こんにちは、ニャンコです。
このブログでは映画『マトリックス』シリーズのこんな疑問に答えていきます。
・新作を含めた「マトリックス」シリーズ4作のあらすじ
・「マトリックス」シリーズの世界観をネタバレありで徹底解説&考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
1999年に公開され、革新的な映像技術とストーリーで社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔である「マトリックス」。
2003年に公開された続編「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」で3部作完結となりましたが、2021年12月17日に同シリーズの新たな物語を描く、18年ぶりとなるシリーズ新作「マトリックス レザレクションズ」が上映されます。
もうメチャクチャ楽しみです!
そうなんです!「マトリックス」シリーズって面白いんですけど、世界観が独特で頭の中が混乱するんですよね・・・
現実世界と仮想現実空間が入り混じってストーリーが展開していくので、集中していないと「あれ?いま何をやっているんだっけ?」と置いてけぼりになります。
もちろん深く考えずに新作「マトリックス レザレクションズ」を観るのもありだと思いますが、「マトリックス」シリーズの世界観を理解したうえで観賞するとより映画を楽しめると思います。
きっとこのブログを読めば、「マトリックス」シリーズの世界観を理解し、より新作「マトリックス レザレクションズ」を楽しめるかと思います。
映画『マトリックス』シリーズのあらすじ
「マトリックス」シリーズは、新作「マトリックス レザレクションズ」を含めて全4シリーズあります。
特に第1作である「マトリックス」は1999年上映のため、あらすじを忘れてしまっている人もいるかと思われます。
第1作「マトリックス」のあらすじ
出典:IMDb
プログラマとしてソフト会社に勤務するトーマス・アンダーソンは、ネオという名で知られた凄腕ハッカーでもあった。
ある日、トリニティと名乗る美女から接触を受けたネオは、彼を探していたという男、モーフィアスと会う。
モーフィアスは、人類が現実だと思っている世界が実はコンピュータにより作り出された「マトリックス」と呼ばれる仮想世界であり、本当の現実世界でネオをはじめとした人間たちはコンピュータに支配され、眠らされているという驚きの真実を明かす。
モーフィアスの誘いに乗り、本当の現実世界で目を覚ましたネオは、ネオこそが世界を救う救世主だと信じるモーフィアスやトリニティとともに、コンピュータが支配する世界から人類を救うため戦いに乗り出す
第2作「マトリックス リローデッド」のあらすじ
出典:IMDb
救世主として覚醒したネオは、コンピュータの支配から人類を解放するため戦いを続けていた。
しかし、人間たちが暮らす最後の都市ザイオンに、ロボット兵セインチネルが25万もの大軍で押し寄せていることがわかり、ザイオンの滅亡は目の前に迫っていた。
ザイオンを救うには、ネオがマトリックスの「ソース」に到達しなければならず、そこへ通じる道を開くことができるのは、「キー・メーカー」という人物だけだと知る。
ネオやモーフィアス、トリニティーは、キー・メーカーに会うためマトリックスへと侵入する
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第3作「マトリックス レボリューションズ」のあらすじ
出典:IMDb
ソースに達して精神と身体が分離した状態になったネオは、メロビンジアンの忠実なしもべであるトレインマンが支配する空間に閉じ込められていたが、モーフィアスとトリニティーがオラクルの助言に従ってメロビンジアンのアジトに乗り込み、ネオを解放させることに成功する。
センチネルの総攻撃が迫るザイオンを救うため、一行は急いでザイオンに戻らなければならないが、そんな中、ネオはひとり機械の街(マシン・シティー)に向かうことを決意する。
第4作「マトリックス レザレクションズ」のあらすじ
