こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『トーク・トゥ・ミー』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『トーク・トゥ・ミー』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『トーク・トゥ・ミー』が好きになると思いますよ♪
映画『トーク・トゥ・ミー』のあらすじ
SNSで話題の“#90秒憑依チャレンジ”に参加しただけ、のはずだった…………
17歳のミア(ソフィー・ワイルド)は、母リア(アレクサンドリア・ステファンセン) を亡くした痛みを抱え、父マックス(マーカス・ジョンソン)とも気まずく、日々寂しさを感じていた。
そんな彼女が唯一心を許せるのは、親友ジェイド(アレクサンドラ・ジェンセン)と彼女の弟ライリー(ジョー・バー ド)、そしてふたりの母親スー (ミランダ・オットー)だけだ。
あるとき、高校の同級生たちの間で、降霊を楽しむ”憑依チャレンジ”が流行っていると知ったミアとジェイドは、興味本位でその集まりに参加する。
降霊のルールは簡単だ。呪物の“手” を握って 「Talk to me」 と唱え、霊を体内に招き憑れるだけ。
ただし、90秒以内に手を離すことで霊を祓わなければ、自身の中に霊が居座り永久に支配されてしまうという。
得も言われぬスリルと背徳感、さらには体験したことのない高揚感に、久しぶりに生への実感を味わったミアは、たちまち“憑依チャレンジ”の虜になる。
そんな中、 ジェイドの家で再び友人たちが集まって“憑依チャレンジ”パーティーを開くことになった際、ジェイドの反対を押し切ってライリーが参加するが、 霊を憑依させた瞬間、ミアの母親を名乗り始める。
母と繋がりたい一心で、 “90秒ルール” を破ってしまうミア。
するとライリーは邪悪な魂に支配され、自らを激しく傷つけた後、気を失ってしまう。
病院に運ばれたライリーはなんとか一命をとりとめたものの、昏睡状態のままだ。
ジェイドとスーに責められ、拒絶されるミア。
恐怖と孤独感を募らせたミアは、次第に追い詰められていく。
・憑依=ドラッグのような中毒性がクセになる
・憑依による連続トリップシーンは見所満載
・ホラー要素は少なめ
・ラストシーンはかなりの衝撃
サンダンス映画祭で話題騒然!
A24が北米配給権を獲得し全米はじめ全世界で大ヒットし、アリ・アスターやジョーダン・ピール、サム・ライミ、スティーヴン・スピルバーグら名だたる名匠も絶賛した新世代ホラー映画です。
監督は、オーストラリアの双子映画監督ダニー・フィリッポウとマイケル・フィリッポウの2人です。
2人は総再生数15億回、登録者数679万人を誇るYouTubeチャンネル「RACKARACKA」で世界的に知られる超人気YouTuberでもあり、『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』は、そんな2人の長編映画デビュー作となっています。
本作のキャッチーな設定や過激な残酷描写とともに描かれるのは、人との繋がりを強要されるSNS世代の若者たちの孤独です。
フレッシュなキャストを起用し、現代的なテーマとエッセンスをちりばめつつ、ホラー映画の定石を巧みに覆してみせる軽やかな演出手腕は、新世代の映像クリエイターらしい感性の賜物といえます。
『SMILE/スマイル』(22)、『ブギーマン』(23)など若き才能の躍進が目立った2023年のホラー映画界を締めくくるにふさわしい話題作『Talk to Me/トーク・トゥ・ミー』、その衝撃を、とくと目に焼き付けたいですね。
当ブログでは、『トーク・トゥ・ミー』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『トーク・トゥ・ミー』のネタバレ一覧
ネタバレ①:タイトルの意味
本作のタイトルであるトーク・トゥ・ミーには、「私と話して」という意味があります。
しかし本当の意味は、別のところにあると考えております。
本当の意味とは、”私(ミア)と話して”ということです。
本作の主人公であるミアですが、死んだ母親からは「ミー」という愛称で呼ばれていました。
またラストシーンで明らかになりますが、憑依の連鎖はどこまでも続いており、今度はミアが憑依する霊側として呼ばれています。
ミアは母親の死の真相を知ってしまい、また残された家族である父親をも自らの手で殺してしまいました。
そんな1人ぼっちになってしまったミアは、誰かと話したくて仕方がない、そんな時に暗闇の向こうから自分を呼ぶかのようなロウソクの光が見える、そこに行けば誰かと話せるかもしれない、と考えたわけです。
つまりラストシーンで、”トーク・トゥ・ミーの「ミー(ME)」が、ミア(MIA)の愛称である「ミー(ME)」に意味が切り替わっている”んですよね。
本作では憑依する人間側に焦点が当てられていましたが、本当は霊側のほうが寂しさのあまり誰かと話したかったのだと考えられます。
ネタバレ②:冒頭シーンについて
冒頭シーンは、かなりショッキングな映像でしたね。
というのもパーティーで憑依チャレンジをしていた青年ダケットが、錯乱して実の兄の胸をナイフで刺し、その後に自分の顔をナイフで刺して自殺してしまうのです。
そして後にわかることですが、本作に登場する謎の手の持ち主は、他ならぬダケットであることが判明します。
つまり”ダケットは憑依チャレンジの90秒間を超えてしまい、霊がダケットの身体に永遠に留まるために自殺させられた”ということがわかります。
いったいダケットは、どこから謎の手を入手したのか?
