こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『THE BATMAN ザ・バットマン』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『THE BATMAN ザ・バットマン』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『THE BATMAN ザ・バットマン』が好きになると思いますよ♪
映画『THE BATMAN ザ・バットマン』のあらすじ
両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、悪と敵対する「バットマン」になろうとしている。ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。
史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。
リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察や優秀な探偵でもあるブルースを挑発する。
やがて政府の陰謀やブルースの過去、彼の父親が犯した罪が暴かれていくが……。
・徹底的に夜の映像にこだわった世界観
・復讐が重要なテーマ
・復讐に囚われたリドラーとバットマン
・バットマンの選択に心が震える
クリストファー・ノーランが手がけた「ダークナイト」トリロジーなどで知られる人気キャラクターのバットマンを主役に描くサスペンスアクション映画です。
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ブルース・ウェインがバットマンになろうとしていく姿と、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによってブルースの人間としての本性がむき出しにされていく様を描いており、徹底的に夜の映像にこだわっているのが特徴です。
ストーリーはかなり重めな内容となっておりますが、本作ラストでバットマンが選択した道がとても希望に溢れているものとなっており、不思議な満足感を得ることが出来る映画です。
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【ネタバレあり】映画『THE BATMAN ザ・バットマン』のネタバレ一覧
ネタバレ①:夜の映像にこだわった理由
バットマンといえば、ゴッサムシティに潜む悪党を夜の闇の中から襲いかかり懲らしめる、こんなイメージがありますよね。
しかしそれはあくまでバットマンの一面に過ぎません。
というのも、夜はバットマンですが昼は実業家ブルース・ウェインとしての顔があるからです。
過去のバットマンシリーズでは、ブルース・ウェインとしての心情が描かれているシーンも多かったので、必然的に昼の明るいシーンも多かった印象です。
しかしながら本作は、徹底的に夜の映像にこだわっています。
むしろ昼の明るいシーンなんて皆無だったんじゃないでしょうか。
本作が夜の映像にこだわった理由、それは”ゴッサムシティの闇と腐敗を徹底的に描くため”だと思われます。
本作のヴィランであるリドラーは、まさにゴッサムシティの闇と腐敗が作り上げた存在です。
リドラーの恐怖、蔓延るゴッサムシティの闇と腐敗、そしてバットマンの決断、これらを明確に映像として表現するには、夜の映像が一番適切だったのでしょう。
本作は過去のバットマン作品と比較しても、圧倒的にダークな世界観に仕上がっています。
ネタバレ②:リドラーの正体
本作のヴィランであるリドラーの正体は、”トーマス・ウェインが再開発しようとしていた孤児院で育った孤児”です。
20年前、トーマス・ウェインはゴッサムシティの市長選挙に立候補しており、その時の公約として、「未来ある子供たちのために、孤児院の再開発に10億ドル(約1,000億円)を寄付する」と公言しました。
またこの公約は、トーマス・ウェインが市長に選任されなかったとしても実現するとも公言しています。
しかしトーマス・ウェインが選挙戦の1週間前に妻もろとも何者かに殺されたことにより、孤児院の再開発は中断、再開発費10億ドルは宙に浮いてしまうことになります。
その再開発費10億ドルに目をつけたのがゴッサムシティの悪党や市長、警察官、検事などの権力者たちです。
つまり本来であれば孤児院の再開発として使われるはずの10億ドルが、あろうことか悪の手に渡ることになってしまうのです。
その結果、孤児院の再開発は行われず、孤児院の環境(一部屋に30人も押し込む、12歳で麻薬中毒になる等)が改善されることはなくなり、リドラーを含めた孤児たちは壮絶な人生を過ごすことになります。
リドラーはその時の復讐として、再開発費の着服に関与した市長、警察官、検事、いわゆる権力者を殺害していたわけです。
つまりリドラーの根底にあるのは、計り知れない復讐心ということです。
また当時のブルース・ウェインも両親が亡くなったことにより孤児となり、世間から同情されていました。
しかしリドラーたち孤児からすると「下層市民を見下ろすビルに暮らしている金持ちの子供は、本当の意味で孤児ではない」のです。
またトーマス・ウェインが亡くなった原因は、マフィアのボスであるファルコーネに関与してしまったことです。
つまりトーマス・ウェインがファルコーネに関与さえしなければ、選挙戦の1週間前に亡くなることもなく、再開発費10億ドルは孤児院の再開発に使用されていた可能性もあるわけです。
そのような理由からリドラーは、権力者たちだけではなくトーマス・ウェインも復讐の対象として捉えました。
しかしトーマス・ウェインは既に亡くなっていますので、その息子であるブルース・ウェインに矛先が向いた、というわけです。
このようにリドラーは、計り知れない復讐心で行動しています。
そしてバットマンも両親を殺されたことによる復讐心でゴッサムシティの悪党を成敗しています。
つまりリドラーとバットマンは、復讐心ということだけで考えると同じような存在なわけです。
本作は復讐が重要なテーマとなっております。
復讐に囚われ続けたリドラー、本作の終盤で「復讐には意味がない」と気づいたバットマン、この2人の復讐に対する考え方の違いが本作をより面白く深みのある映画にしております。
ネタバレ③:ブルースの両親の秘密
本作のヴィランであるリドラーは、トーマス・ウェインが選挙の公約で掲げた孤児院の再開発がきっかけで誕生しました。
しかしながら、もしトーマス・ウェインが殺されずに生きていたら、再開発費10億ドルは正しく孤児院の再開発に使用され、リドラーも誕生しなかったはずです。
なぜトーマス・ウェインは、選挙戦の1週間前に殺されてしまったのか?
本当の原因は明言されておりませんが、どうやらトーマス・ウェインの死には、マフィアのボスであるファルコーネが関わっているようなのです。
実はトーマス・ウェインの妻であるマーサ・ウェインには、ある秘密があったのです。
その秘密とは、”実の両親が無理心中したこと、マーサ自身もアーカム精神病院に入院していたこと”です。
まあ普通に考えれば、次期市長になるはずのトーマス・ウェインの妻にこんな秘密があると市民が知れば、あまり良い顔はしないことが想像出来ます。
しかも運が悪いことに、ある記者がその秘密を嗅ぎつけ世間に公開しようとしてしまったので、さぁ大変!
困ったトーマス・ウェインは、ファルコーネに相談してしまいます。
しかしファルコーネは、トーマス・ウェインの承諾を得ることなく、なんと記者を殺害!
その事実を知ったトーマス・ウェインは、自首しようとしますが、自首を快く思わないファルコーネにより殺害された、というのが明らかになります。
①ファルコーネの主張
→トーマス・ウェインがファルコーネに弱みを握ぎられ、ファルコーネの操り人形になることを阻止するために麻薬王マローニが殺害した
②アルフレッドの主張
→トーマス・ウェインが自首しようとしたところ、自首を快く思わないファルコーネが殺害した
結局のところ、真相は闇の中ですがトーマス・ウェインがマフィアのボスであるファルコーネを頼ってしまったという事実は変えることが出来ません。
この事実がリドラーというヴィランが誕生するきっかけを作ってしまったのです。
ネタバレ④:ネズミの正体
出典:IMDb
本作で重要な人物の1人であるネズミ。
ネズミとは、”権力者の汚職に関わっているスパイ”のことです。
そんなネズミの正体は、”マフィアのボスであるファルコーネ”です。
リドラーの謎々にもあった「翼のあるネズミ」とは、ファルコーネ=ファルコンを意味していたわけですね。
ファルコーネは、権力者たちがトーマス・ウェインの残した再開発費10億ドルを悪用している情報を握っており、その情報を盾に全ての権力から守られている無敵な存在です。
おそらくファルコーネ自身も再開発費10億ドルに手をつけていたのでしょう。
またファルコーネは、更なる権力を得るために警察に麻薬王でありライバルであるマローニの情報を流し逮捕させることにも成功します。
そしてマローニ逮捕に関わった警察や検察、政治家が出世するという腐敗政治の中心に居座ることになるのです。
つまりファルコーネは、”真のゴッサムシティの支配者であり、権力者たちを意のままに操る無敵の存在”というわけです。
まあそんな無敵な存在であるはずのファルコーネも、リドラーも凶弾にあっさりと殺されてしまうわけなんですけどね・・・
ネタバレ⑤:リドラーが謎々を残した理由
リドラーは殺人現場に謎々を残していきました。
普通に考えると、「謎々でゲーム遊びをしていたのかな?」と思いますが真相は異なるんだと思います。
リドラーが謎々を残した理由、それは”同じ復讐者であるバットマンだけに真意をわからせるため”だと思います。
リドラーは、計り知れない復讐心で行動しています。
そしてバットマンも同様に復讐心で行動しているのです。
つまりリドラーとバットマンは、復讐心という観点だけで考えると同一の存在と考えることが出来ます。
そのためリドラーは、一方的にバットマンを同士として認めており、同士であるバットマンだけにわかるように謎々を残していったのだと思われます。
ネタバレ⑥:リドラーの最終目標
本作で数々の暴挙を働いたリドラーですが、彼の最終目標は何だったのでしょうか?
本作の終盤でリドラーは、ゴッサムシティを取り囲む防波堤を7つの爆弾で爆破し、大洪水を発生させ、新市長であるベラ・リアルの集会場にいる市民を大虐殺しようとしました。
そんなリドラーの最終目標は、”バットマンと一緒に復讐をやり遂げること”だと思われます。
リドラーとバットマンは、動機は異なりますが復讐心で行動しています。
そのためリドラーは、一方的にバットマンのことを同士だと考えていました。
復讐を1人だけで達成するのは虚しいものです。
復讐した達成感を共感出来る同士が必要です。
リドラーには、同士であるフォロワー500人がいますが、流石にバットマンほどの知名度と影響力を持ったフォロワーはいないはずです。
つまり”最高の同士であるバットマンと復讐をやり遂げる、達成することでリドラーは最高の達成感を味わいたかった”のだと思われます。
しかし最終的にバットマンは、復讐心に囚われることなく光の存在となりました。
つまりリドラーの同士にはならなかったということです。
同時にそれはリドラーが最終目標を達成出来なかったことを表しています。
ネタバレ⑦:闇ではなく、光の存在となったバットマン
リドラーは、バットマンを自分と同じく復讐心に囚われた同士として考えていました。
実際のところ、バットマンの掲げる正義は犯罪と紙一重であり、下手をしたらバットマンがリドラーに成り代わっていた可能性もゼロではありません。
しかしバットマンは、リドラーにはなりませんでした。
その理由は何のでしょうか?
