こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『ブレット・トレイン』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『ブレット・トレイン』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『ブレット・トレイン』が好きになると思いますよ♪
映画『ブレット・トレイン』のあらすじ
いつも事件に巻き込まれてしまう世界一運の悪い殺し屋レディバグ。そんな彼が請けた新たなミッションは、東京発の超高速列車でブリーフケースを盗んで次の駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。盗みは成功したものの、身に覚えのない9人の殺し屋たちに列車内で次々と命を狙われ、降りるタイミングを完全に見失ってしまう。列車はレディバグを乗せたまま、世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける終着点・京都へ向かって加速していく。
・ジェットコースターのような爽快なテンポ♪
・独特な日本の世界観、色使いに目が釘付け
・世界一運が悪い殺し屋レディ・バグの活躍がコメディ
・運命がテーマなので、結構考えさせられる
伊坂幸太郎による「殺し屋シリーズ」の第2作「マリアビートル」を、「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督がブラッド・ピット主演でハリウッド映画化したクライムアクションです。
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俳優陣も非常に豪華であり、共演に「オーシャンズ8」のサンドラ・ブロック、「キック・アス」シリーズのアーロン・テイラー=ジョンソン、「ラスト サムライ」の真田広之ら豪華キャストが集結しています。
当ブログでは、『ブレット・トレイン』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『ブレット・トレイン』のネタバレ一覧
ネタバレ①:登場人物
本作には、特徴的かつ魅力的な殺し屋が多数登場します。
そのため、登場人物を理解しておくとより本作を楽しむことが出来ます。
キャラクター名 | 特徴 |
レディ・バグ |
伝説級に運の悪い殺し屋。 仕事中、いつも事件に巻き込まれ、詩文とは無関係な人間の死に様に遭遇してしまう。 セラピーに通っており、暴力とは無縁な人間になる決意を胸に、依頼人のマリアから「ブリーフケースを盗む」だけの簡単な仕事を請け、東京初の超高速列車「ゆかり号」に乗り込む。 |
プリンス |
外見は普通の女子学生だが、狡猾で悪魔のような性格の持ち主。 自分の思い通りに物事が進んでいく「強運」が武器。 |
ウルフ |
メキシコNo.1の殺し屋。 何故かレディバグに対して強い恨みを抱いており、品川駅で下車しようとするレディバグに襲いかかる。 |
タンジェリン |
腕利きの殺し屋。 相方のレモンは、双子のような存在。 裏社会の大物ホワイト・デスの息子を京都に護送している。 |
レモン |
タンジェリンとコンビを組む殺し屋。 かつてレディバグを銃撃した因縁の相手。 「きかんしゃトーマス」を崇拝している。 |
ホーネット |
毒使いの暗殺者。 変装の達人で、一刺しで命を奪うブームスラング蛇の猛毒を手にレディバグの命を狙う。 |
キムラ |
息子をデパートの屋上から突き落とし重傷を負わせた犯人を突き止め、復讐するために「ゆかり号」に乗車する。 |
エルダー |
なにかと「運命」を語りたがる剣の達人。 キムラの父親で、息子の復讐を止めようと米原駅で「ゆかり号」に乗車する。 |
ホワイト・デス |
世界最大の犯罪組織を率いる冷酷非道な男。 大量の暗殺者を引き連れて、京都駅でレディバグたちを待ち構える。 |
サン |
ホワイト・デスの息子で、犯罪組織の後継者と目される人物。 何者かに誘拐されたが、タンジェリンとレモンが救出。 |
モモもん |
テレビ番組「モモンガ テレビキッチン」の人気マスコット。 「ゆかり号」の「モモもん車両」で敵を出迎える。 |
このように計11人の殺し屋が登場します。
どの殺し屋も個性的で魅力的ですので、きっとお気に入りの殺し屋が見つかると思いますよ。
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ネタバレ②:レディ・バグの意味
本作の主人公である世界一運が悪い殺し屋レディ・バグの名前の意味は、”てんとう虫(天道虫)”です。
一般的にてんとう虫は、幸運を呼ぶ虫として知られていますが、実際は”幸運ではなく、他人を幸せにするために悪運を背負っている”ということがわかります。
レディ・バグは、てんとう虫の名に恥じないほど悪運を呼び込んでいました。
しかしその代わりに、周囲の人間が幸せになっていたのかもしれません。
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ネタバレ③:ブリーフケースの中身