明確には描かれてませんでしたが、”ダケット自身も謎の手を誰かから借りた”可能性が非常に高いですね。
これはラストシーンにも繋がってきますが、憑依は連鎖しており、決して終わることがない呪いのようなものです。
そのため謎の手も長い年月をかけて、様々な持ち主の元に渡っていたのだと考えられます。
ネタバレ③:謎の手の正体
謎の手の正体は、「超能力者または霊媒師の手」、「悪魔崇拝者の手」がセラミックで覆って衛生保全したものと言われており、「死者と交信できたから手を切り取られた」という説もありますが、真相は不明です。
もう片方の手も、世界のどこかで憑依チャレンジに使用されている可能性もあるようです。
しかしこのような強大な力を持ち、特級呪物とも言える手が元々人間の手だった、ということがあり得るのでしょうか?
そのため謎の手の正体は、”悪魔が魂を喰らうため、この世に持ち込んだものであり、悪魔自身の手である”ということが考えられます。
実際に憑依されたライリーの魂は地獄に連れ去られ、多くの悪霊たちによって傷つけられていました。
またミアの母親であるリアもライリーの魂を欲しがっていましたし、何よりミア自身を自殺に追いやっています。
そのため”霊たちには自我はなく、何か大いなる力に操られている”のだと考えられます。
その大いなる力=悪魔である可能性が非常に高いのです。
ネタバレ④:瀕死のカンガルーが意味するもの
ライリーを車で迎えに行ったミアの目の前に、車に轢かれ今にも死にそうな瀕死のカンガルーが登場しました。
この瀕死のカンガルーは、”ミアの死生観に重要な役割を果たしている存在”です。
瀕死のカンガルーに遭遇した際、ミアは「ひとおもいにラクにしてあげなければ」と考えつつも、実行することは出来ませんでした。
しかし終盤で、霊に取り憑かれ地獄で苦しんでいるライリーを助けるため、ライリーをひとおもいに殺そうとしています。
この時もミアの心情を表す描写として、カンガルーが登場していました。
ネタバレ⑤:憑依の手順
本作の憑依の手順は、実にシンプルです。
その代わりに、きちんと手順を守らないと悲惨な出来事が訪れます。
【用意するもの】
憑依チャレンジを始めるための必須アイテム3つを用意する。
1.特級呪物である謎の手
霊感がなくても誰でも憑依させることができる謎の手。
誰でも霊を憑依させることができる便利な代物だが、 獲得する のは至難の業である。
陽キャのジョスはパーティー会場で知り合った ダケットから謎の手を譲り受けているので、どうしても謎の手が欲 しい人には、カースト上位の男女が参加するようなアゲアゲなパーティーに積極的に参加するしかない。
この謎の手は「超能力者または霊媒師の手」もしくは「悪魔崇拝者の「手」をセラミックで覆って衛生保全したものと言われている。
「死者と交信できたから手を切り取られた」という説もあるが、真相は不明である。
もう片方の手も、世界のどこかで憑依チャレンジに使用されている可能性もあるので、そちらを探すのも手かもしれない。
2. 霊界への扉を開閉! キャンドル
謎の手を獲得したら、次はロウソクの準備。
周囲にいる霊が迷わず“手”を発見して握れるようにロウソクに火をつけ、 界への扉を開こう。
逆に、速やかに体から出て行ってもらうためには、“手”を離したあとに必ずロウソクの火を消し、扉を開 ることが必要である。
憑依されたテンションのままうっかりロウソクの火をそのままにしてしまうと、霊がそのまま体内に居座ってしまうことになるので要注意。
3. 憑依時間を厳しく管理! 時計
霊を体内に憑依させていい制限時間は、90秒と決まっている。
全員がハイテンションでいると時間を過ぎても気が付かない可能性があるので、誰かひとり、信頼できる人間に時計係を任せておくと安心である。
90秒を過ぎると、霊に居座られる可能性があがるので注意しよう。
ちなみに、その状態で死んでしまうと、憑依された霊に永遠に支配されるという恐ろしい事態になる。
