こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『マーシー・ブラック』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『マーシー・ブラック』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『マーシー・ブラック』が好きになると思いますよ♪
映画『マーシー・ブラック』のあらすじ
同級生の少女マリーナとレベッカは友人リリーを刺し、殴打して指を切る。
それは、マリーナの母親の病気を治すために「マーシー・ブラック」を呼び出す儀式だった。
マリーナは精神病院へと送られ、15年の歳月が過ぎる。
退院したマリーナは、マーシー・ブラックの存在を証明するべく行動を開始。
姉アリスとともに、都市伝説化したマーシー・ブラックの真相を追うが……。
・謎の存在マーシー・ブラックが襲いかかる恐怖
・謎が謎を呼ぶストーリーに釘付け
・絶望の余韻が残るラストシーンは見事
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【ネタバレあり】映画『マーシー・ブラック』のネタバレ一覧
ネタバレ①:マーシー・ブラックとは?
本作で主人公のマリーナや甥っ子のブライスを追い詰めてくる恐怖の存在マーシー・ブラック。
果たして幻覚なのか、それとも現実なのか、かなり謎な存在ですよね?
マーシー・ブラックの正体、それは”15年前、マリーナたちが禁断の儀式で呼び出してしまった、恐怖を具現化した存在”です。
15年前、マリーナと友人レベッカ、リリーの3人は「自分たちの親を苦しみから救いたい」という純粋な想いから、「守護天使マーシー・ブラックを呼び出し、痛みと引き換えに親を苦しみから救ってもらう」という狂信めいた儀式を行いました。
①マーシー・ブラックに痛みを差し出せば、代わりに自分が抱えている痛みや不安を取り除いてくれる
②マリーナを含めた少女3人は、親を救うため品物をマーシー・ブラックに捧げる
(1)マリーナ
→病気で苦しんでいる母親を救うため、母親からもらったブローチを捧げる
(2)レベッカ
→威圧的で怖い父親に改心してもらうため、父親の狩用グローブを捧げる
(3)リリー
→病気で苦しんでいる母親を救うため、母親からもらったリボンを捧げる
③リリーを殺し、生贄として血肉を湖に捧げる
④全ての儀式を終えると、マーシー・ブラックが現れて親を苦しみから救ってくれる
つまり3人の少女は、”愛している親を救うためにマーシー・ブラックの儀式を行った”ということです。
しかしマリーナが躊躇しリリーを殺し損ねてしまったため儀式は失敗、3人の少女の親も死んでしまいます。
リリーを殺した(実際には殺していない)マリーナとレベッカは、未成年ということもあり精神病院に入院した結果、若年性総合失調症の傾向があり自己暗示による幻覚に襲われていた、という診察がくだります。
しかしマリーナは、「彼女は実在する。彼女の名前はマーシーだ」と断言するのです。
そんな悲惨な事件から15年後が本作の舞台です。
マーシーのことを忘れようとするマリーナですが、マリーナが起こした悲惨な事件は世の中に拡まっており、模倣犯まで出現するほど有名な都市伝説となっていました。
そしてマリーナの周辺では、不可解な現象が発生する・・・というのが本作の流れです。
ネタバレ②:「見えない家」と「読めない本」
本作でマリーナ含めた少女3人が行ったマーシー・ブラックの儀式。
その儀式は「見えない家」と「読めない本」で行われていました。
しかし地元警察は、「見えない家」と「読めない本」を発見することが出来なかったため、全てはマリーナ達の幻覚として考えられてきましたが、本作終盤でどちらも現実だったということが判明します。
①「見えない家」
→地下に繋がる入口が落ち葉で隠された核シェルター(おそらく冷戦時代に造られたもの)
②「読めない本」
→ギリシャ語で書かれた本(ギリシャ語だからマリーナたちには読めない)
そうなんです!案外普通なんですよ!
特に何かしら含みを持たせるとかでもなく、地下の核シェルターだから「見えない家」、ギリシャ語で読めないから「読めない本」・・・もう少し工夫は出来なかったものなんですかね?