ブリーフケースの中身は、”ホワイト・デスの息子サンの身代金1,000万ドル”です。
しかし終盤にこのお金は、ホワイト・デス本人のものであることが判明します。
実は、ホワイト・デスにはある壮大な目的があり、凄腕の殺し屋を「ゆかり号」に乗車させる必要があったのです。
そのための餌として1,000万ドルが入ったブリーフケースが使用された、ということです。
ネタバレ④:因果応報
本作では、因果応報という言葉が相応しいかのように、殺し屋たちが死んでいきます。
キャラクター名(死亡) | 死亡要因 | キャラクター名(生存) |
ウルフ (死亡) |
・妻と友人の毒殺にレディ・バグが関わっていると勘違い
・壮絶な乱闘の末、投げたナイフが跳ね返り死亡 |
レディ・バグ |
タンジェリン (死亡) |
・プリンスの正体を見抜くが、プリンスを守ろうとしたレディ・バグに銃で撃たれ死亡 | レディ・バグ |
ホーネット (死亡) |
・ブリーフケースを奪うため、モモもんに化けて潜入
・壮絶な乱闘の末、猛毒の血清をレディ・バグに奪われ、自らの猛毒で死亡 |
レディ・バグ |
モモもん (大破) |
・正体は潜入しているホーネット
・ラストで脱線した「ゆかり号」の衝撃からレディ・バグを守るクッション材となり大破 |
レディ・バグ |
サン (死亡) |
・ホワイト・デスの依頼により、ホーネットに猛毒を打ち込まれ死亡 | ホーネット |
ホワイト・デス (死亡) |
・プリンスの仕込んだ自爆銃で頭が吹き飛び死亡 | プリンス |
プリンス (死亡) |
・レモンが運転する、みかんを乗せたトラックにはねられて死亡 | レモン |
こうやって整理してみると、運が悪いレディ・バグが最も殺し屋を殺しているんですよね。
ほとんどの殺し屋が因果応報の如く死んでいく様子は、かなり面白いです。
ネタバレ⑤:プリンスの正体と目的
冒頭から登場し、殺し屋たちをかき回していたプリンスの正体は、”ホワイト・デスの娘”です。
同じくホワイト・デスの息子であるサンは、プリンスの兄にあたります。
そんなプリンスの目的は、”父親であるホワイト・デスを殺すこと”です。
プリンスは幼い頃より、ホワイト・デスから女ではなく男であることを求められてきました。
おそらく「自分の後継は、男である息子に継がせたい」というホワイト・デスの想いがあったのでしょう。
そのためプリンスは、非常に優秀でありながらも父親の愛情を注がれることなく成長し、逆に男であるという理由だけで溺愛される兄サンに憎悪を抱いていました。
そしていつしか、”自分自身を認めない父親ホワイト・デスを殺したい”と強く思うようになるのです。
しかしホワイト・デスは裏社会のボスであるため、実の父親といえど簡単に近づくことは出来ません。
そのためプリンスが利用したのが、”誘拐されたサンの身代金を持ってきたキムラの存在”です。
身代金の入ったブリーフケースを辿れば、ホワイト・デスの元に辿り着けると考えたわけですね。
そのためプリンスは、キムラが不在にしている隙を狙って、キムラの息子をデパートの屋上から突き落とし、瀕死の重傷を負わせ人質とします。
おそらくキムラが身代金が入ったブリーフケースを届ける空白の3時間を狙ったのでしょう。
こうして見事キムラを操ることに成功したプリンスは、ブリーフケースを手に入れ、中に爆弾を仕掛けます。
ホワイト・デスがブリーフケースを開くと、爆発するように仕向けたわけです。
結果的にブリーフケースの爆弾でホワイト・デスを殺すことは出来ませんでしたが、銃に仕込んだ爆弾でホワイト・デスを殺すことに成功します。
ネタバレ⑥:ホワイト・デス(白い死神)の正体と目的
出典:IMDb
ホワイト・デスの正体は、”日本の裏社会のボス峰岸の側近でありながら、仲間を集め峰岸を殺すことにより、裏社会のボスになった男”です。
上手く峰岸に取り入り、下克上を狙っていたことから狡猾な人物であることが考えられます。
そんなホワイト・デスの目的は、”妻を死に追いやった殺し屋たちを全員殺すこと”です。
①殺し屋ツイン(タンジェリン・レモン)により、ボリビアにいるホワイト・デスの部下が全滅させられる
②ホワイト・デスがボリビアに向かう途中、警察に捕まった息子サンを迎えに行く妻が殺し屋カーバーの運転する車と交通事故を起こし、瀕死の重傷を負う
※カーバーは、ホワイト・デスの暗殺を試みたが不在だった
③妻は折れた肋骨が心臓に突き刺さっており、助かるためには天才外科医の手術が必要だが、天才外科医はホーネットに毒殺され、妻は助からなかった
④ホワイト・デスは怒り狂い、妻の死に関わった殺し屋全員を殺す計画を立てた
つまり、”様々な運命の歯車が絡み合い、ホワイト・デスの妻の命を奪ってしまった”ということです。
今回ホワイト・デスの復讐の対象になった殺し屋は、タンジェリン・レモン・サン・カーバー・ホーネットの計5人です。
そのため本来であれば、レディ・バグは復讐の対象ではなかったわけです。
レディ・バグは、体調を崩したカーバーの代理で任務を受け、「ゆかり号」に乗り込みました。
つまりレディ・バグは、”単に運が悪く、ホワイト・デスの復讐に巻き込まれた”ということです。
