こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『ザ・ディープ・ハウス』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『ザ・ディープ・ハウス』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『ザ・ディープ・ハウス』が好きになると思いますよ♪
映画『ザ・ディープ・ハウス』のあらすじ
世界各地の廃墟などをアップし登録者数を増やしているYouTuberカップルのティナ(カミーユ・ロウ)とベン(ジェームズ・ジャガー)は、ある湖に沈められた曰くつきの屋敷を撮影が目的でフランスの郊外にやって来た。
湖畔で知り合ったピエール(エリック・サヴァン)から場所を案内してもらい水面下に潜ると不気味な屋敷が彼らを待っていた。
屋敷内を探索、撮影していると不思議な現象や幻影が次々と襲って来る。危険な雰囲気を察知し酸素量も少なくなり屋敷から出ようとするが、いつの間にか出口が塞がれていた。パニックとなる彼らの目の前に、想像を絶する恐怖が!!!
・心霊現象×酸欠への恐怖
・水中屋敷の秘密が怖過ぎる!
・リアリティある水中シーン
・絶望のラストシーンに絶句
「屋敷女」「レザーフェイス 悪魔のいけにえ」など数々の恐怖映画を手がけるジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督が、湖底に沈んだ謎の屋敷で思いがけない恐怖に遭遇する若い男女の姿を描いたホラーです。
動画の登録者数アップを狙い、湖に沈んだ水中屋敷の撮影に挑むYouTuberのティナとベンの2人ですが、水中屋敷にはある秘密があり、2人は怪奇現象と酸素切れの恐怖に遭遇する、というストーリーです。
その恐怖は、アメリカのホラー映画制作会社のヒメーシュ・プロダクションズも認めているほどです。
また実際に水中にセットを組んで撮影された水中屋敷のリアルな描写は、観客に更なる恐怖を与えてくれます。
当ブログでは、『ザ・ディープ・ハウス』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『ザ・ディープ・ハウス』のネタバレ一覧
ネタバレ①:舞台となるフレー湖
本作の舞台となるのは、フランスの田舎町にあるフレー湖です。
昔は村があったそうですが、洪水により湖の下に沈んでしまいました。
また近隣では、子供の行方不明者が続出している不気味な場所でもあります。
いつもは観光客で賑わうフレー湖ですが、地元民のピエールが森の奥にある秘密の場所を教えてくれることからストーリーが進み始めます。
つまりピエールは、”恐怖への案内人”といったところでしょうか。
ネタバレ②:水中ドローン「トム」による没入感
出典:IMDb
本作で最も良い味を出しているのは、”最新型水中ドローンのトム”でしょう。
水中でも問題なく動き、4Kの映像美で水中を映し出してくれます。
しかしトムの役目は、それだけではありません。
トムは、”私たち観客の目でもある”ということなんです。
本作はPOV、いわゆる主観ショットと呼ばれる手法で撮影されていますが、トムがいることで第三者視点で映画を観ることが出来るんですよね。
単なるPOVだと周囲で何が起きているかわからず、若干興醒めしてしまうこともありますが、本作はトムが第三者視点の役割を果たしてくれるので、映画の世界観に没入することが出来ます。
そしてトムは、エコー(超音波)を使い、周囲に動いている物や音がないか調べることが出来ます。
これも恐怖演出に一役買っており、例えば「何もない空間で人の声を拾う」とか「何もない空間で動いている物を感知する」など、最新型ドローンならではの恐怖シーンを提供してくれます。
そして何と言ってもトムの真骨頂は、”霊探査機の役割を果たしている”ことです。
というのも、霊が近くにいたり怪奇現象が発生すると、トムの動きが止まったり、赤いライトが点いたりするんですよね。
つまり”トムの不具合=霊が近くにいる”ということなんです。
この辺りの恐怖描写は、非常に上手いですね。
ネタバレ③:キリスト教との関係
本作では、キリスト教が深く関係してきます。