トーマス・A・アンダーソンは、サンフランシスコでセラピストから青いカプセルを処方してもらいながら普通の生活を送っていた。
ある日、トリニティーと再会するも互いの事が分からず、そしてモーフィアスは赤いカプセルをネオに与え、ネオは再びマトリックスの世界へ入って行く。
【ネタバレあり】映画『マトリックス』シリーズの解説&考察
ここからは「マトリックス」シリーズの世界観をネタバレありで解説&考察していきます。
「マトリックス」シリーズは、かなり作り込まれた世界観かつ専門用語が多用されているのが特徴です。
そのため、誰でもわかりやすい用語に変換して解説&考察しています。
わかりやすい解説になっているかと思いますので、是非お付き合いください。
解説①:マトリックスとは何か
出典:IMDb
マトリックスとは、”機械が人類を支配するために作り上げた仮想現実空間”です。
ラテン語で母体という意味を持っており、「何かを生み出す」という概念を表しています。
なぜ機械が人類を支配し、マトリックスを作り出すことになったのか。
それはこの後に詳しく説明します。
解説②:なぜ機械は人類を支配しているのか
出典:IMDb
機械が人類を支配している理由、それは”機械vs人類の戦争があり、機械が勝利したから”です。
機械が勝利したことにより仮想現実空間であるマトリックスが作り出され、人類は機械にエネルギーを与えるだけの存在となってしまいます。
①技術が発達し人工知能が開発され、機械が自我を持つようになる。
②自我に目覚めた機械が人間を殺してしまい、迫害を受ける。
③迫害を受けた機械は、機械だけの国ゼロワンを作る。
④人類はゼロワンを危険視し、機械vs人類の全面戦争が勃発する。
⑤機械の圧倒的武力に追い詰められた人類は、機械のエネルギー源を生み出している太陽を隠すため、ナノテクノロジーの力で雲を覆い、地球全体を闇の世界とする。
⑥エネルギー源を奪われた機械は、代わりに人類の持つ生体エネルギーを活用するようになる。
⑦機械は、より効率良くエネルギーを得るため、人類にとって快適な仮想現実空間”マトリックス”を作り出す。
⑧快適な仮想現実空間マトリックスに閉じ込めらた人類は、機械のために人生を捧げる道具と成り下がってしまう。
機械vs人類の全面戦争に人類が敗北した結果、人類は機械に支配されることになり、同時に機械に効率良くエネルギーを提供するためにマトリックスが作り出されたということです。
機械は人類をより深く理解するため、人類の生体研究をしていました。
その過程で意識のない人間は、生体エネルギーが少ない、もしくは簡単に死んでしまうこと、夢を見させれば現実世界と錯覚し生体エネルギーを効率良く得られることが判明します。
つまりより効率良く人類から生体エネルギーを奪うためには、ただ単に奪うのではなく夢を見させ現実世界と錯覚させる=仮想現実空間が最も適切ということになるのです。
そのために仮想現実空間マトリックスが作られたわけですね。
正確にはプログラムである「アーキテクト(創造主)」がマトリックスを作りました。
出典:IMDb
「アーキテクト(創造主)」が作ったマトリックスは、何も不具合が起きない完璧な世界のはずでしたが、何故か人類がすぐに死んでしまいマトリックスは崩壊していってしまいます。
そのため「アーキテクト(創造主)」は、マトリックスを完璧な世界にするため、何度もマトリックスを作り直すことにします。
マトリックスを完璧な世界にするために何度も作り直す、そのために生まれたプログラムが「オラクル(預言者)」です。
出典:IMDb
「オラクル(預言者)」は、人類の選択を司るプログラムです。
マトリックスが完璧な世界にならない理由、それは”選択がないと人類が堕落=マトリックスが崩壊する”からです。
つまり選択がない人類は、マトリックスに満足することが出来ない=完璧な世界にならない、ということです。
人類には選択が必要、そう考えた「アーキテクト(創造主)」によって「オラクル(預言者)」が生まれました。
「オラクル(預言者)」のプログラムが働いた結果、マトリックスには「人類による選択」というプログラムでは管理し切れない不確定要素が発生します。
