こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『ゴジラ−1.0 マイナスワン』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『ゴジラ−1.0 マイナスワン』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『ゴジラ−1.0 マイナスワン』が好きになると思いますよ♪
映画『ゴジラ−1.0 マイナスワン』のあらすじ
焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。
残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。
ゴジラ七〇周年記念作品となる本作『ゴジラ −1.0』で監督・脚本・VFXを務めるのは、山崎貴。
絶望の象徴が、いま令和に甦る。
・1954年公開された、ゴジラの70周年記念作品
・ゴジラによる圧倒的な破壊、暴力、理不尽さを味わえる
・戦争によるマイナス、人生のマイナス、永遠のマイナス
・ラストシーンも最高、文句なし
日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品であり、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目となる本作。
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけています。
タイトルの「−1.0」の読みは「マイナスワン」であり、舞台は戦後の日本です。
戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現し、その圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす絶望が描かれています。
戦争を生き延びた人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく、というストーリーです。
主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、2023年4~9月に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演しているのも特徴です。
戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じており、その他にも山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介と実力派豪華キャストが共演しています。
当ブログでは、『ゴジラ−1.0 マイナスワン』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『ゴジラ−1.0 マイナスワン』のネタバレ一覧
ネタバレ①:ゴジラについて
ゴジラ(Godzilla)は、”1954年に日本公開された映画で登場した架空の怪獣”です。
原子爆弾投下からわずか9年後に制作され、核恐怖症や原子力の客観的な不安が日本社会に残っていた時期に公開されました。
ゴジラは人類では到底立ち向かうことの出来ない強さを秘めており、まさに台風や津波、火山の噴火や地震のような自然そのものとして描かれています。
名前の「ゴジラ」とは、力強い「ゴリラ」と体の大きな「クジラ」を混合した造語だと言われています。
また英語名の「GODZILLA」は海外輸出の際に命名されたものであり、大戸島(架空の島)の伝承に由来するという第1作の設定から単なるローマ字表記ではなく「GOD(神)」を表しています。
本作でも大戸島(架空の島)の伝承に由来するという設定が活かされていましたね。
そして人類がどんなにゴジラを愛して、そして理解しようとしていてもゴジラが理不尽に襲ってくる、というのがゴジラの魅力でもあります。
そんなゴジラ生誕70周年記念で公開された本作は、まさに人類をマイナスの世界へと誘ってくれます。
ネタバレ②:-1.0が表すもの
本作のタイトルである『ゴジラ-1.0』ですが、『-1.0 』には様々な意味があると考えられます。
単純に「戦争で全てを失ったゼロからのマイナス』という意味もありますが、それ以外にも重要な意味があると考えられます。
それが”人生のマイナス”です。
主人公の敷島を始めとした戦争の生存者である軍人、戦争を生き延びた一般人、そして戦争に参加していない若者や子供は、戦争により多くのものを失いました。
つまり”全ての日本人が戦争により「人生のマイナス」を突きつけられている”のです。
戦争がなければ家族は死ななかった、戦争がなければ家を失わなかった、戦争がなければ仕事や夢を失わなかった、これらはほんの一部であり多くの人々が戦争により何かを失ってしまったのです。