フランスの田舎町や舞台となる水中屋敷には、キリスト教を信仰している描写が登場します。
1番印象的なのは、”地下室への扉を隠していたキリスト像”ですね。
最初は目を閉じていたはずなのに、いきなり目を開けている恐怖演出をぶち込んできます。
またラストシーンで屋敷からの出口となる霊廟も、”キリストの復活”を連想させます。
そして何より、ベンとティナのダイビング機材に貼られていた「逆十字」が印象的でしたね。
逆十字には、このような意味があります。
①聖ペトロの殉教を表す、聖ペトロ十字
②交差する2本の鍵=天国の鍵
③悪魔崇拝
本作をご覧になった人ならわかると思いますが、本作の逆十字は「③悪魔崇拝」を意味しています。
逆十字を見たピエールは逆十字のことを、「平和と悪魔、死ではなく永遠の眠り」と不気味な言葉を言っていました。
もうこの時点から伏線が貼られており、逆十字を背負って水中屋敷に潜るベンとティナは、悪魔崇拝への道を辿る運命だったということになります。
また水中屋敷の地下室で鎖で吊るされているモンティニャック家の両親の姿は、まるで十字架にかけられたキリストと同じポーズに見えます。
ネタバレ④:モンティニャック家の秘密
本作に登場する水中屋敷には、過去にモンティニャック家の4人が暮らしていました。
そしてこの4人こそが、本作の黒幕であり悪霊の正体です。
モンティニャック家の家族構成は、次のとおりです。
①父親(名前不明)
②母親(名前不明)
③サラ(ピエールの姉)
④ピエール(ベンとティナを誘った黒幕)
ピエール以外の家族は死んでいますが、今も水中屋敷に悪霊として存在し続けています。
そんなモンティニャック家の目的は、”子供を生贄とした、悪魔崇拝”です。
モンティニャック家は、家が水中に沈む前から近隣の子供たちを誘拐し、悪魔への生贄として殺害していました。
地下室に撮影機材(スーパー8)があり、生贄に捧げる場面もカメラで撮り続けているという鬼畜っぷりです。
子供たちが屋敷から逃げることが出来ないよう、玄関や窓を厳重に封鎖していたのでしょう。
その証拠に玄関には、必死に逃げようとした子供の爪痕がくっきりと残っています。
しかしモンティニャック家の悪行も長くは続かず、遂に村人たちにバレることになります。
そのため村人たちの怒りを買い、両親は拷問用の恥辱のマスクを被されて地下室に鎖で繋がれ、サラはベッドで射殺されてしまいます。
ピエールだけは、何とか屋敷を脱出し、生き延びているって感じですね。
しかしモンティニャック家は、既に悪魔崇拝の儀式を完成させており、地下室に五芒星(ペンタグラム)を描いていました。
そのため屋敷が水中に沈んだ後も、まるで時の流れを止めたかのように、屋敷は当時の姿のまま封印されることになるのです。
ベンとティナが屋敷の中には入れたのに、外に出れなくなった(入り口が壁で塞がれた・窓ガラスが割れない等)ことから推測すると、”外から中には入れるが、中から外に出ることは出来ない”という封印なのでしょう。
そしてピエール以外のモンティニャック家の3人は、今もなお悪霊として水中屋敷に存在し続けています。
直接姿を現して脅かしもしてきますが、ティナに対して幻覚や幻聴などの恐怖演出を与えてきます。
おそらく目的は、”人間の魂を奪うこと”でしょう。
しかし屋敷は封印されておりますので、モンティニャック家の悪霊が屋敷の外に出ることは出来ません。
そのため外の世界から生贄を連れてくる必要があるんですよね。
その役目が本作の黒幕であるピエールということです。
ネタバレ⑤:ピエールの正体
ピエールの正体は、”唯一生き延びたモンティニャック家の人間”です。
冒頭でピエールが言っていた、「死ではなく永遠の眠り」という言葉が水中屋敷の寝室に飾ってありました。
おそらくあの寝室が、ピエールとサラの寝室だったのでしょう。
そしてモンティニャック家は、悪魔への生贄として子供を殺害したことが村人に知れ渡ったため、村人たちに復讐として殺されてしまいます。
しかしピエールだけは、運良く生き延びることが出来たのです。
そしてピエールは、水中屋敷に封印されている家族のために、何も知らない若者たちを生贄として水中屋敷に送り込んでいるということです。
ネタバレ⑥:悪魔崇拝の目的
モンティニャック家が行った悪魔崇拝の儀式ですが、いったい目的はなんだったのでしょうか?