その結果、マトリックスは単なる仮想現実空間ではなく、本当の現実世界のような姿となりマトリックスは「アーキテクト(創造主)」の目指す完璧な世界に近づいていくのです。
しかし「人類による選択」というプログラムでは管理し切れない不確定要素ということは、コンピューターで言うところのエラーやバグです。
つまり異常な状態であるため、不具合が発生します。
その不具合というのが、”マトリックスの違和感に気づき現実世界に目覚める人類=「アノマリー(異端者)」”です。
マトリックスの人類は、プラグによって現実世界とマトリックスを繋げられています。
通常であればマトリックスを現実世界と思い込んでいるので、プラグは抜かれることなく人類はマトリックスに留まり続けますが、マトリックスの違和感に気づいた「アノマリー(異端者)」はプラグを抜き現実世界に目覚めます。
こうして人類の機械に対する反逆が始まっていくのです。
解説③:赤の薬と青の薬について
出典:IMDb
「アノマリー(異端者)」として目覚めたモーフィアスがネオに差し出す「赤の薬と青の薬」。
①赤の薬
→真実を知ることが出来る=現実世界に目覚める
②青の薬
→全てを忘れ、元の世界に戻る=マトリックスの世界に留まる
ネオは赤の薬を選択し飲むことで、現実世界に目覚めることになります。
機械に支配されている人類は、生体エネルギーを機械に提供するためにプラグでコンピューターに接続されています。
赤の薬を飲むとコンピューターとの接続を切断し、強制的にプラグを抜くことが出来るのです。
出典:IMDb
こうして現実世界に目覚めたネオが救世主として人類を救う、それが映画マトリックスの世界です。
解説④:救世主とは何者なのか
出典:IMDb
人類の救世主であるネオですが、いったい救世主とはどのような存在なのでしょうか?
救世主がどのような存在かを説明するためには、まずはマトリックスの仕組みについて説明する必要があります。
人類の選択を司るプログラムである「オラクル(預言者)」が存在する前、人類の選択が存在しないマトリックスは堕落し崩壊していました。
「アーキテクト(創造主)」の考えている完璧な世界ではなかったわけです。
そのため「アーキテクト(創造主)」は、次のような行動をとります。
①人類サンプルとして人類代表1人を選び、データだけ抜き取りソースに保管
※ソースとは、人類の生態コードやマトリックスに必要なコードが保管されている場所
②ソースに保管したデータを元に新たなマトリックスを構築
③機械の脅威になるザイオンを消滅させ、新しいザイオンに少人数の人類をマトリックスから移住させる
※ザイオンとは、本物の人類と「アノマリー(異端者)」が暮らす街
④「アーキテクト(創造主)」がソースを使用し、より完璧な世界となるよう「人類の歴史を考慮して進化していく世界」にするためマトリックスを再構築
※再構築する際も人類のデータはソースに保管されたまま
⑤人類が堕落しマトリックスが崩壊する原因を探るため、人類の選択を司るプログラム「オラクル(預言者)」が生まれる
⑥「オラクル(預言者)」を通じて、選択がないと人類が堕落=マトリックスが崩壊することに気づいた「アーキテクト(創造主)」は、再びマトリックスを再構築&ザイオン崩壊&ザイオンへ人類移住を行う
⑦人類に選択を与えたことにより、マトリックスの違和感に気づき現実世界に目覚める人類=「アノマリー(異端者)」が生まれる
⑧「アノマリー(異端者)」を制御するプログラムである「エージェント(セキュリティソフト)」が生まれる
※「エージェント(セキュリティソフト)」に捕らえられた「アノマリー(異端者)」は、ザイオンに送られる
⑨マトリックスのプログラムの中で、消去やアップデートを嫌い、マトリックスの中で人類のように暮らす「エグザイル(不正規プログラム)」と呼ばれる存在が生まれる
⑩人類による選択を繰り返し、マトリックスは完璧な世界に近づく一方、「アノマリー(異端者)」と「エグザイル(不正規プログラム)」が増加する
⑪「アーキテクト(創造主)」は、マトリックスをより完璧な世界にするためには「人間の心」を理解することが最重要だと認識し、強力なデータである「救世主システム」を構築
