こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『Zola ゾラ』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『Zola ゾラ』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『Zola ゾラ』が好きになると思いますよ♪
映画『Zola ゾラ』のあらすじ
ウェイトレス兼ストリッパーのゾラはレストランで働いていたところ、客としてやってきたステファニと「ダンスができる」という共通点があることで意気投合し、連絡先を交換する。
すると翌日、ステファニから「ダンスで大金を稼ぐ旅に出よう」と誘われ、あまりに急なことで困惑するも結局行くことに。
これが48時間の悪夢の始まりだとは露知らず……。
・148のツイートを元にした48時間の悪夢を描く
・アメリカ社会の女性差別、黒人差別にも注目
・事件の真相はいかに?いったい誰が真実を述べているのか、、、
・自分勝手な人物が好き勝手やっている映画
2015年にアメリカ・デトロイトに住む一般女性アザイア・ゾラ・キングが自らの実体験をTwitterに計148のツイート投稿し、大きな話題にもなった「148のツイート」を『ミッドサマー 』や『X エックス』を手掛けるスタジオA24が映画化した話題作です。
本作の監督を務めたのは、人気ブランドmiumiuの女性監督シリーズにも抜擢され、長編デビュー作『Lemon』がサンダンス映画祭で注目を集めた黒人女性監督のジャニクサ・ブラヴォーです。
主人公のゾラを『マ・レイニーのブラックボトム』で存在感を露わにしたテイラー・ペイジが演じ、ゾラの相棒ステファニをエルヴィス・プレスリーの孫であり、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『アンダー・ザ・シルバーレイク』への出演で話題になった人気女優ライリー・キーオが演じています。
当ブログでは、『Zola ゾラ』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『Zola ゾラ』のネタバレ一覧
ネタバレ①:148のツイート
本作は、2015年にアメリカ・デトロイトに住む一般女性アザイア・ゾラ・キングが自らの実体験をTwitterに計148のツイート投稿し、大きな話題にもなった「148のツイート」を映画化しています。
そのため観客がまるでTwitterを読んでいるかのようなライブ感を大切にしているのが特徴です。
その極端な例が随所に入る”ゾラの解説と一時停止”です。
本作は、ゾラの視点からゾラの体験した悪夢を追体験する構成になっているので、随所でゾラの解説が入るんですよね。
その際に映像を一時停止して解説が始まるため、観客はTwitterを注視しているかのような感覚になるのです。
またそれは同時に、ゾラの体験した緊張・恐怖・楽しさを追体験していることにも繋がります。
ネタバレ②:48時間の悪夢
ゾラが体験した48時間の悪夢とは、”売春行為の片棒を担がされたこと”です。
悪夢の内容は、次のとおりです。
①ストリップクラブの楽屋裏の写真を無断で売春サイトに掲載される
②ステファニの売春行為のマネジメントを任される
③売春行為がエスカレートし、ステファニが現地の男性たちに監禁される
④現地の男性たちから銃を奪い、ステファニを救出する
⑤売春行為に絶望したステファニの彼氏デレクが自殺未遂をする
当初は、ストリップクラブでポールダンスを踊り、大金を稼ぐ予定でしたがステファニが無断で写真を売春サイトに掲載したことから雲行きが怪しくなってきましたね。
ステファニが写真を売春サイトに掲載した理由は、”ゾラに売春行為の片棒を担がせ、更なる大金を稼ぐため”です。
後ほど詳しく説明しますが、ステファニは幼い娘を養うために大金が必要です。
そのためには、ストリップクラブでポールダンスを踊り、小銭を稼ぐだけでは足りないのです。
だからこそステファには、ゾラのように若く健康的でお金に困っている女性を見つけては売春行為の片棒を担がせていたのです。
不幸中の幸いもあり、ゾラは売春行為の片棒は担がされましたが売春行為自体は行っておりません。
しかしステファニが現地の男たちに監禁され、ゾラ自身も銃を向けられたりと命の危険に晒されてしまいました。
お金が足りず生活は苦しかったのかもしれませんが、平穏な日常と比較するとゾラがステファニと過ごした48時間は、まさに悪夢そのものだったに違いありません。
ネタバレ③:なぜ主張が異なるのか
本作は、元となった148のツイート主であるゾラの視点から、ゾラの体験した悪夢を追体験する構成になっています。
そのため、どうしてもゾラの主観になってしまい、客観的に物事を捉えることが出来なくなってしまうんですよね。
つまり、”事件の真相や背景は、誰にもわからない”ということです。
その象徴となるシーンが、”本作の終盤で描かれているステファニの主張”です。
ステファニの主張は、ゾラの主張とは180度異なっています。
①ゾラの主張
・ステファニから誘ってきた
・ステファニが無断で写真を売春サイトに掲載した
②ステファニの主張
・ゾラから誘ってきた
・ゾラが無断で写真を売春サイトに掲載した
私たちは、ゾラの視点でゾラの体験した悪夢を追体験しています。