おそらく悪魔崇拝の目的は、”この世に悪魔を召喚すること=偉大なる何かの一部になる”だと思われます。
悪魔崇拝を描いた映画は多くありますが、悪魔崇拝の目的について『死霊館』シリーズがとても詳しく描かれています。
悪魔崇拝の儀式を行うのは、大体がカルト教団です。
そのためモンティニャック家もカルト教団だったのでしょう。
ネタバレ⑦:なぜ子供を生贄にしていた?
出典:IMDb
子供を悪魔崇拝の生贄にしていた理由は、”悪魔が純粋無垢な子供の魂を欲していたから”だと思われます。
おそらく悪魔をこの世に召喚させるためには、子供の魂を生贄に捧げるのが最も適していたのでしょう。
しかし子供を生贄に捧げるという行為は、非人道的であり多くの恨みを買うことにもなります。
そのためモンティニャック家の人間は、復讐に来た村人たちに殺されることになります。
しかし既に悪魔崇拝の儀式は完成しており、屋敷は時の流れを止めたかのように封印されることになるのです。
そしてモンティニャック家の人間は、悪魔の僕として封印された水中屋敷で人間の魂を奪い続けているのだと思われます。
ネタバレ⑧:取り憑かれたベン
終盤から様子がおかしくなったベンですが、この時は既にモンティニャック家のサラに取り憑かれている状態です。
サラが取り憑いていたから、エアの残量のことも知らなかったわけですね。
サラがベンに取り憑いた理由は、”ティナを道連れにし、2人の魂を奪うため”です。
そのためベンに乗り移ったサラは、ティナを刺し殺そうとします。
ネタバレ⑨:ベンとティナの最期
出典:IMDb
水中屋敷に潜り込んだベンとティナの最期は、次のとおりです。
【ベン】
サラに取り憑かれ、一瞬正気に戻るがサラに刺殺される
【ティナ】
モンティニャック家の手から逃れるが、酸素ボンベを外したことで呼吸が続かず窒息死
冒頭でティナが浴槽で息を止める練習をしているシーンがありましたが、その伏線が回収されたわけですね。
おそらく2人は、この後モンティニャック家の人間に魂を奪われ、悪魔への生贄に捧げられるのでしょう。
ネタバレ⑩:ラストシーン
エンドロール後に流れるラストシーンは、非常に余韻が残るシーンでした。
というのも、”ピエールが新たな生贄として女性2人を湖に連れてくるシーン”で幕を閉じるんですよね。
つまり”悲劇は何度も繰り返し起きる”ということを示唆しています。
映画『ザ・ディープ・ハウス』の感想
心霊ホラー×酸素切れ、という新たなジャンルを切り開いた映画です。
リアルな水中セットで撮影された水中シーンは、とても息苦しく呼吸をするのを忘れてしまうほど。
心霊描写も水中ということもあり、いつもより怖く感じました。
本作はPOV、いわゆる主観視点になるのですが、水中ドローンのトムが第三者の視点で映像を撮ってくれるため、観客にとっても非常にわかりやすい映像に仕上がっています。
ストーリーは、よくある悪魔崇拝ものなんですが、儀式の背景があまり描かれていないので、状況がわかりにくかったのが残念です。
なぜモンティニャック家の人間が悪魔崇拝をしているのか、なぜ生き残ったピエールは生贄を捧げ続けているのか、犠牲になった人間はどうなるのか・・・この辺りが明確に描かれていませんので、考察をするしかないのが現状です。
ホラー映画ですので「細かいことは気にするな!」という意見もあると思いますが、この辺りをもう少し詳しく描いてくれたほうがより感情移入が出来、その結果としてより恐怖を感じられるんだと思っています。
しかし恐怖描写は、かなりのものなのでホラー映画好きにはたまらないんじゃないでしょうか。
絶望感しか残らないラストシーンも非常に好みです。
まとめ
今までありそうでなかった異色のホラー映画です。
恐怖描写もかなり凄いですが、何より酸欠による息苦しさが恐ろしいです。
若干ストーリーが荒いところはありますが、それをカバーするほどの演出とリアリティが魅力的です。
本作の監督の代表作『屋敷女」も、本作とはテイストが異なりますがメッチャ怖いのでオススメですね。
しかしグロ過ぎるので、観賞時は注意が必要です。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。