びに行ったら恐怖の出来事に遭遇する『ヴィジット』、多重人格の男に拉致された女子高生の恐怖を描く『スプリット』も世に送り出し、勢いは止まりません。
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そんな今ノリにのっているM・ナイト・シャマラン監督の最新作『オールド』ですが、個人的にはメッチャ好みでした。
時間の流れがメッチャ早いビーチに取り残される恐怖・・・つまり恐怖の対象は”時間”なんですよね。
よくある殺人鬼や化物が相手だったら対抗手段もあるのかもしれませんが、時間が相手では人間にはどうすることも出来ません。
そんなどうすることも出来ない相手である”時間”が残酷かつ平等に襲いかかってくる描写は、怖いと思いつつも「時間ってすごいな・・・」という畏怖の念まで感じたほどです。
また時間の流れの早さも上手く表現しています。
1番わかりやすいのは子供の成長ですよね。
1時間=2年の早さで時間が進みますので、少しでも目を離すと子供はあっという間に成長します。
そして衝撃的だったのはカラの妊娠&出産ですよね!
ビーチの力で成長し、本能的に求め合ったトレントとカラは身体を重ねますが、たった1回の行為で妊娠するという奇跡!
海外って性教育が盛んなんですかね?とはいえ、流石に6歳で子供の作り方は知らないような気もするが・・・まさか偶然の産物?笑
この衝撃的な妊娠&出産もビーチの中でなら一瞬の出来事です。
時間にすると30分=1年、といった感じでしょうか。
ただ可哀想なのは、産まれてきた赤ん坊はビーチの力に耐えきれず一瞬で死んでしまうんですよね・・・
このシーンがすごく切なくて観ていて心苦しいものがありました。
しかし映画『オールド』が面白いのはここからなんですよね♪
序盤は子供の急激な成長や赤ん坊といった比較的若い命について描かれていましたが、中盤からは大人たちの急激な老化について描かれているんです。
人間誰だって老いていきたくはないですよね?しかし時間の流れは残酷で私達は確実に1年ずつ老いていきます。
通常の時間、いわゆる24時間=1日であれば老いのスピードはゆっくりです。
しかし時間の流れが急速に進むビーチであれば老いは一瞬です。
このビーチに1日いたら48年が経過しますからね!大抵の大人は老衰や病気で死んでしまうわけです。
そんな急速に老いが進むビーチだからこそ芽生える気持ち・・・それは許しです。
身体の中に腫瘍が出来、人生に絶望、そして不倫からの離婚を決意したプリスカ。
プリスカと元通りの関係に戻りたいと思いつつ、心にわだかまりがあるガイ。
このように本来であれば中々解決しない人生の問題も時間が全て解決してくれます。
2人が子供達に見守られながら仲良く老衰でこの世を去る姿は、とても美しく感動すら覚えます。
まとめ
非常にストーリーが良く練られており、サスペンス映画として完成されている作品だと思います。
流石はM・ナイト・シャマラン監督ですね♪
若干、説明不足な箇所もありましたが映画ってそういうものだと思っています。
とにかく時間の流れの早さを巧みなカメラワークと演出で表現しており、観ている側も急速に年老いているような錯覚を感じます。
最後までハラハラドキドキしっぱなしで、「どうやってビーチを脱出するんだろう?」とまるで映画の登場人物のように一生懸命頭を巡らせてしまうほど♪
と思ったら、ガイとプリスカがお互いを許し合う姿には感動して涙を流してしまう・・・まるで人生を描いたヒューマンドラマですね♪
これからもこんな素晴らしい映画に出会い続けていきたいものです。
どれも格別に怖くて面白い映画なので、是非機会を見つけてご覧になってください。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。