こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『ビバリウム』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『ビバリウム』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『ビバリウム』が好きになると思いますよ♪
映画『ビバリウム』のあらすじ
新居を探すトムとジェマのカップルは、ふと足を踏み入れた不動産屋で、全く同じ家が建ち並ぶ住宅地「Yonder」を紹介される。
内見を終えて帰ろうとすると、すぐ近くにいたはずの不動産屋の姿が見当たらない。
2人で帰路につこうと車を走らせるが、周囲の景色は一向に変わらない。
住宅地から抜け出せなくなり戸惑う彼らのもとに、段ボール箱が届く。
中には誰の子かわからない赤ん坊が入っており、2人は訳も分からないまま世話をすることに。
追い詰められた2人の精神は次第に崩壊していき……。
・精神崩壊映画の傑作!
・謎の子供の正体に驚愕!
・謎の空間ヨンダーに閉じ込められたカップルの絶望感
「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグと「グリーンルーム」のイモージェン・プーツが主人公カップルを演じています。
世にも奇妙な物語、といった感じのストーリーとなっており、かなり不思議な世界観を体験することが出来ます。
しかしかなり難しいストーリーとなっておりますので、頭の中が混乱してしまう人が多いでしょう。
当ブログでは、『ビバリウム』の謎を徹底考察・解説していますので、頭の中のモヤモヤが少しでも晴れたら嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『ビバリウム』のネタバレ一覧
ネタバレ①:カッコウの巣
出典:IMDb
本作はいきなりカッコウの映像から始まります。
カッコウは托卵(たくらん)を行う鳥として有名です。
つまりカッコウは親鳥がヒナの世話をしないで他の鳥に任せるんですよね。
この托卵(たくらん)がかなり残酷なんです。
親鳥は自分の子供をカッコウのヒナに殺されているのに、殺した張本人であるカッコウのヒナを自分の子供と信じて育てるわけですからね。
それは本作が人間の托卵(たくらん)を描いているからなんです。
しかしカッコウの托卵(たくらん)と違う点は、主人公であるトムとジェマの2人は仕方なしに謎の子供を育てなければならない、ということです。
これが観客側からするとかなり辛い気持ちになるんですよね。
ネタバレ②:ヨンダーの目的
トムとジェマが迷い込み脱出不可能となるヨンダーと呼ばれる住宅地。
どこまでの同じ緑色の家が立ち並び、太陽や空、雲でさえもどこか人工的な雰囲気を醸し出す異様な空間です。
そんな謎の空間であるヨンダーですが、目的は1つです。
それは”地球人に異星人の子供を育てさせること”です。
本作のタイトルである『ビバリウム』は、”生き物の住む環境を再現した空間”という意味があります。
爬虫類や両生類を飼育する時に使用するケージのようなものです。
ヨンダーはまさに異星人の子供を育てるビバリウム、まさに飼育所ってところですね。
当然のことながらヨンダーを作り上げたのは異星人に他なりません。
異星人の卓越した技術、科学力により作り出されたヨンダーの特徴は次のとおりです。
①決して脱出することが出来ない無限ループ空間
②それぞれの家で異星人の子供を育てているが、時空が異なるので交わることはない
③家と道路の下には謎の空間が広がっている
こんなの絶望しかないですよね・・・
ネタバレ③:なぜトムは穴を掘り続けたのか
ある日、タバコの火が原因で家の庭に奇妙な土があることに気がついたトム。
最初は正気を保つために穴を掘り続けていましたが、穴の底から微かに声が聞こえることに気がつきます。
それからトムは食事の時間以外は、ひたすら穴を掘り続けることに時間を費やすようになるのです。
なぜトムはそこまでして穴を掘り続けたのでしょうか?
理由は3つあると考えられます。
①正気を保つため
②何者かの正体を掴むため
③何者かに穴を掘るよう洗脳された
全てが作り物であるヨンダーに長時間閉じ込められたトムは、次第に精神が病んでしまいます。
正気を保つためには何かに集中するしかない・・・そのための手段が穴掘りということが考えられます。
また穴を掘り続けている最中、穴の底から声らしきものが聞こえてきます。
「地面の下に自分たちをヨンダーに閉じ込めた何者かがいる」、そう考えたトムは一心不乱に穴を掘り続けます。
穴を掘り続ければ、何者かの正体を掴むことが出来るかもしれない・・・そんな淡い期待をトムは抱いたのかもしれません。
もしくは何者かに穴を掘るように洗脳された、という線も捨てきれません。
個人的な考察ですが、トムは”①正気を保つため”に穴を掘り続けたのだと思います。
ある日突然理由もなくヨンダーに閉じ込められ、しかも見ず知らずの子供を育てることを強要される・・・誰しも精神がおかしくなってしまいますよね?
このままでは精神崩壊して死んでしまうかもしれない、そう考えたトムには何か打ち込めるものが必要だったのだと思います。
それがたまたま穴掘りだった、ということです。
ネタバレ④:子供の正体
ヨンダーに到着した日、突然の家の前に置かれたダンボール。
その中には男の赤ちゃんが入っており、同時に「育てれば解放される」という手紙も同封されています。
訳もわからず赤ちゃんを育てるトムとジェマの2人ですが、赤ちゃんは驚異的な速度で成長し、100日を待たずして少年になってしまうのです。
また子供はトムとジェマを観察し続け、マネばかりしてきます。
かと思えば、お腹が空くと甲高い声で叫び続けるというイカれっぷり!
