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【ネタバレあり】『アイの歌声を聴かせて』感想と考察【AIが考える幸せの本当の意味】

(C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会

こんにちは、ニャンコです。

このブログは映画『アイの歌声を聴かせて』のこんな疑問に答えていきます。

・見所ポイント

・ネタバレ一覧

・感想と考察

ニャンコ
ニャンコ
【ブログを書いているのは、こんな猫♪】

①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート

映画『アイの歌声を聴かせて』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。

まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・

きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『アイの歌声を聴かせて』が好きになると思いますよ♪

映画『アイの歌声を聴かせて』のあらすじ

景部市高等学校に転入してきたシオンは、登校初日、クラスで孤立しているサトミに「私がしあわせにしてあげる!」と話しかけ、ミュージカルさながらに歌い出す。
勉強も運動も得意で底抜けの明るさを持つシオンはクラスの人気者になるが、予測不能な行動で周囲を大騒動に巻き込んでしまう。
一途にサトミのしあわせを願うシオンの歌声は、孤独だったサトミに変化をもたらし、いつしかクラスメイトたちの心も動かしていく。

・シオンがサトミを幸せにしたい本当の理由に涙する

・爽快な音楽が本当に素晴らしい

・近未来×ファンタジー要素を取り入れた幻想的な風景

・AIの無限の可能性を感じさせる青春映画

「サカサマのパテマ」「イヴの時間」の吉浦康裕が原作・脚本・監督を務めたオリジナル長編アニメーションです。

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声の出演は、不思議な転校生シオンを土屋太鳳、クラスメイトのサトミを福原遥、サトミの幼なじみで機械マニアのトウマを工藤阿須加が担当していることで話題になりました。

また「コードギアス」シリーズの大河内一楼が共同脚本、「海辺のエトランゼ」の漫画家・紀伊カンナがキャラクター原案、「とある魔術の禁書目録」シリーズのJ.C.STAFFがアニメーション制作を手がけています。

映画の内容としては、自立型AIのシオンが巻き起こす青春トラブルを描いており、万人に楽しめる内容になっているのが特徴です。

映像もとても綺麗ですが、その映像とリンクするかのような心地良い音楽にも注目の映画です。

ニャンコ
ニャンコ
ここからネタバレありで考察していくよ♪

【ネタバレあり】映画『アイの歌声を聴かせて』のネタバレ一覧

ネタバレ①:アイとは誰か

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

本作に登場するシオンは、自立型AIです。

そんなシオンが幸せにしたい人物とはサトミです。

ニャンコ
ニャンコ
シオンがサトミの幸せを願う理由は、この後に説明するよ♪

実はタイトルでもある「アイ」という人物は登場しないんですよね。

ミケ猫
ミケ猫
そうなるとアイって誰なの?

アイとは、”「愛」と「AI」、そして「I=私」という3つの意味が込められている言葉”です。

つまり特定の人物を指しているわけではないのです。

それはシオンだったりサトミだったり、もしくはクラスメイトのケースだってあり得ます。

ネタバレ②:シオンがサトミの幸せを願う理由

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

シオンは、サトミと出会った当初から「サトミ、今幸せ?」と聞いてきます。

サトミ本人は、シオンと面識がありませんので、シオンが一方的にサトミのことを知っている状態です。

しかし2人は初対面のはずですし、ましてやシオンがサトミの幸せを気にする理由がわかりません。

ミケ猫
ミケ猫
最初観たとき、頭の中が「?」になったよ

シオンがサトミの幸せを願う理由、それは”過去にトウマから「シオンを幸せにしてほしい」と命令されたから”です。

というのもシオンは、かつて小学3年生のトウマによって原型を製作されています。

そのときにトウマが「シオンを幸せにしてほしい」と願い、それを無意識の内に命令としてシオンに指示したため、シオンはサトミを幸せにしようとしていました。

しかしシオンのプログラムは消去されそうになったため、シオンはプログラムをネット上に逃しました。

そしてネット上からサトミのことを見守り続けていたのです。

全てはトウマに命令された「サトミを幸せにしてほしい」を叶えるために。

ニャンコ
ニャンコ
健気過ぎるだろシオン!

しかしシオンは、進化した自立型AIです。

ただ単にトウマの命令されたからサトミを幸せにしようとしているわけではありません。

AIは自ら考え判断し、そして日々進化しています。

それはシオンも同じことであり、トウマの命令を自分なりに解釈し、本当に心の底からサトミを幸せにしたいと考えるようになったのです。

これは最早、”AIが人間の心に限りなく近づいた”と言っても過言ではないでしょう。

そしてシオンが考える当初のサトミの幸せとは、”サトミが笑っていること”でした。

当初、シオンが考えるサトミの幸せには、嬉し涙は含まれておりませんでした。

しかしシオンがサトミやトウマ、そしてクラスメイトと接するうちに「涙は必ずしも悲しいときに流すものではない。嬉しいときにも流すものだ」と理解します。

そのため最終的にシオンが考えるサトミの幸せとは、”サトミが友人や大切な人に囲まれて、嬉し涙を流しながら笑っていること”に変化していきます。

ミケ猫
ミケ猫
シオン、メッチャ良い奴じゃん!

