こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』が好きになると思いますよ♪
映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』のあらすじ
そう遠くない未来。
人工的な環境に適応するため進化し続けた人類は、その結果として生物学的構造が変容し、痛みの感覚が消え去った。
体内で新たな臓器が生み出される加速進化症候群という病気を抱えたアーティストのソールは、パートナーのカプリースとともに、臓器にタトゥーを施して摘出するというショーを披露し、大きな注目と人気を集めていた。
しかし、人類の誤った進化と暴走を監視する政府は、臓器登録所を設立し、ソールは政府から強い関心を持たれる存在となっていた。
そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる。
出典:映画com
・デビット・クローネンバーグ監督の最新作
・メチャクチャ難解、もはや芸術作品
・かなりグロいので要注意
・ラストシーンも意味深過ぎる
『クラッシュ』、『イグジステンズ』、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』など数々の受賞歴と共に物議をかもしてきたデビット・クローネンバーグ監督の最新作です。
第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部⾨に出品され、退出者が続出した賛否両論の問題作と言われています。
主演は『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン、⾃⾝のカラダから臓器を⽣み出すアーティスト・ソールを演じ、パートナーのカプリースに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のレア・セドゥ、⼆⼈を監視する政府機関のティムリンに『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートが脇を固めています。
製作に20年以上を費やした最新作のテーマは、「⼈類の進化についての黙想」であり、⻤才デヴィッド・クローネンバーグ監督が創造する⼈類の進化とは、いったい何なのでしょうか?
当ブログでは、『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』のネタバレ一覧
ネタバレ①:本作のテーマ
本作のテーマは、”未来の犯罪と進化する新人類”です。
デヴィッド・クローネンバーグ監督は、1999年の時点でこの脚本を書いていましたが、世に出すのに適切なタイミングだと確信できるまで20年間温めていました。
現在、このタイミングで映画化に動き出した理由として監督は、「世界中の人々が様々な社会問題を強く意識するようになった。例えば、海洋汚染により、現在あらゆる人の体の中にマイクロプラスチックが入り込んでしまっている。その状況を見て、この映画を作ることがこれまでになく説得力を持つ時だと実感したんだ」と語っています。
またデヴィッド・クローネンバーグ監督は、オフィシャルサイトでこのように説明しています。
本作は人類の進化についての黙想です。
つまり、人間がこれまで存在しなかった非常にパワフルな環境を作り出したため、そのプロセスを制御しなければならなくなった世界を描いているのです。
本作は私がこれまでしてきたことを進化させた作品です。私の作品を見たことのあるファンの方々なら、私の過去作で見たことのあるシーンや瞬間を見つけることができるでしょう。それは、人間の体と関連付けるという、以前から継続した私のテクノロジーに対する見解です。
見た目がとても機械的で人とはかけ離れていたとしても、テクノロジーは常に人の体の延長です。こん棒や石を投げることで拳(こぶし)は強くなりますが、最終的には、そのこん棒や石は、人体がすでに持っているある種の潜在能力の延長なのです。
人類の歴史における重要な分岐点にある今、私たちが作り出した問題を、人体を進化させることで解決することができないだろうか?気候危機の解決策としてだけでなく、我々が成長し、繁栄し、生き残るために、人の消化器官を進化させ、プラスチックや人工素材を消化できる身体にすることはできないだろうか?
つまり本作は、”人間が辿る進化の可能性の一部を表現している”ということです。
もしかしたら近い将来、人間がプラスチックや二酸化炭素を自らの身体で分解することが出来る未来が待っているのかもしれませんね。
ネタバレ②:ストーリーの流れ
本作は、ストーリーの流れが非常に難解です。
聞き慣れない単語、そして世界観が観客に襲いかかってくるためです。
そのためストーリーの流れをある程度理解しておくと、本作をより楽しむことが出来ます。
そう遠くない未来、人類は人工的な環境に適応する進化し続け、体の生物学的構造も変容し痛みも消えたが、世界は危険な場所になりつつあった。
各国政府は、この事態を危惧し、人類の誤った進化をなしにもないよう監視していた。
パフォーマンスアーティストで“加速進化症候群”のソール・テンサーは、自らの体内で次々と臓 器を生み出し、 パートナーのカブリースが手術で切除するという前衛的なパフォーマンスを行っていた。
彼は毎朝、食事から睡眠まですべてをサポートしてくれる“オーキッド・ベッド”で目覚めるが、最近は調子がよくない。
以前なら痛みを察知し体制を整えてくれたのだが、今は眠れず起きるのも辛い。
だがソールの体内にはまた新しい臓器が生まれ、 カプリースはその臓器にアートを施していくのだった。
二人は新しい臓器を登録するため、政府の新たな秘密機関“臓器登録所”へ向かう。
ウィペットとティムリンは、新しい犯罪を扱うNVU(ニュー・バイス・ユニット)の一部署であるこの機関で、未知の機能を持つ新たな臓器の所在を把握するため、タトゥーを入れ登録している。
政府は新臓器が遺伝により根付いてしまうこと、親から子へ受け継がれてしまうことを懸念しているのだ。
ソールの新臓器登録で、NVUのコープ刑事に呼び出されたウィペットとティムリンは、新造機登録の重要性を説明するが、コープ刑事は腫瘍をアートとすることについて疑っている。
ソールたちが帰宅後、ライフフォーム・ウェアの技術者ラウターとバーストが”オーキッド・ベッド”と”ブレックファスター・チェア”の調整をしに来る。
そこで彼女たちは、パフォーマンスで使用しているのが、サーク解剖モジュールであることを知り驚く。
サークは、ライフフォーム・ウェア最高傑作で伝説の一品であり、大昔に製造が終了してしまっているのだ
全身にいくつもの耳を付け踊るクリネックのショーを見に行ったソールは、その帰り道、路上でラング・ドートリスという男に話しかけられ、新しいショーの提案を受ける。
それは、母親に殺された自分の8歳の息子ブレッケンの死体を解剖してほしいというものだった。
そして、それは特別な死体だと言うのだ。
新しいショーを模索していたソールとカブリースは、遺体を解剖することについて悩みながらも、サークの設定を変え、解剖モジュールに調整していく。
そして、ソールとカプリースの新しいショーがはじまった。
ストーリーの流れを知ったうえで、本作を考察するとより楽しめますよ。
ネタバレ③:サークについて
出典:IMDb
サークとは、”ライフフォームウェアの最高傑作であり、伝説の一品”と呼ばれている機械です。
元々は解体モジュールでしたが、ソールとカプリースはパフォーマンスとして使用しています。
またカスタムアイズをすることで、解体モジュールにすることも可能です。
一風変わったコントローラーで操作することが出来、その様子は対象の人物を愛撫しているかのように見えます。
このサークを使用して、プラスチックを分解することが出来る新臓器を持つブレッケンの身体を解剖することが、本作最大の見せ場となっています。
ネタバレ④:ソール・テンサーのパフォーマンス
ソール・テンサーは、加速進化症候群を患いながらもパフォーマンス・アーティストとして活躍しています。
加速進化症候群とは、”自らの体内で次々と新しい臓器が生み出されてしまう病気のようなもの”です。
「病気のようなもの」と少しグレーな言葉で説明しておりますが、これは”加速進化症候群が新しい人類にとって必要なものかもしれない”からです。
ソールは、特殊な椅子やベッドを使って臓器の位置を調整し、そして痛みを和らげています。
しかし食道が細くなり、食べ物が喉を通らなくなってしまっております。
つまり”普通の人間らしさは失われている”ということです。