そして人生のマイナスは、決して元には戻らないと考えられます。
戦争により失ったもの、失った時間は決して元には戻りません。
その象徴が”完全無欠の存在であるゴジラ”です。
本作のラストシーンで人類はゴジラに勝利したかのように見えましたが、実際はゴジラ細胞は再生を続けており、ゴジラが死んでいないことが示唆されています。
つまり”ゴジラ(戦争)は絶対に死なない、戦争によるマイナスは永遠にマイナスのままである”ということを表しているのです。
ネタバレ③:敷島の贖罪と再生
本作はゴジラによる恐怖と絶望だけではなく、”敷島の贖罪と再生を描いたストーリー”でもあります。
敷島の罪は、次のとおりです。
・特攻隊の任務から逃げ、生き残ってしまった
・ゴジラに立ち向かえず、橘の仲間を見殺しにしてしまった
生きている人間であれば、死に恐怖することは当然であり、敷島の行動には同感出来るものが多いです。
しかし当時の戦時中においては、「生き残ること自体が罪」という風潮があったんでしょうね。
だからこそ敷島は、「俺の戦争は、終わっていない」と感じており、罪を償うためにゴジラ討伐に信念を燃やしているのです。
つまり贖罪ですね。
しかしこれらの贖罪は敷島だけではなく、戦後の日本人全員に共通しているものだと考えられます。
敷島と同じく戦争を生き残ってしまった秋津や野田も、「なぜ自分が生き残ってしまったのか?」と疑問を感じており、どこか死に場所を探しているようにも感じました。
だからこそワダツミ作戦が始まる際、秋津は水島を突き放したんですね。
「戦争を体験していない若者に未来を託す」という強い意志が感じ取れます。
そしてその想いは、敷島も同様です。
敷島はゴジラの犠牲になった典子(実際は生きていましたが)の仇を討つため、自分の命を投げ出すような描写がされていましたが、実際は”残された子供であるアキコの未来を守ろう”としていたんですよね。
そんな敷島の想いに気がつきたとき、思わず涙が流れました。
敷島の命に対する考え方が変わったということですからね。
ネタバレ④:放射熱線による最強の絶望
本作の舞台は戦後の日本です。
戦争により日本の各都市は、空襲や原子爆弾投下により壊滅状態となっており、ポツダム宣言による無条件降伏を行なっているため、まさに日本は全てを失ったゼロの状態なわけです。
そして敗戦国としてアメリカにより武装解除されている、つまり日本には戦闘力がありません。
またアメリカはソ連と冷戦中であり、武力参戦出来ない、つまり援軍が期待出来ないという絶望的な状況です。
これも本作の舞台を戦後の日本にした理由でしょうね。
そんな絶望的な状況の中、ゴジラが銀座の街で繰り出した放射熱線は、まさに最強の絶望とも言える攻撃でした。
まるで核ミサイルを彷彿させるかのような爆発と爆風、そしてきのこ雲でしたね。
戦後で全てを失ってしまった日本がトドメの一撃としてゴジラの放射熱線による攻撃を浴びる・・・まさに本作のタイトルである『1.0』にふさわしい名シーンです。
ネタバレ⑤:ワダツミ作戦
本作ではゴジラを倒すために、ワダツミ作戦が実行されました。
ワダツミ作戦とは、”ゴジラを水深1500mの相模湾に誘き寄せ、フロンガス発生器で一気に深海まで引きずり込み、水圧による圧力差で殺す”というものです。
そしてそれでもゴジラを殺せなかった場合に、予備策としてゴジラをバルーンで海上に浮かび上がらせ、浮上による圧力差で殺す、といった作戦です。
というのも、ゴジラが登場する際は深海魚が海面に浮かび上がり、内臓を口から飛び出させて死んでいました。
これは深海に生息しているゴジラが海面に浮かび上がった際、深海魚も一緒に海面に浮上した結果、その圧力差で内臓が口から飛び出ていると考えられます。
つまり”ゴジラは普段は深海に生息しており、人類を襲うときだけ海面に浮上する”ということが考えられます。
そうなるとゴジラは、水中呼吸が出来ることになってしまうので、溺死というのはできないんですよね。
たしかに深海の水圧ではゴジラを殺すことは出来ません。
ワダツミ作戦は水圧でゴジラを殺すのではなく、急速な圧力差でゴジラを殺す、といった作戦です。
少しずつ身体を慣らしながら深海から海面に浮上してくればダメージは受けませんが、急速に深海に引きずり込まれると身体が圧力の変化に対応しきれず、甚大なダメージを受けてしまいます。
しかしワダツミ作戦でもゴジラを殺すことは出来ませんでした。
ゴジラにトドメを刺したのは、”敷島の特攻とゴジラの放射熱線による自爆”です。
ゴジラが放射熱線を放とうとした瞬間、敷島の操縦する戦闘機がゴジラの口に突っ込み、搭載している爆弾によりゴジラの顔面を吹き飛ばしました。
そこに行き場を失った放射熱線のエネルギーがゴジラの体内で暴走し、ゴジラを一時的にですが殺すことに成功したのです。