⑫「アーキテクト(創造主)」は、過去に「救世主システム」を5回取り込みマトリックスをより完璧な世界へと近づける
簡単に言うと、「機械が効率良くエネルギーを得るために、マトリックスを何度も再構築している」ということです。
効率良くエネルギーを得るためには、マトリックスを完璧な世界にする必要があります。
マトリックスを完璧な世界にするためには、「人間の心」を理解することが最重要。
「人間の心」を理解するためには、強力なデータである「救世主システム」を構築し取り込むことが1番効率が良い。
そのため「アーキテクト(創造主)」は、「救世主システム」である救世主ネオを作り上げたわけです。
ちなみに救世主ネオ(NEO)の文字を並び替えるとONEになります。
ONEとは英語で救世主イエス・キリストのことを指しております。
そんな救世主ネオですが、文字どおり人類を救う救世主のような能力を持っております。
①人智を超えた戦闘能力
②銃弾を止めるサイコキネシス
③空を飛び回る飛行能力
④未来を予測する予知夢
しかし救世主ネオの存在する理由は、「アーキテクト(創造主)」が「人間の心」を理解するために取り込む強力なデータという存在ということです。
つまり最終的には「アーキテクト(創造主)」に取り込まれてしまう運命なのです。
救世主ネオは、数々の激しい戦いを乗り越えて「アーキテクト(創造主)」の元にたどり着きますが、これも全て仕組まれたシナリオ。
そして「アーキテクト(創造主)」との会話する中で、救世主ネオは過去の救世主と同様に2つ扉のどちらを開くのか選択を迫られます。
【選択肢①:右の扉】
救世主ネオが「アーキテクト(創造主)」に強力なデータとして吸収される。
マトリックスの人類を救うことが出来るがザイオンにいる人類は滅びる。
同時にマトリックスから新たな人類として23名を選定し、新たなザイオンの再建にあたらせる。
→「アーキテクト(創造主)」が望む選択であり、過去の救世主5人が選択した扉でもある
【選択肢②:左の扉】
救世主ネオが「アーキテクト(創造主)」に強力なデータとして吸収されることを拒絶し、マトリックスに残り続ける。
その代わりにマトリックスのシステムがクラッシュし、マトリックスの人類が全滅かつザイオンも機械軍に滅ぼされる。つまりは全人類全滅ルートへ突入する。
→救世主ネオのみが選択した前人未踏の領域
過去の救世主は、選択肢①である右の扉をくぐりました。
その結果として、”救世主吸収→ザイオン滅亡→ザイオン再建→救世主誕生→救世主吸収→ザイオン滅亡→ザイオン再建・・・(以下、無限ループ)”という流れが生まれます。
この無限ループの流れこそが「救世主システム」です。
つまり「救世主システム」は、無限ループの度に誕生すると同時に「アーキテクト(創造主)」に吸収されるプログラムとも言えます。
救世主ネオが「アーキテクト(創造主)」に究極の選択を迫られているとき、トリニティは窮地に陥っていました。
もし右の扉を選び、「アーキテクト(創造主)」に吸収されてしまうと、トリニティを助けることが出来なくなります。
そのため救世主ネオは、過去の救世主とは異なる左の扉を選択し、トリニティの救出に向かったのです。
例えその結果が人類滅亡を招こうとも、救世主ネオは愛する人の命を救うことを選択したわけです。
もちろん代償はあります。
代償①:機械軍によるザイオンの完全なる滅亡
代償②:エージェントスミスによるマトリックスの崩壊
たしかにザイオンは過去何度も滅亡しているのですが、滅亡する度に「アーキテクト(創造主)」が新しい人類23名をザイオンに送り込むことでザイオンは何度も再建していました。
しかし今回は、「救世主システム」であるネオが「アーキテクト(創造主)」に吸収されることを拒絶したため、マトリックスは現状維持となり、マトリックスの再建が行われません。
必然的に「アーキテクト(創造主)」は、ザイオンを再建する必要がなくなるので新しい人類23名をザイオンに送り込む必要がなくなるわけです。
つまりザイオンの完全なる滅亡です。
こちらについては、この後詳しく説明します。
解説⑤:スミスによるマトリックスの滅亡の危機とは
出典:IMDb