最初はトウマに命令されたからサトミの幸せを願うだけだったシオンが、人間の心を自分なりに理解し、幸せの本当の意味を理解する、これは胸アツな気持ちになることでしょう。

ネタバレ③:ムーンプリンセスが意味するもの

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

サトミが幼少期の頃から憧れているアニメ「ムーンプリンセス」。

目覚まし時計にも使用するほどサトミは「ムーンプリンセス」を心の支えにしています。

そんな「ムーンプリンセス」ですが、本作ではどのような意味があったのでしょうか。

「ムーンプリンセス」が意味するもの、それは”サトミが心の底から欲しているものを具現化している”ということです。

ミケ猫
ミケ猫
どういうこと?

サトミは幼少期の頃から「ムーンプリンセス」を見てきました。

「ムーンプリンセス」の主人公でありプリンセスであるムーンは、いつも家族や友人に愛されており、まさにサトミがなりたい姿そのものだったわけです。

サトミの両親は、サトミが幼い頃に離婚して離れ離れになってしまいました。

幼なじみのトウマとは、些細なすれ違いで疎遠になってしまいます。

またサトミの人見知りや正義感の強い性格が仇となり、学校では友達が1人もおりません。

つまりサトミは、”孤独な寂しさを抱えながらも、それを周囲に打ち明けることが出来ずに悩んでいる”ということです。

だからこそサトミは、家族や友人に愛されており、常に希望に満ちた人生を送っている「ムーンプリンセス」の主人公ムーンになりたいのです。

ネタバレ④:記憶とバックアップ

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

本作は、記憶とバッグアップが重要な役割を果たしています。

私たち人間の記憶力は無限ではありません。

そのため重要なことをメモに残したり、大切な瞬間を写真やビデオに撮ったりして残したりします。

しかしシオンはAIですので、記憶力(正確にはデータ容量)は無限大です。

そのためシオンは、「写真に思い出を残す」という考えを理解することが出来ませんでした。

そんなシオンですが、サトミやクラスメートと触れ合うことで「記憶を残す=バックアップ」という考えを学習し理解していきます。

ニャンコ
ニャンコ
結果的にシオンのバックアップを行って良かったよね♪

私たち人間にとって「写真に思い出を残す」という行為は日常的です。

逆に写真に残さないことのほうが珍しいでしょう。

しかし人間にとって当たり前の行動がシオンのようなAIにとっては当たり前ではありません。

当たり前でないことを学習し理解する、そして実行に移す、この行為は簡単なようでとても難しいことだと思います。

しかもAIとなれば尚更です。

しかしシオンは、「サトミを幸せにする」という使命のもと、人間の行動を理解し、そして実践しようとしました。

つまり、”写真に残す=バックアップをとる”ということを新たに学び実践したということです。

ネタバレ⑤:人工衛星となったシオン

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

本作のラストシーンでは、シオンはデータを人工衛星に移すことに成功します。

そうすることによりシオンは、”上空からサトミの幸せを見守り続けることが出来る存在”になったわけです。

しかし今のサトミは、昔のように1人ではありません。

大切なクラスメイトはもちろんこと、そしてトウマがいます。

そのためシオンは、”もうサトミだけの幸せを考える必要がない”のです。

ミケ猫
ミケ猫
そうすると、シオンは誰の幸せを考える必要があるのかな?

今のシオンが考える必要があること、それは”シオン自身の幸せ”です。

シオンは自立型AIであり、今回の騒動で様々なことを学びました。

特に1番学んだことは幸せについてです。

幸せとは、”特定の誰か1人のことではなく、大切な人と一緒にいて初めて感じることの出来る感情”です。

そのためには、”自分自身が「今が幸せ」だと実感している必要”があります。

今までのシオンは、サトミを幸せにするためにサトミのクラスメイト、そしてトウマを幸せにしてきました。

つまり、”シオン自身の幸せについては何も考えていなかった”のです。

しかし今のシオンは、幸せの本当の意味を学び、「今が幸せ」と実感しています。

そのため人工衛星として上空からサトミのことを見守りつつも、シオンは自分自身の幸せについても考え、そして実感しながら存在し続けていくのです。

映画『アイの歌声を聴かせて』の感想

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

「サトミを幸せにする」、ただそれだけを究極の目的として実行するシオンの行動に圧倒される映画です。

冒頭までは、「なぜシオンはサトミを幸せにしようとするのか?」がわかりませんでしたが、中盤になるにつれ目的がはっきりと描かれており、中途半端な演出ではなくなっていきます。

シオンがサトミを幸せにすることには明確な意味があり、またその意味が本作に重要な役割を果たしているのです。

てっきりシオンが自分勝手なプログラムで、たまたま目についたサトミを強制的に幸せにしようとしているのだと思っていましたが、まさかトウマの命令をずっと守っていたとは・・・正直な話、かなり熱い展開で手に汗を握りました。

ニャンコ
ニャンコ
シオンが健気過ぎて涙が出たわ!

青春劇を繰り広げてきた序盤から中盤のシーンですが、終盤は「シオン救出劇」といった若干シリアスな展開になっていきます。

この緩急も程よい緊張感があって好みでしたね。

キャラクターそれぞれの個性も際立っており、久しぶりに良いアニメ映画を観れたな、と率直に思ったほどです。

ラストシーンでシオンが幸せの本当の意味を知ったとき、思わず涙がこぼれましたね。

まとめ

出典:『アイの歌声を聴かせて』オフィシャルサイト

ただのAIと女子高生の友情物語かと思いきや、全く違いました。

シオンがサトミを幸せにしたい理由、AIであるシオンが幸せと記憶(バックアップ)の意味を知り、少しずつ成長していく姿は胸アツでしたね。

AIの無限の可能性を感じつつも、爽快感のある青春劇に仕上がっています。

かなり万人向けにオススメ出来る映画だと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございました。