こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『毒娘』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『毒娘』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『毒娘』が好きになると思いますよ♪
映画『毒娘』のあらすじ
夫と娘の萌花と3人で中古の一軒家に越してきた萩乃。
家庭に恵まれなかった彼女にとって、夢に見た幸せな家庭。
しかし、ある日外出中の萩乃に萌花の悲痛な声で助けを求める電話がかかってくる。
「ショートケーキとコーラ、買ってきて」
慌てて帰宅した萩乃が目にしたのは、
荒れ果てた我が家と洋服をずたずたに切り裂かれた萌花、
そして萌花に馬乗りになって大きな鋏を握りしめた見知らぬ少女の姿だった。
その少女の名前は<ちーちゃん>。
かつてこの家に暮らしていたが、ある事件を起こして町を去ったはずだった。
彼女の存在が、一見幸せに見えた萩乃たち家族が押し隠そうとしていた「毒」を暴き出し、
悪夢のような日々の幕開けを告げる・・・。
・新たなホラーアイコン「ちーちゃん」が登場
・ホラー要素はやや薄め、友情物語がメイン
・グロ描写はそれなりにあるのでご注意を!
・冒頭シーンはかなり怖い!
オリジナル脚本によるホラームービーである本作を手掛けたのは、『ミスミソウ』や『許された子どもたち』など十代の子どもたちの生きづらさとその中でのサバイバルを、時に鮮烈に時に痛切さをもって描いてきた内藤瑛亮監督です。
内藤瑛亮監督の作品は、エンタメ性と社会性を両立し、煽情的なだけでなく現代日本の抱えた病理に食い込みながら描くその手法は国内外で高く評価されています。
本作では、2011年にインターネットの匿名掲示板で話題となった、ある新婚家族の出来事をモチーフとして、十代の女の子と新しく家族となる継母の関係を軸に、謎の少女と家族の壮絶な争いを描いています。
ジャンルを問わず多彩な役柄で観客を魅了してきた実力派俳優・佐津川愛美が主演を果たし、無邪気な悪意に満ちた少女ちーちゃんに立ち向かう主人公・萩乃を繊細かつ力強く演じきっています。
そして“毒娘”ちーちゃんのキャラクターデザインを担当したのは、「悪の華」「血の轍」など思春期に芽生える少年少女の暗部を徹底的に描き出すことで知られるカリスマ漫画家・押見修造であり、内藤監督の世界観に共鳴し、その特異な感性で描かれたキャラクターが、どう具現化されているのかも本作の見所となっています。
また押見と内藤のコラボレーションはその世界観を押し広げ、押見によるオリジナルストーリーが展開する漫画「ちーちゃん」が週刊ヤングマガジンにて2024年より連載しており、本作が映画とどのような関わりを見せるのか、こちらも目が離せない展開となっていますね。
当ブログでは、『毒娘』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『毒娘』のネタバレ一覧
ネタバレ①:ちーちゃんと萌花の共通点
ちーちゃんと萌花には、ある共通点があります。
その共通点とは、”家族のことを愛しておらず、幸せではない”という点です。
原作漫画『ちーちゃん』を読むとよくわかるのですが、ちーちゃんの両親は典型的なネグレクトであり、ちーちゃんは悲惨な家庭環境の中で愛情を知らずに育ってきました。
また萌花は一見すると幸せそうな家族の中で愛情を持って育てられているかのように見えますが、なんでも思いどおりにしようとする父親のせいで母親は亡くなり、また後妻である萩乃も夫の言いなりであり、萌花は非常にフラストレーションを抱えていることがわかります。
同時に萌花は、父親の言いなりになる萩乃のことを軽蔑しており、「こんな家族ならいなくなってしまえばいい」と心の奥底で考えているのです。
詳細は後ほど詳しく説明しますが、ちーちゃんは存在自体が「毒」であると同時に、相手の「毒」を見極め、そして「毒」を吸い出して表面化することができるのだと考えられます。
また同じように「毒」を見極められる人物を特定することができ、だからこそちーちゃんと萌花は仲良くなることができたのだと考えられます。
ネタバレ②:ちーちゃんが家に執着する理由
ちーちゃんが家に執着する理由は、”誰にも幸せになってもらいたくないから”です。
ちーちゃん自身が幸せになることができなかった家で、他人が幸せになることが許せないのでしょう。
近所の住人たちの話からすると、ちーちゃんは度々家に戻ってきていたそうなので、家に引っ越してきた人物全員に例外なく嫌がらせをしていたのだと考えられます。
「家=ちーちゃん」と考えると、引っ越してきた家族が幸せになってしまうと、ちーちゃんも幸せになってしまうんですよね。
しかしちーちゃんは幸せにはなりたくない、だからこそちーちゃんは家に引っ越してきた家族を徹底的に不幸な目に遭わせようとしているのです。
ちーちゃんが幸せになりたくない理由は、”人の幸せを壊すのが楽しいから”だと考えられます。
ちーちゃんは家族から愛情を注がれて育ってきていないため、幸せが何かとはわかっていません。
萌花と友情を育み、一瞬幸せそうに見えましたが、あれは幸せではなく単純に楽しかったのだと考えられます。
そしてちーちゃんは、人の幸せを壊すことに無類の楽しさを感じているため、徹底的に人を不幸にしています。
人を不幸にする人が幸せになることはありませんが、ちーちゃんは幸せになりたいとは思っておらず、ひたすら楽しさを優先している感じですね。
ネタバレ③:冒頭シーンの時系列
冒頭シーンで若いカップルがちーちゃんに襲われますが、このシーンの時系列は”ラストシーンのその後”だと考えられます。
家に誰も住んでおらず空き家だったこと、家の外装や内装が荒れ果てていたこと、若いカップルが空き家だと知って侵入していたこと、以上のことから”ちーちゃんの度重なる嫌がらせにより、遂に誰も家に住むことができなくなってしまった”ということがわかります。
若いカップルがどうなってしまったのか定かではありませんが、男性側には少々問題がありそうでしたので、きっとちーちゃんに殺されてしまったんでしょうね。
女性側は、おそらく助かったのだと思われますが・・・。
ちーちゃんによる恐怖と暴力を防ぐためには、もはや家そのものを破壊するしかないでしょうね。
ネタバレ④:ちーちゃんが起こした1年前の事件
ちーちゃんが家から引っ越しをしてしまった理由は、同級生を失明させてしまった事件が原因ですが、その事件とは一体どのようなものだったのでしょうか?