そんなソールがどのような選択をしていくのか、それが本作の見所でもあります。
ネタバレ⑤:タイトルの意味
本作のタイトルである「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」を直訳すると、”未来の犯罪”という意味になります。
旧人類から進化した新人類による犯罪を描いておりますが、これは人間の身体が変化を遂げているからです。
デヴィッド・クローネンバーグ監督は「未来の犯罪」について、”技術や社会の変化によってもたらされる構造の変化や危機、その犯罪性と抑制の結果が「未来の犯罪」である”と語っています。
例えば30年前は電子メールが発達しておらず、ハッキング行為はありませんでしたが、現在は犯罪として存在しています。
本作でいえば、”新臓器が遺伝により根付いてしまうこと、親から子へ受け継がれてしまうこと”が新しい犯罪に該当すると考えられます。
解剖ショーやプラスチックで製造された紫色のキャンディバーも未来の犯罪に該当するかと思われますが、何よりブレッケンのように先天性として新臓器を持ち合わせている人類が増えていくと、”もはやそれらの存在は、人類と呼べるのか?”という問題が発生してしまいます。
だからこそ政府は、ソールやラングの動向を厳しく監視しているわけですね。
ネタバレ⑥:ティムリンの陰謀
ブレッケンの解剖ショーで、新しい犯罪を扱うNVU(ニュー・バイス・ユニット)の一員であるティムリンの陰謀が明らかになりました。
というのも、”解剖したブレッケンの臓器には、既にタトゥーが施されていた”んですよね。
もちろんカプリースがタトゥーを施しているわけではありませんので、誰かしらがタトゥーを施していることになります。
そのタトゥーを施した人物こそがティムリンです。
それは、”新人類であるラングの活動を妨害するため”です。
ラングは人類の身体に手術を施し、プラスチックで製造された紫色のキャンディバーを食べられる新人類を作り上げていました。
そして実際にラングの息子であるブレッケンは、先天性としてプラスチックを食べることが出来る新臓器を持ち合わせた存在としてこの世に生を受けます。
政府としては、「新臓器が遺伝により根付いてしまうこと、親から子へ受け継がれてしまうこと」を最も危険視しているため、ラングは危険人物としてして見なされていたわけですね。
ティムリンは政府側の人間ですので、なんとしてもラングの計画を阻止する必要があったわけです。
もしティムリンがブレッケンの臓器にタトゥーを施していなかったら、人類は進化したブレッケンの新臓器を見ることになり、ラングに手術の依頼が殺到する可能性がありました。
そうなると第二のブレッケンが誕生する可能性があり、政府が危惧していたことが現実になってしまうわけです。
だからこそティムリンは、ソールやカプリースの目を差し置いて、ブレッケンの臓器にタトゥーを入れ、ショーそのものを失敗させたわけですね。
ネタバレ⑦:ライフフォーム・ウェアの2人
ライフフォーム・ウェアの技術者であるラウターとバーストの2人は、”政府に雇われた殺し屋の側面も持ち合わせている”存在です。
彼女たちは、旧人類の思考である政府に危険をもたらす人物を暗殺しています。
だからこそソールにリップロック(お腹にジッパーをつけて、臓器を覗き見できる)をインストールしたDr.ナサティル、そして新人類を生み出そうとしているラングを暗殺したわけですね。
雇い主の存在は描かれておりませんでしたが、もしかしたらティムリンなのかもしれません。
ネタバレ⑧:新人類vs旧人類
本作では、旧人類(政府側)と新人類(ラング側)の対決が描かれています。
旧人類は「新臓器が遺伝により根付いてしまうこと、親から子へ受け継がれてしまうこと」を最も危惧している一方、新人類は「産業廃棄物、主にプラスチックを紫バーで食べられるようになる」ことにより、社会への適応と食糧不足問題を解決しようとしています。
新人類はラングの手術により、プラスチックを食べられる身体になりました。
これはある意味、現実世界の状況に応じた進化とも考えられます。
またラングの息子ブレっケンは、ラングからの遺伝により、先天性としてプラスチックを食べられるよう新臓器を持ち合わせています。
そのため、”ブレッケンこそが真の意味での新人類”と言えるでしょう。