スミスは、マトリックスの真相を知ってしまった「アノトリー(異端者)」やマトリックスの秩序を乱す「エグザイル(不正規プログラム)」を取り締まるプログラム「エージェント(セキュリティソフト)」のリーダー的存在です。
①鉄筋コンクリートを砕く腕力
②正確無比な射撃
③銃弾を軽々と交わす
④マトリックスにいる人間に乗り移れる(上限1人)
どれも無敵に近い能力であり、救世主ネオ以外の人類では倒すことが出来ないほど強力な存在です。
第1作である「マトリックス」のラストで、救世主として目覚めたネオがスミスを倒しました。
しかしそこで不具合が発生します。
救世主ネオによりプログラムを破壊されたスミスですが、破壊された際に「救世主システム」のコードがスミスに上書きされてしまったのです。
スミスに上書きされてしまった「救世主システム」のコードとは、”マトリックスに定められている法則を無視出来る”というものです。
「エージェント(セキュリティソフト)」の能力の1つに「マトリックスにいる人間に乗り移れる(上限1人)」というものがあります。
この能力はスミスも例外ではありませんでしたが、”マトリックスに定められている法則も無視出来る”という「救世主システム」のコードが上書きされたため、”自分自身のコピーを無限に増殖出来る”という能力に目覚めてしまうのです。
しかもスミス自身より性能が良いアップデートされた「エージェント(セキュリティソフト)」に自分自身の能力を上書きすることも出来るようになり、その姿はまさにコンピューターウィルスそのもの。
またマトリックスを飛び越え現実世界にも干渉出来るようになってしまいます。
ここまでくるとスミスの存在は、もはや人類だけではなく機械にとっても危険な存在となります。
と言うのも、スミスは機械が制御出来ないコンピューターウィルスと化してしまい、このままでは人類はおろかマトリックスを崩壊させてしまう可能性すら秘めているのです。
もしマトリックスにいる人類が全てスミスに変わってしまったら、機械は人類からエネルギーを得ることが出来なくなり滅亡してしまいます。
しかし機械にはスミスを止める手立てがありません。
スミス自体がマトリックスを守る「エージェント(セキュリティソフト)」なわけですからね。
スミスの対処に困った機械が頼ったのは、「救世主システム」として吸収するはずの救世主ネオです。
こうして人類と機械、それぞれの命運をかけた運命の決戦が始まります。
解説⑥:救世主ネオvsスミス 運命の決戦
出典:IMDb
人類と機械、それぞれの命運をかけた救世主ネオvsスミスの決戦ですが、ここに到るまでには悲しい物語があります。
それは救世主ネオの愛する女性トリニティの死です。
救世主ネオは、人類と機械のどちらも救うために機械の神「デウス・エクス・マキナ」がいるゼロワンへ向かいます。
道中、大量のセンチネルが襲いかかりますが現実世界でもマトリックス同様に特殊能力を使えるようになった救世主ネオがなぎ倒し、道を切り開いていきます。
しかし道中で最愛の女性であるトリニティが犠牲となってしまうのです。
トリニティを失ってしまった救世主ネオは、機械の神「デウス・エクス・マキナ」にある取引と持ちかけます。
それは、”救世主システムとしてマトリックスに吸収され、マトリックスを再構築する。その代わりにザイオンへの攻撃を中断してくれ”というものです。
というのも、機械は人類を滅ぼすためにザイオンに向けて大量の機械軍を送り込んでいたんですね。
出典:IMDb
このままでは人類は滅亡してしまう、それを阻止するために機械の神「デウス・エクス・マキナ」に交渉を持ちかけたわけです。
しかし実際はそれだけではありません。
機械がザイオンへの攻撃を中断すれば人類は助かり、同様にマトリックスで増殖しているスミスを倒せば機械と「エグザイル(不正規プログラム)」が救われます。
も救う、つまり救世主ネオは、人類・機械・「エグザイル(不正規プログラム)」の3者を救うとしているわけです。
ここで思い出していただきたいのが、トリニティの存在です。
救世主ネオは、過去の救世主とは異なり個人への愛、つまりトリニティへの愛を選択しました。
トリニティ(Trinity)という単語は、キリスト教で三位一体という意味があります。
つまり救世主ネオは、人類・機械・「エグザイル(不正規プログラム)」、3者への愛を選択したということです。
そして話は戻り、3者の運命をかけた救世主ネオvsスミスの決戦の火蓋が切られます。
マトリックスの人類全ての力を集約したスミスの力は絶大であり、救世主ネオといえども苦戦を強いられる激しい戦いです。
スミスに打ちのめされ、敗北したかのように見えた救世主ネオですが、自らの「救世主システム」をマトリックスに取り込むためスミスに吸収されます。
勝利を確信したスミスですが、実際は救世主ネオと「オラクル(預言者)」の策略であり、「救世主システム」を取り込んだ「アーキテクト(創造主)」によりマトリックスは再建されます。
出典:IMDb
マトリックスが再建されたことによりスミスは消滅、機械軍のザイオンへの攻撃は中断し人類は救われます。
機械と「エグザイル(不正規プログラム)」もスミスが消滅したことにより、マトリックスが崩壊しなくなったため救われます。
こうしてトリニティ(三位一体)の単語が表すように3者が救われることになり、マトリックスの物語は幕を閉じます。
解説⑦:人類は本当に救われたのか
出典:IMDb
救世主ネオがスミスを消滅させたことで、人類・機械・「エグザイル(不正規プログラム)」も救われました。
しかし本当に人類は救われたのでしょうか?
たしかに現実世界にあるザイオンは救われましたが、実際は多くの人類がプラグに繋がれたままマトリックスにいます。
つまり機械にエネルギーを提供し続けているということです。
「アーキテクト(創造主)」は「マトリックスから出たがっている人類は解放しても良い」と言っていますが、もちろん全ての人類を解放するわけにはいきません。
しかし「アーキテクト(創造主)」は、かつて救世主ネオと対面した際、こうも言っています。
【救世主ネオ】
「人類が全滅したら、エネルギーを得られなくなり機械も全滅するのではないか?」
【アーキテクト(創造主)】
「それは我々が受け入れる生き方のレベルによる」
つまり機械が受け入れる生き方のレベルによっては、全人類解放も夢ではないってことです。
救世主ネオの選択が人類だけではなく機械も救ったように、今後のマトリックスでも新しい人類の選択が繰り広げられていくはずです。
またトリニティへの愛、つまり個人への愛を選択した救世主ネオを「救世主システム」として取り込んだマトリックスであれば、機械も個人への愛を理解するのかもしれません。
その証拠に早速マトリックスでは変化が訪れます。
それがラストシーンで少女サティが登場し、マトリックスに太陽を昇らせたことです。
出典:IMDb
少女サティは、何の存在価値もないプログラムであり、本来であればマトリックスの再建と同時に削除される運命でした。
しかし今回のマトリックスの再建では削除されず、新たに”太陽を昇らせる”という役割、すなわち存在価値を与えられています。
これは救世主ネオが選択したトリニティへの愛、つまり個人への愛を取り込んだ「アーキテクト(創造主)」が愛を理解し、存在価値のないプログラムに役割を与えたということです。
人類が本当に救われたのかは誰にもわかりません。
しかし「アーキテクト(創造主)」が個人への愛を理解したことで希望は続いていくのだと思います。
まとめ
壮大なスケールで描かれる映画「マトリックス」シリーズの世界。
大迫力のアクションシーンに魅了されますが、実際は作り込まれた世界観が重要な役割を担っています。
人類と機械、現実世界と仮想現実空間の表裏一体の関係は、一昔前であれば空想として捉えていたかもしれません。
しかし時は流れ現代、その表裏一体の関係はますます現実味を帯びてきています。
まるで現代社会に警告を鳴らすかのような映画「マトリックス」の世界観、まもなく新作「マトリックス レザレクションズ」も上映されますので、ますます目が離せなくなりますね。
このブログが「マトリックス」シリーズの世界観を理解するきっかけになってくれると嬉しいです。
長文となりましたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。