バットマンがリドラーにならなかった理由、それは”復讐ではなく、希望を選択したから”です。
バットマンことブルース・ウェインは、今までは亡くなった父親のために動いていました。
つまり悪者に殺されてしまった父親の復讐を果たすため、ゴッサムシティの悪者を懲らしめ続けていたわけですね。
しかし実際は、魔が差して父親がマフィアのボスであるファルコーネを頼ってしまったことにより、悲劇を招いてしまったのかもしれないと気が付きます。
完璧な善人だと思っていた父親にも少しばかり闇な部分があった、と気づいてしまったわけです。
そして同時に復讐心に囚われていては、本当の意味で人々を救うことが出来ない、父親の想いを引き継ぐことはできないと気付くのです。
その象徴的なシーンが、大洪水で水没した集会所から人々を発煙等で導くバットマンの姿です。
また率先してヘリコプターに人々を誘導し、人助けを行っていました。
これはかつての闇の中から悪者を懲らしめるバットマンには、決して出来なかった行動です。
つまりバットマンは、”復讐に囚われることなく、人々の希望=光の存在になった”ということを表しています。
ネタバレ⑧:ジョーカー登場
本作ラストでバットマンが復讐に囚われることなく、人々の希望=光の存在となったことにより、アーカム収容所に収容されているリドラーは酷く落ち込み、そして悔しがっている様子が映し出されます。
そんなリドラーに優しく声をかけたのは隣の房に収容されている謎の人物。
本作では正体を明言されていませんが、「頂点に立ったかと思えば、ピエロになる」というセリフからバットマン最大の宿敵ジョーカーであることが推測出来ます。
また同時に「ゴッサムシティはカムバックの物語が好きなんだ」というセリフも残していることから、次回作でジョーカーやリドラーがバットマンに復讐する展開を示唆していることも伺えます。
ちなみにこのジョーカーらしく人物を演じているのは、俳優のバリー・コーガン。
出典:IMDb
最近ですと、マーベル映画『エターナルズ』で人々を操る能力を持つドレイグを演じている注目の俳優です。
そんな有名な俳優が演じている役柄がただのモブキャラのわけがありません。
謎の人物の正体は間違いなくジョーカーであり、次回作でバットマンと戦うことが約束されていると断言出来ます。
映画『THE BATMAN ザ・バットマン』の感想
本作は今までのバットマンと比較しても徹底的に闇を描いているのが特徴的です。
これは本作の映像が夜の映像にこだわっていることからも明らかです。
しかも上映時間が3時間と長丁場ですので、人によっては「もう勘弁してくれ・・・」と思う人もいることでしょう。
そして同時に人間の愚かさ、復讐の虚しさを丁寧に描き、リドラーとバットマンの選択の違いを上手く表現しているのもポイントです。
本作の重要なテーマは、「復讐」です。
もっと言ってしまえば、”復讐心に囚われているかどうか”ということです。
リドラーは、自らを悲惨な人生に追いやった権力者を心の底から憎んでおり、常人には計り知れない復讐心で動いています。
バットマンも同様に、両親を殺した悪者を心の底から憎んでおり、ゴッサムシティに潜む全ての悪者を懲らしめる、という復讐心で動いています。
そのためリドラーとバットマンは、復讐心という観点だけで考えると同じ存在になるわけです。
しかしバットマンは、復讐心に囚われることなく人々の希望=光の存在になることを選択しました。
この選択は、復讐心に囚われ続けるリドラーには決して出来なかった選択です。
つまり光の道を選択したことにより、リドラーとバットマンは決別し、それぞれの道を歩むことになるわけです。
本作は確かに暗い映画です。
観ていて爽快な気分になることはないでしょう。
しかし暗闇の中にも希望を見出せる、光の存在になることが出来る、そのことをバットマンが教えてくれました。
本作を観終わった後、不思議な達成感を感じるのは、観た人もバットマンと同じように人々の希望となる光の存在になりたい、そう思っているからかもしれません。
まとめ
2022年を代表する傑作だと素直に思いました。
確かに暗い場面が多い映画ですが、それを超えるほどの希望も同時に見出せる映画だと思います。
どうやら三部作の制作が予定されているようですので、リドラーやジョーカーの登場が待ち遠しいですね。
これからもバットマンの動向には、目が離せそうにはありません。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。