つまり子供は単純にトムとジェマのマネをして言葉を発しているに過ぎないということです。
気になる子供の正体ですが、本作終盤で正体が明らかになります。
その正体は異星人です。
成長速度が異常、喉を膨らませながら奇声を発する、ツルハシで殴ってもかすり傷、四つん這いで移動する、など到底人間とは思えない言動をとることからも異星人であることが見てとれます。
おそらく異星人は地球人に擬態し、地球に住み込もうとしているのだと思います。
そのためには地球人の言動をマネして身につけ、地球人になりすます必要があるのです。
ここで思い出して欲しいのが、本作の冒頭に流れたカッコウの映像です。
カッコウは他の鳥の巣に卵を産み、卵から羽化したカッコウの雛は本来の巣の持ち主である他の雛や卵を地面に蹴り落とし、あたかも自分の巣のように振る舞います。
そうとは知らない親鳥は自分の子供と勘違いしてカッコウの雛を育ててしまうのです。
この残酷とも思えるカッコウの子育てですが、まさに本作でトムとジェマが育てている子供と様子が被りますよね?
つまり異星人は、地球人に自分達の子供を育てさせているというわけです。
しかも子供を育てないとヨンダーから脱出出来ないわけですからね。
ネタバレ⑤:謎の地下空間
出典:IMDb
ヨンダーの地下に広がる謎の地下空間。
子供を追いかけたジェマが迷い込む狂気の世界です。
その正体は、”別次元で異星人の子供の世話をさせられている地球人の世界”です。
ヨンダーにはトムとジェマ以外の人間がいませんでしたよね?
なぜ居なかったのか・・・それは別次元のヨンダーで異星人の子供の世話をしていたからです。
その別次元がヨンダーの地下に広がっていた、ということです。
本来であれば地球人であるジェマが辿り着くことが出来ない領域ですが、ジェマに襲撃された子供が逃げ込んだことで足を踏み入れます。
しかしジェマが別次元に立ち入ることはイレギュラーな展開であり、異物として感知されたジェマは別次元を次々と移動させられます。
改めて異星人の技術、科学力を思い知らされる狂気の空間です。
ネタバレ⑥:マーティンの正体
トムとジェマをヨンダーに迷い込ませた張本人である不動産屋のマーティン。
その正体は、ヨンダーで地球人が育てた異星人が成長した姿です。
マーティンの風貌を良く見ると、トムとジェマが育ててきた子供と似ていますね?
マーティンは異星人ですが地球の環境に身体が馴染まないのか寿命が非常に短い存在です。
そのため、新たなマーティンを地球人に育てさせ、自分自身が寿命で死ぬ前に新しいマーティンと入れ替わる必要があります。
つまりマーティンの目的は、”ヨンダーに地球人を送り込み、新しいマーティンを育てさせること”です。
異星人の都合によりヨンダーに閉じ込められたトムとジェマも可哀想ですが、永遠のループを繰り返すマーティンも可哀想な存在ですよね。
ネタバレ⑦:No 8899の意味
新しいマーティンが古いマーティンを死体袋で処理するときに一瞬映り込む”No 8899”の数字。
この数字は一体何を表しているのでしょうか?
つまり、”今まで犠牲になったマーテインが 8899体いる!”ということです。
これは怖すぎますよね・・・マーティンは少なくとも 8899回は死んでいるってことですからね。
同時にトムとジェマが育てさせられたマーティンが、8900体目のマーティンになるということを示しています。
そして次は8901体目・・・つまり永遠にループしていくわけですね。
映画『ビバリウム』の感想
謎の空間ヨンダーに閉じ込められ、正体不明の子供を育てることになるカップルの恐怖と絶望を描いた映画です。
目的がわからないまま、ひたすら日常を過ごさなければならないのは非常に苦痛ですよね?
しかも子供が全く可愛くないんです!意味不明な言動ばかりを繰り返すので次第にトムとジェマも精神を病んでいきます。
しかし子供を育てなければヨンダーから脱出することも出来ないという最悪な展開。
もうこのあたりから気が滅入ってしまう人もいるんじゃないでしょうか?
ストーリー自体は鬱展開が続くんですが、子供の正体、ヨンダーの目的など先が気になる要素が盛り沢山なので映画自体はサクッと観ることが出来ます。
特に後半にかけてトムとジェマの精神が崩壊していき、子供が異常な速度で成長していく絶望感は最高です♪
万人にオススメ出来る映画ではありませんが、是非一度はビバリウムの世界観を体験してみるのも良いんじゃないでしょうか?
まとめ
想像していたより鬱展開かつ精神が崩壊する映画です。
夢のマイホームに住めるかと思いきや、まさか閉じ込められてしまうとは・・・しかも謎の子供も育てなければならないという絶望!
子供の正体、ヨンダーの目的など考察が捗る映画です。
少し難解なストーリーですが、先が気になる展開が多いのでサクッと観ることが出来ますね♪
ただ独特な世界観なので、合わない人にはとことん合わないかもしれません。
同じようなジャンルで『ハッチング 孵化』という映画もありますので、本作が気になった人は是非ご覧ください。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。