そんな文字通りの「見えない家」と「読めない本」ですが、ストーリー的には非常に重要な役割があります。
まず「見えない家」こと核シェルターですが、ここではマリーナたち少女3人がマーシー・ブラックの儀式を行っていました。
具体的には紙や糊でマーシー・ブラックの顔や身体を作り、カラスの血で色を塗っていたのです。
そして親を苦しみから救うために、マリーナたち3人はそれぞれ品物を差し出します。
その儀式を行っていたのが「見えない家」なのです。
それは”大人からは見えない、見つからない”という役割です。
というのも「見えない家」は、地下に隠された核シェルターであり、目印がない限りは地表から探すのは困難です。
それはつまり誰にも見つからない=”大人からは見えない、見つからない”ということになります。
今回の儀式の目的は、”少女3人の親を苦しみから救うこと”であり、おそらく儀式を成功させるためには救う親本人に見つかってはいけないのでしょう。
そうなると「見えない家」は役割を果たすのにピッタリな場所だったといえます。
そして「読めない本」ことギリシャ語の本ですが、マリーナたち3人はこの本を参考にして儀式の内容を思いついたのだと思います。
いわゆる儀式の道標、といったところでしょうか。
ネタバレ③:マーシー・ブラックは2人いる
本作で猛威を振るった恐怖を具現化した存在であるマーシー・ブラック。
実はマーシー・ブラックは2人いたことに気づいたでしょうか?
①本物のマーシー・ブラック
(1)15年前の儀式で呼び出された恐怖を具現化した存在
(2)マリーナとブライスにだけ見えている
(3)家の中で排気口からブライスに話しかける
(4)マリーナを家の中、核シェルターで襲う
(5)ラストシーンで儀式を成功させたブライスと魂が同化
②偽物のマーシー・ブラック
(1)正体は変装したリリー
(2)人形でガラスを割る嫌がらせ
(3)マリーナの部屋に「約束」という文字を書きなぐる
(4)ブライスの愛犬ロルフ殺害
(5)アリスの恋人ウィル殺害
(6)アリスを驚かせて2階から転落させる
(7)ラストシーンでブライスに殺され、生贄として捧げられる
マーシー・ブラックが2人前提で映画を観ると、色々な謎がスッキリすると思います。
ネタバレ④:リリーの目的
15年前にマーシー・ブラックの儀式の生贄として、マリーナとレベッカに殺されていたかと思われていたリリー。
しかしリリーは名前をベローズと変え、図書館の司書として街に戻ってきていました。
そんなリリーの目的は、”15年前に行ったマーシー・ブラックの儀式を成功させること”です。
それは”儀式の成功=リリーを生贄としてマーシー・ブラックに捧げる”ということでもあります。
マーシー・ブラックの儀式とは、”痛みを差し出せば、自分が抱えている痛みや不安を取り除いてくれる”というものです。
そしてリリーの望みは”愛する母親を病気から救いたい”というものです。
しかし15年前の儀式では、マリーナがリリーを殺すことに躊躇してしまったため儀式は失敗、結果としてリリーの母親は助からずに死んでしまいます。
おそらく意味はないと思いますし、恐怖を具現化した存在であるマーシー・ブラックが死人を蘇らせてくれるとは思いません。
しかし既にリリーは狂信的な思想に取り憑かれているため、「儀式を成功させれば母親が生き返る」と思い込んでしまっているわけですね。
だからこそマリーナに”自分(リリー)を殺させる儀式の約束”を思い出させるために、マーシー・ブラックの人形や変装した姿で現れていたわけです。
確かにマリーナをナイフで刺して殺そうとしましたが、本当に殺すつもりはなかったんだと思います。
リリーはマリーナに殺意がないことに気がついていたはずです。
しかし儀式を成功させるためには、マリーナに自分(リリー)を殺させる必要があります。
だからこそ「ブライスの喉を切って殺す!」というセリフを吐き、マリーナに殺意を抱かせるように仕向けたのでしょう。
しかしながらマリーナはリリーを殺すことが出来ませんでした。
怒り狂うリリーですが、何と儀式を成功させたのはブライス!