しかし旧人類である政府は、ブレッケンのような進化を人類がすることを大変恐れているため、新人類であるラングを危険視しているわけです
ネタバレ⑨:痛みについて
本作の世界観では、人類は痛みを感じることがなく、限られた人間だけが夢の中で痛みを感じることが出来ます。
痛みを感じなくなっているため、平気で互いを傷つけ合い、そして傷つけることで快感を得ているという理解し難い世界観です。
もはや何のために生きているのか、生きる意味を見出しているのかすらわかりません。
そして加速進化症候群を患っているソールは、身体の中で新臓器が作られる際に痛みを感じることが出来ます。
つまり痛みとは、”今を生きている実感を与えてくれる”存在でもあるわけです。
痛みを感じない人類は、特に明確な目的もなく互いを傷つけ合い、そしてパフォーマンスを繰り広げています。
しかしソールは、痛みと共に新臓器を生み出し、その臓器にカプリースがタトゥーを施し、それを摘出するというパフォーマンスを行なっており、その姿は生きることに喜びを感じているようにも見えます。
人間は痛みを感じることで生きている実感を得ることが出来るはずです。
死んでいたら何も感じないですからね。
そのため痛みを感じることが出来ない人類は、生きている実感を得ることが出来ず、どこか無気力的な表情をしているのだと考えられます。
ネタバレ⑩:内なる美とは何か
内なる美とは、”臓器の美しさを競い合うコンテストのようなもの”であると考えられます。
主催者がNVU(ニュー・バイス・ユニット)の一員であるウィペットであること、そしてソールがDr.ナサティルからリップロック(お腹にジッパーをつけて、臓器を覗き見できる)をインストールしたこと、以上のことからそのように推測が出来ます。
まさに文字どおり「内なる美(臓器の美しさ)」ということですね。
ネタバレ⑪:ソールが秘密捜査に協力していた理由
ソールが秘密捜査に協力していた理由は、”新人類の活動を止めたかったから”だと考えられます。
ソールは、新しい犯罪を扱うNVU(ニュー・バイス・ユニット)であるコープと共に秘密捜査を行なっていました。
コープの目的は、”新人類であるラングを逮捕することですので、必然的にソールの目的もコープと一致する”はずです。
その理由としてソールは、”人工的に臓器を改造することに嫌悪感を抱いていたから”だと考えられます。
実際にラングからプラスチックで製造された紫色のキャンディバーを勧められた際、最初はキッパリと断っていました。
これもソールが加速進化症候群を患っていることも要因の1つと考えられます。
しかし終盤のブレッケンの解剖パフォーマンスの際、ティムリンの陰謀が発覚してしまったため、ソールは政府に失望感を抱いてしまいました。
そのためラストシーンで、本来の信念とは異なる人工物であるプラスチックで製造された紫色のキャンディバーを口にしたわけですね。
ネタバレ⑫:過去作との関連性
本作は、デヴィッド・クローネンバーグ監督の過去作ともテーマや背景が似ている箇所があります。
そのため過去作のテーマを把握しておくと、より一層本作を楽しむことが出来ます。
①『ステレオ/均衡の遺失』と『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』
初期作である『ステレオ』では、テレパシーによる会話や他者の思想が自己に干渉する世界が描かれ、自己の本心を隠す必要性が探求されています。
『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』では、機能なき臓器に取り憑かれた同僚の行方を追う中で、主人公が正気を失っていく物語が展開され、抽象的で難解なテーマが扱われており、これらのテーマや理論が、後のデヴィッド・クローネンバーグ監督作品において具体化されていくことが示唆されています。
②『ビデオドローム』と『クライム・オブ・ザ・フューチャー』の繋がり
『ビデオドローム』では、ケーブルテレビ局の経営者が「ビデオドローム」という暴力映像を追い、自己に思想が植え付けられて無意識の暴力が引き出されていく状況が描かれています。
本作『クライム・オブ・ザ・フューチャー』でも、加速進化症候群を抱えた主人公とその臓器を摘出するパフォーマンスが通じて、身体の変容や外部のメカニズムによる思想の影響、そして未来の犯罪がテーマとなっています。