その事件の詳細は、原作漫画『ちーちゃん』で描かれています。
ちーちゃんは、”幼馴染である優愛を傷つけようとした航大の左目をハサミで刺し、失明させてしまった”のです。
この航大という男の子が嫌な奴でして、ちーちゃんに失明させられたのは自業自得なんですが、ちーちゃん家族は加害者ということで家から引っ越しせざるを得なくなってしまうんですよね。
ネタバレ⑤:歪な家族像
本作は家族像の描き方がとても上手だと思います。
一見すると幸せそうな家族でも、実は秘密や不幸を抱えている、ということがわかるんですよね。
実際に萩乃や萌花は、優しくて頼りがいのある夫や父親がいるかのように見えましたが、ハリボテの優しさでしたからね。
またその他の家族、例えばダンス好きな椿ちゃんの家族も歪でしたね。
自分たち家族の幸せを周囲にひけらかしたい母親でしたから・・・。
本作はまともな家族が登場してこないのも、ポイントですね。
ネタバレ⑥:ちーちゃんの目的
ちーちゃんの目的は、”萌花と一緒に家で暮らすこと”です。
そのためには、邪魔者となる萌花の家族を殺す必要がありました。
萌花の父親を殺した後、次は萩乃の番かと思われましたが、正気に戻った萌花に阻止され、ちーちゃんの目的は失敗に終わります。
おそらくちーちゃんは、”友達が欲しかった”のだと考えられます。
原作漫画『ちーちゃん』にも幼馴染である優愛が登場しており、ちーちゃんが優愛と友達になろうとして、歩み寄るシーンがありました。
そのため、ちーちゃんは心の底では自分を理解してくれる友達を欲しており、萌花と友達になりたかったのだと考えられます。
ネタバレ⑦:ラストシーンについて
本作のラストシーンは、新しく家に引っ越してきた家族に対し、ちーちゃんがガスで嫌がらせをするシーンで幕を閉じます。
てっきり冒頭シーンに繋げてくると思っていたので、意外なラストシーンでしたね。
このラストシーンから、”ちーちゃんがずっと家に執着している”ということがわかります。
それほどまでに、ちーちゃんにとって、この家は大切な存在なのでしょう。
映画『毒娘』の感想
バリバリのホラー映画だと身構えていましたが、いざ蓋を開けてみるとホラーと友情を掛け合わせたようなストーリーでした。
『毒娘』というタイトルから、ちーちゃんが傍若無人に暴れ回る映画かと思っていましたが、どちらかというとちーちゃんが家族の『毒』を吸い出し、その存在を明らかにする、といった感じでしたね。
またちーちゃんと萌花の友情青春パートもあり、途中から「あれ?ホラー映画を観にきたつもりだったが・・・」と思ってしまうほど、なかなか癖のあるストーリーでした。
とはいえ、ホラー要素もしっかりとあり、ゾクっとするシーンもありました。
特に冒頭シーンは、ちーちゃんの存在が幽霊や妖怪のように描かれており、顔も髪の毛で隠れていたため、かなり怖いシーンに仕上がっていましたね。
また赤い服を身に纏ったちーちゃんが、少しずつ家に近づいてくる姿にも寒気が走りました。
とはいえ、ちーちゃんの姿が明らかになると、「あれ?普通に可愛い女の子なのでは?」と思ってしまい、怖さが半減してしまったのも事実です。
個人的には、ちーちゃんの顔をあまり映さず、観客の想像に任せてしまったほうが怖さが倍増すると感じました。
またちーちゃんの目的がイマイチ明確に見えてこなかった点も残念でしたね。
家に執着している理由もなんとなくはわかるのですが、「えっ?そこまでして・・・」と感じてしまい、あまり感情移入ができませんでした。
ちーちゃんが暴れまくる明確な理由があれば納得するのですが、あと一歩足りない、といった印象が拭えませんでしたね。
まとめ
新たなホラーヒロインであるちーちゃんの誕生を描いた映画です。
ガチガチのホラー映画ではないため、ホラー初心者でも楽しめるのではないでしょうか?
ただ個人的には、もっとホラー色を強くしてほしかったですね。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。