ネタバレ⑦:エルダー(長老)の正体と目的
エルダーの正体は、”日本の裏社会のボス峰岸の元側近”です。
ホワイト・デスが峰岸を裏切り殺害した現場にいた人物でもあります。
その際、右脚を負傷しており、仕込み刀を杖代わりにして歩いています。
そんなエルダーの目的は、”妻を死に追いやったホワイト・デスへの復讐”です。
しかし当時は、幼い息子キムラを守るために身を潜めていましたので、なかなか復讐の機会を得ることは出来ませんでした。
またホワイト・デスの力が絶大なため、近づくことさえ出来なかったのが現状です。
しかし息子キムラも成長し、また「ゆかり号」が終点で到着する京都駅には、ホワイト・デスが来ているということがわかりました。
またのない機会にエルダーは胸を震わせ、ホワイト・デスと因縁の対決をすることになるのです。
ネタバレ⑧:運命がテーマ
本作のテーマは、”運命”です。
レディ・バグがカーバーの代理で「ゆかり号」に乗り込んだこと自体が運命です。
レディ・バグを中心に、様々な人物の運命が狂っていきました。
その他にも、「転がってきた水が反撃の切り札になる」、「モモもんがクッションとなり助かる」など、運命を感じさせるシーンがありました。
さし印象的な運命のシーンは、”ホワイト・デスのロシアンルーレット”でしょう。
ホワイト・デスは、銃に弾を込める際、あえて弾倉全てに弾を込めることをしておりません。
つまり運命に身を任せるロシアンルーレットを行っているのです。
このロシアンルーレットこそ、運命を示唆している最も印象的なシーンでしょう。
もしかしたら峰岸を殺す際も、ロシアンルーレットだったのかもしれませんね。
しかしホワイト・デスは、1つ選択を誤ってしましました。
それが”ロシアンルーレット(=運命)の結果を無視したこと”です。
ホワイト・デスは、ロシアンルーレットという明確な運命の答えが出ているにもかかわらず、運命に逆らいプリンスが用意した自爆銃の引き金を引いてしまいました。
それが運命の怒りを買ってしまい、ホワイト・デスは死ぬことになるのです。
レディ・バグもラストシーンで、”悪運も良運もなく、運は自分で決めるものだ”と言っています。
悪運だと思っていたことが実は良運なのかもしれない・・・なかなか深いセリフですね。
ネタバレ⑨:白い帽子とスニーカーが意味すること
レディ・バグが身に付けているものに、白い帽子とスニーカーがあります。
これは、”白は何にでも染まることが出来る=何者にもなれる”ということを意味しているのだと思います。
実際レディ・バグは、「自分は世界一運が悪い」と思い込んでいました。
しかし今回の事件を通じて、「運は自分で決めるもの」であることを理解しました。
これはレディ・バグが白い帽子やスニーカーのように、どんなことでも何でも吸収(=染まる)したことが要因だと思われます。
つまり白い帽子とスニーカーは、”無限の可能性を感じさせるレディ・バグ自身を表している”ということです。
映画『ブレット・トレイン』の感想
非常にテンポが良く、まるでジェットコースターに乗っているかのような映画です。
特に中盤から一気にスピードアップし、怒涛のラストシーンに向かって突き進んでいきます。
何よりブラッド・ピットが演じるレディ・バグが憎めないキャラクターなんですよね。
世界一運が悪い殺し屋の名に恥じないほど、圧倒的な運の悪さで次々と災難を引き寄せます。
しかし運の悪さが手助けをしているのか、レディ・バグが非常に強いんですよね!世界中の凄腕殺し屋たちをことごとく返り討ちにしています。
また本作は、独特な日本の世界観も特徴的です。
ネオンの光がきらめく近未来的な日本を描いており、「海外から見たら、日本ってこういうイメージなのかな?」と思ってしまいました。
しかし地理はメチャクチャであり、「なんで静岡駅を通過した後に富士山が見えるの?」とか「東京から京都まで行くのに、何時間かかるの?(通常は3時間)」など、日本人からするとツッコミどころが満載。
極めつきは、「なぜ京都の住宅街に五重の塔が立っているの?」ですからね・・・この辺のぶっ飛んだ地理は、もはやギャグとして笑いながら観賞するしかありません。
レディ・バグ以外の殺し屋もとても個性的であり、そんな殺し屋たちとの殺し合いは非常に見応えがあります。
1番良い味を出していたのは、タンジェリンとレモンの2人でしょう。
まるでコントのように、絶妙な掛け合いで楽しませてくれます。
また本作は、『ザ・ロストシティ』でブラッド・ピットと共演したサンドラ・ブロックとチャニング・ティタムが登場します。
特にチャンング・ティタムの男好き設定は、面白かったですね♪
またブラッド・ピットが『デッド・プール2』でカメオ出演したお返しに、ライアン・レイノルズが殺し屋カーバー役でカメオ出演したのも熱い展開です。
まとめ
非常に満足度の高い映画です。
原作を知らなくても、全く問題なく楽しめます。
とにかく殺し屋たちの個性が豊かで、観ていて飽きることがありません。
特に中盤以降の展開はハチャメチャで、難しいことを考えずに楽しめます。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。