ブライスはリリーの左目にナイフを刺し、いとも簡単にリリーをマーシー・ブラックへの生贄として捧げることに成功します。
ネタバレ⑤:ブライスの儀式
まさかのブライスがリリーを殺し、マーシー・ブラックの儀式は成功しました。
ブライスの儀式は、”愛する母親を怪我から救うため、マーシー・ブラックに生贄を捧げる”というものです。
【マリーナ・レベッカ・リリー、少女3人の儀式】
①15年前、それぞれの親を苦しみから救うため、リリーを生贄としてマーシー・ブラックの儀式を行う
②マリーナがリリーを殺すことに躊躇したため儀式は失敗
③マリーナとレベッカは精神病院に入院、リリーは奇跡的に一命をとりとめる
④儀式で呼び出されたマーシー・ブラックが都市伝説として世界へ拡がり、恐怖が具現化した存在として誕生する
【ブライスの儀式】
①父親は母親とブライスの元を去り、母親は金銭や生活面、精神面で苦しんでいる
②ブライスは家の中でマーシー・ブラックが見えている
(1)マリーナが家に戻って来た時にマーシー・ブラックも一緒に連れてきた
(2)もしくはマーシー・ブラックに変装しているリリーを見かけた
③ブライスの母親は窓の外にいるマーシー・ブラックの姿を見て2階から転倒して怪我をする
(1)母親は本物のマーシー・ブラックor変装したリリーを見てしまった
(2)おそらく命に危険があるほどの大怪我
④ブライスは母親を救うため、本物のマーシー・ブラックと儀式の契約を結ぶ
(1)儀式の内容は「リリーを生贄としてマーシー・ブラックに捧げること」
(2)そのためラストシーンでリリーをナイフで刺して殺した
つまりブライスは、”愛する母親を救うため、マーシー・ブラックの儀式の生贄としてリリーを殺した”ということになります。
15年前の儀式は「マリーナがリリーを殺せなかった」ということで失敗に終わっていますが、今の段階はいわゆる「儀式の延期間長状態」だったのだと思います。
つまり15年前には達成出来なかったが、儀式が期間延長されている状態なので今リリーを殺しても儀式は成功扱いになるということです。
しかし今回のケースは、生贄対象であるリリーが別の儀式を行っているブライスによって殺されています。
そうすると15年前の儀式は延長ではなく本当の失敗扱いになってしまうはずです。
つまり”ブライスの儀式>少女3人の儀式”という力関係になるはずなのです。
マーシー・ブラックは儀式に成功した人間に力を貸すので、必然的に儀式に失敗した人間には何かしらの罰を与えるはずです。
儀式に失敗した人間に用はないですからね。
一番わかりやすいのは、儀式に失敗した人間を殺してしまうことです。
きっとマリーナたちもマーシー・ブラックに殺されてしまうんでしょうね。
ネタバレ⑥:ラストシーン解釈
ブライスがリリーを殺し、生贄としてマーシー・ブラックに捧げるという衝撃的なラストシーン。
ラストシーンでは、ブライスがマーシー・ブラックと一体化するような描写がされていました。
マーシー・ブラックの正体は、”恐怖を具現化した存在”と考察しました。
15年前のマリーナたち少女3人の儀式によってマーシー・ブラックの思念が呼び出され、そこから都市伝説として世の中に拡まったことで恐怖が具現化し、本当にこの世に存在することになってしまったのだと思われます。
その姿はあくまで作り物であり、身体は紙と糊で作られているに過ぎません。
いわゆる人形と同じような存在ですね。
しかしラストシーンでブライスが儀式を成功させたことにより、マーシー・ブラックはブライスの魂を取り込み、作り物の身体だけではなく人間の魂を取り込んだ存在へと進化してしまったのだと思われます。
ブライスの「僕にはマーシー・ブラックが見えているのかも・・・」というセリフから、今までのマーシー・ブラックは”儀式を行っている人間にしか見えない存在”であることが想像出来ます。
しかしブライスが儀式を成功させたことにより、マーシー・ブラックはブライスの魂を手に入れました。
これは”マーシー・ブラックが本当の意味で世の中に誕生した”ということを表しています。
きっとこれから世の中全ての人間を恐怖と絶望の淵へと落とす存在として君臨するのかと思われます。
映画『マーシー・ブラック』の感想
少女たちの”苦しんでいる親を救いたい”という優しい想いが、恐怖を具現化した存在マーシー・ブラックを呼び出してしまうという悲しいストーリーです。
果たして現実なのか、幻覚なのか、その境目を曖昧に描いており、かなり不気味な映画に仕上がってします。
特に序盤の「何が出てくるかわからない・・・」といった雰囲気は最高ですね。
終盤にかけて気になる謎が少しずつ明かされていくのも良いですね。
特にマーシー・ブラックと格闘する核シェルターのシーンはハラハラドキドキしました。
そう!弱いんです!マリーナの反撃で呆気なく退散しちゃいますからね・・・
恐怖を具現化した存在ならば、もっと強くしてもよかったんじゃないですかね?
絶望の余韻が残るラストシーンは好みでした。
ブライスの魂を取り込み、完全体マーシー・ブラックとなった存在が世界を恐怖に染めていく様が想像出来てワクワクします。
まとめ
かなり面白いホラー映画でした。
とにかくマーシー・ブラックの存在が不気味なんですよね。
謎もかなり多いし、上質なホラー映画だと思います。
やっぱりホラー映画って良いですよね、恐怖で脳味噌がフル回転する感じがします。
同じくブラムハウス制作のホラー映画としては、『ゲット・アウト』や『ブラック・フォン』もオススメです。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。