両作品において、メディアや外部の要素が個人の意識や行動に影響を及ぼす構造が描かれており、クローネンバーグの世界観が繋がっていることが示唆されています。
③『ザ・フライ』と『クライム・オブ・ザ・フューチャー』の繋がり
『ザ・フライ』では、物質転送による肉体と精神の変容が描かれており、転送を通じて中身が変わるというテーマが探求されています。
本作『クライム・オブ・ザ・フューチャー』でも、加速進化症候群による身体の変容とその影響が描かれており、肉体と精神の関係性がポイントとなっています。
両作品において、肉体の変容や身体的な経験が主人公の意識や行動にどのような影響を与えるかが探求されており、テーマの共通性が示唆されています。
④『裸のランチ』と『クライム・オブ・ザ・フューチャー』の繋がり:
『裸のランチ』では、現実と異界の関係性が描かれ、主人公が異界の存在に触れながらも両世界を受容する物語が展開されています。
本作『クライム・オブ・ザ・フューチャー』でも、進化や変容というテーマを通じて異なる次元や世界の存在が描かれており、主人公の受容と拒絶の葛藤がテーマの1つとなっています。
両作品において、主人公が異なる次元や現実を受容しようとする姿勢が共通して描かれており、テーマの共通性が示唆されています。
このようにデヴィッド・クローネンバーグ監督作品のテーマや要素が、監督の世界観や思想の発展を促進させており、その集大成が本作『クライム・オブ・ザ・フューチャー』なのです。
ネタバレ⑬:ラストシーンについて
本作のラストシーンは、ソールがプラスチックで製造された紫色のキャンディバーを口にし、何かに目覚めたような表情を見せたシーンで幕を閉じます。
これは、”ソールの新臓器がプラスチックに適合し、新しい価値観や生き方に目覚めた”ということを表しています。
当初は、ラングが作った紫色のキャンディバーを拒否していたソールでしたが、普通の食事が喉を通らなくなり、またティムリンの行なった行為により政府に幻滅したソールは、紫色のキャンディバーを口にします。
もしかしたら死ぬつもりだったのかもしれません。
しかし結果的には、ソールが新しい価値観や生き方に目覚めるきっかけとなりました。
本作に続編があるとは思えませんが、もしあるとしたらソールが新人類の代表として新たな時代を切り開いていくのかもしれませんね。
映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の感想
映画というより、美術館に芸術作品を見に来ているかのような感覚を覚えました。
とにかく世界観が独特であり、聞きなれない単語や道具が多数登場するため、意識を映画にしっかり向けておかないと完全に置いてけぼりをくらいます。
また解体をパフォーマンスとして表現しているため、臓器がモロに描写されています。
そのため、グロいのが苦手な人には厳しいものがあると思います。
そのかわり、不思議な世界観に浸りたい人には、とことん合う映画です。
人類の進化についても言及しており、特に新人類であるラングがプラスチックで製造された紫色のキャンディバーを食べている様子は、産業廃棄物を自ら消化することが出来る人類の進化をまざまざと見せつけられた気分になりました。
確かにこれも人類の進化なのかもしれませんが、あまり気分の良いものではありませんね。
なんと言ったって、冒頭シーンからかなり胸糞ですからね・・・。
全人類がプラスチックを食べられるようになれば違和感はないのですが、ラングやブレッケンのように少数派だと偏見や恐怖の対象となってしまうのは、現実世界でも同様だと感じました。
加速進化症候群を患い、次々と新臓器を作り出すソールもかなり異端の存在です。
そんな異端同士が発するハーモニーは、観客すべてを虜にし、そして混乱させることでしょう。
まとめ
メチャクチャ難解な映画です。
エンディングになった瞬間、「えっ?これで終わり!?」と心の中で叫んでしまいました。
映画というより、芸術作品を見ているような錯覚に陥りますので、人によっては好みがわかれるでしょうね。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。