なおゴジラが崩壊していくシーンで、人類がゴジラに向かって敬礼しているシーンがありましたよね。
本作でもゴジラは、戦争の象徴として描かれています。
そのため人類はゴジラに対し、戦争による犠牲者を重ねていたと考えられます。
だからこそ戦争の犠牲者に向けて、人類は敬礼していたのでしょう。
ネタバレ⑥:ゴジラ細胞の再生力
本作のゴジラは完全無欠の破壊神として描かれております。
その特徴の1つとして挙げられるのが、”ゴジラ細胞の圧倒的な再生力”でしょう。
口の中から爆弾で吹き飛ばそうが、戦艦の主力砲台を受けようが瞬く間に身体を再生させてしまいます。
どんなにダメージを与えても瞬く間に再生して回復してしまう、まさに完全無欠ですね。
そんなゴジラ細胞ですが、ラストシーンでも見事に絶望感を味合わせてくれました。
敷島を始めとする人類が協力し合い、ついにワダツミ作戦でゴジラを倒したかのように見えましたが、海中でゴジラ細胞が再生を行っていましたからね。
これはきっとゴジラが復活し、再び日本は地獄絵図と化していくのでしょう。
ネタバレ⑦:誰が貧乏くじを引くのか
本作の代表的なセリフに「誰が貧乏くじを引くのか」というものがあります。
何かを成し遂げるためには、誰かが貧乏くじを引かなければなりません。
その象徴的なのが戦争ですよね。
誰だって死にたくありませんし、わざわざ遠い戦地にまで行きたくはありません。
しかし誰かが貧乏くじを引かない限り、次の人が貧乏くじを引いてしまうのです。
だからこそ敷島や秋津、野田たちのような戦争経験者は、未来ある若者たちに貧乏くじを引かせることなく、自分たちが貧乏くじを引くことを選択したんですよね。
大人たちの決意が表れる、とても素晴らしいセリフです。
ネタバレ⑧:ラストシーン
ワダツミ作戦と敷島の決意が功をなし、遂に人類はゴジラに勝利することが出来ました。
しかし実際には勝利出来ておらず、ゴジラ細胞が深海で再生し続けているシーンが映し出されます。
つまり”ゴジラは生きており、再び戦後の日本をマイナスに陥れる”ということです。
これは、「戦争による人生のマイナスは、永遠に続いていく」ということを表しています。
たとえ戦争の負の象徴であるゴジラを倒したとしても、決してゴジラは倒せない、戦争による人生のマイナスは決して消えない。
そんな絶望的かつゴジラらしいラストシーンです。
ネタバレ⑨:典子の首跡
亡くなったと思われていた典子ですが、実は生きていたことがラストシーンで明らかになります。
それ自体は大変素晴らしいことですが、典子の首元に黒い跡が一瞬映り込むんですよね。
これは”ゴジラの放射熱線による放射能の後遺症”かと考えられます。
実際にゴジラが放射熱線を放った銀座では、未知の物質や放射能が確認されておりました。
そうなると、かつての広島や長崎の原子爆弾のように”生き延びても放射能で苦しむ、もしくは死亡する”といった可能性が考えられます。
本作中でゴジラは、何度か放射熱線を放っています。
そうすると大量の放射能が周囲にばら撒かれている可能性があるわけです。
銀座のような街中であれば、生き物に多大なる影響を与えます。
そして海であれば、海産物に多大なる影響を与えてしまうわけです。
そう考えると、”放射能に汚染された海産物を食べることにより、更に放射能による後遺症が拡大していく”といった展開が考えられます。
ゴジラは物理的な破壊だけではなく、その後の放射能による後遺症まで残していたんですね。
映画『ゴジラ−1.0 マイナスワン』の感想
ゴジラ70周年記念作品であると同時に、文句なしの最高の神映画です。
ゴジラによる恐怖と絶望はもちろんのこと、戦争の悲惨さ、そして主人公である敷島の贖罪と再生を描いています。
ストーリーも重厚であり、戦争を生き抜いた人間が絶対的な力を持つゴジラと遭遇した時、どう生き抜いていくのか…とても先が気になる構成に仕上がっていますね。
特にゴジラの放射熱線は、原子爆弾を彷彿させ、圧倒的な絶望感を味合わせてくれます。
また音楽も神がかっており、往年のゴジラファンは、ゴジラのテーマが流れた瞬間に身体中が鳥肌で総毛立つことでしょう。
人類とゴジラとの対決も非常に手に汗握る展開であり、敷島の決断と勇気に「明日も精一杯生きていこう」と思えること間違いなしです。
そして…ラストシーンもエゲツないですね。
いやぁ、凄すぎる映画ですね、決して戦争は終わらないのか…。
まとめ
間違いなくゴジラ生誕70周年記念にふさわしい映画です。
ドラマパート、ゴジラパート共に非常にクオリティが高く、映画の世界に没入出来ます。
ゴジラによる圧倒的な破壊と暴力は、まさに人類が犯した戦争そのものであり、戦争の愚かさと恐怖を実感させてくれます。
ハリウッドのゴジラ映画も素晴らしいですが、本作はハリウッドに負けていないですね。
それぐらいの没入感がありました。
いやぁ、神映画だわ。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。