そのため、どうしてもゾラの主観でストーリーを追うことになるため、ゾラの都合が良いように登場人物像が描かれてしまうのです。
もしかしたら、ステファニの主張が真実だという可能性だってあるのです。
これはSNSが発達した現代社会ならではの現象、といったところでしょうか。
ネタバレ④:ゾラの目的
ゾラの目的は、”ストリップクラブでポールダンスを踊り、一晩で大金を稼ぐこと”です。
そのためにステファニの誘いに乗っかりました。
しかし実際は、売春行為の片棒を担がされる、といった身体はもちろんこと命の危険も晒すことになってしまうのです。
もちろんゾラは、すぐにでも逃げ出したかったのですが、逃げ出すことは叶いません。
ゾラが逃げ出すことが出来ない理由は、”ステファニの世話役であるXの存在”です。
X(本名アベグンデ・オワラレ)は、ステファニの世話役=売春行為のポン引きの役割を果たしています。
また屈強な身体の持ち主なので、ボディガード兼トラブル対応の役割も果たしているのでしょう。
本当はすぐにでも逃げ出したいのに逃げ出すことが出来ない・・・まさにゾラにとっては48時間の悪夢そのものですね。
ネタバレ⑤:ステファニの目的
ステファニの目的は、”幼い娘のために売春行為で大金を稼ぐこと”です。
父親の存在が明らかになりませんでしたが、もしかしたら世話役であるXとの間に出来た子供なのかもしれませんね。
ステファニはストリップクラブでポールダンスを踊るだけでは、十分な大金を得ることは出来ないことを知っています。
手取り早く大金を稼ぐには、若くて魅力的な自分の身体を売る=売春行為が最も適しているのです。
しかしステファニは、頭の回転が悪く、Xの言われるがままに従っていました。
そのため売春行為が1回150ドルと破格の激安値だったのです。
流石に哀れんだゾラが、「写真を工夫すれば、1回500ドルは取れる」とプロデュースを行い、結果的にステファニは一晩で8000ドルを手に入れることに成功します。
しかし調子に乗ったステファニは、大金を奪うことを目的とした地元の男たちに監禁されることになってしまうのです。
ネタバレ⑥:Xの目的
ステファニの世話役であるX(本名アベグンデ・オワラレ)の目的は、”ゾラとステファニに売春行為をさせ、大金を稼ぐこと”です。
冷酷無比な人物であり、逆らう者には容赦しない性格です。
ステファニとの肉体関係をほのめかす発言をしているので、もしかしたらステファニの娘は、Xの娘でもあるのかもしれません。
最期まで腹の中が読めず、本作の黒幕のような人物です。
ネタバレ⑦:ラストシーン
ラストシーンは、地元の男たちに拉致されたステファニを救出し、ステファニが売春行為を止めないことに絶望した彼氏デレクが自殺未遂を行うシーンで幕を閉じます。
デレクを車で病院へと搬送している際、Xが「自分勝手な野郎だ!」とデレクに毒つくのですが、この「自分勝手」という言葉こそが本作のテーマだと思われます。
というのも本作には、”自分勝手な人物しか登場しない”のです。
ゾラもステファニも己の信念を曲げず、「こんな事態に陥ったのは他人のせいだ」とばかりに自分勝手に行動します。
またデレクやXも、「相手を思いやっているようで、実は自分のことしか考えていない」ということが言動から見てとれます。
ステファニを監禁した地元の男たちも、「大金を持っている奴らから、大金を奪ってしまおう」という自分勝手の極みともいえる言動です。
つまり本作は、”自分勝手な人物が、それぞれ好き勝手やっている映画”ということになるのです。
映画『Zola ゾラ』の感想
スタジオA24制作ということもあり、期待値MAXで観賞しました。
独特な世界観と音楽、そしてクセのある登場人物は魅力的でしたが、想像していた内容とは大分違った、というのが正直な感想です。
確かに独特なカメラワークとTwitterを読んでいるかのような演出は、斬新的かつ新鮮でした。
しかし画面に汚い初老男性の男性機がアップで映し出されるので、「これは観る映画を間違えたかもしれない・・・」と心の底から思ってしまったほどです。
しかし終盤のステファニの主張から評価がガラリと変わりました。
というのも、本作はゾラの視点で描かれた主観である、ということを忘れてしまっていたんですよね。
先入観として、ゾラ=被害者、ステファニ=加害者、と思い込んでしまい、ついついゾラに感情移入して本作を観ていました。
しかし本作がゾラの主観である以上、真相はわからないんですよね。
これはSNSが発達する現代社会にも通じるものがあると思います。
私たちは普段からSNSを通じ、様々な情報を発信や受信しています。
しかしそれらの情報が真実とは限らず、人は自らの主観で「見たいものを見る」のです。
また同時に他人の権限を踏みにじっています。
これは少しテイストは異なりますが、『ノープ』にも通じるところがありますので、興味がある人は是非ご覧ください。
まとめ
社会風刺が効いており、強烈な映画でした。
特にステファニの人物像が素晴らしく、「本当にこんな女性いそうだよな・・・」と思ってしまうほどです。
演じているライリー・キーオの演技に脱帽ですね。
ストーリーは、ゾラの視点で進んでいくため、これが真実かどうかはわかりません。
観客それぞれの見たいものを見る・・・これしかないと思います。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。