【メンバー集め】
アイテムが揃ったら、次はメンバー集めである。
ある程度の人数が集まったら、その中から司会進行役 実行役・時計係・憑依役を決める。
1. 司会進行役
本作ではヘイリーが務めている。
初めての参加者に儀式のやり方を説明し、実行役に指示を与える。
儀式について熟知していることはもちろん、場を盛り上げるという重要な役目も担うので、 リーダータイプの人物を据えると良い。
2. 実行役
本作ではジョスが務め、 司会進行役のヘイリーとセットで場を盛り上げている。
実際に憑依役の身体を縛ったり、暴れた場合には抑え込む、などといった力仕事も伴うため、パワー系の人物が望ましい。
3, 時計係
本作では途中からヘイリーが兼任しているように、一人二役でも構わないが、できれば素面でいられる、責任感と意志の強いタイプに任せることが望ましい。
4. 憑依役
“手”さえあれば霊感や霊能力は一切関係なく、平等に霊は憑依してくれるので、特にこれといった適性はない。
霊目線で考えると、ミアのように心に隙間がある人間がよりふさわしいと言 えるかもしれない。
ここまで事前準備が整えて、やっと憑依の儀式を行います。
【儀式の手順】
すべての準備が整ったら、儀式を始めよう。
をさせてハイになったあとは安全にこの世に帰還するために、きっちりと手順を踏むことが重要である。
1. 憑依を椅子に座らせる。
トーク・トゥー・ミー、手をしっかりと握り、「話したまえ」と唱える。
目の前に霊が現れるため、初心者はびっくりして目をそらしがち。
志願者が「やめる」などと言い出したら、「やれ!やれ!」とし立てて勢いづかせよう。
2. 憑依役の手を肩より上に上げさせ、ベルトなどで縛る。
憑依の衝撃で椅子から離れないよう、しっかりと縛ろう。
3. ロウソクに火をつける。
4.“手” を握ったまま、レット ユーイン「入るを許す」と唱える。
※憑依されて体が大きく反ったり、想定外の動きをすることがあ るが、憑依役が決して“手”を放さないように、進行役と実行役が注視しよう。
5. 90秒間は、憑依を楽しむ。
※時計係は、しっかりと90秒をカウントしよう。
6.憑依者から手を引き離す。
なかなか離せない場合には、何人かで協力して引き離そう。
7. キャンドルの火を消す。
※予想外のトラブルが起こったときも、火を消すのを忘れないよう、
冷静に対処しよう。
誰でも簡単に憑依されて心霊トリップができる、もしそんなものがあるなら、霊や死後の世界を信じる信じないはさておいて、 とりあえず試してみたくなるのが人間というものです。
実際に本作でも多くの若者たちが憑依を楽しんでいました。
しかし憑依するうえで気をつけなければならないことは、”自分が呼び出される側にはならないこと”です。
そのためには焦らず慎重に手順を踏んで憑依を楽しむことが大切です。
ネタバレ⑥:リアの死の真相
ミアの母親であるリアですが、死の真相は謎に包まれていました。
リアの幽霊がミアの目の前に現れ、「自分の死は自殺ではなく、事故死だった」と伝えており、いったい何が真相なのかわからなくなってしまうほどです。
しかしリアが夫マックスとミアに残した手紙により、その真実が明らかになります。
リアの死の真相は、”精神を病んだことによる、睡眠薬自殺”でした。
ミアは母親が自分を残して自殺などするはずがない、と信じていたため、父親であるマックスは真相を話すことが出来なかったわけですね。
しかしリアの霊は、「自殺ではなく事故死だった」と話しています。
これは、”悪魔に操られているリアがミアを地獄に招き入れるため、嘘をついている”のだと考えられます。
実際に混乱してしまったミアは、父親であるマックスを殺してしまい、最期は車に飛び込んで自殺してしまいました。
ネタバレ⑦:ミアがライリーを殺そうとした理由
ミアがライリーを殺そうとした理由は、”地獄で悪霊に苦しめられているライリーを救いたかったから”です。
ミアもライリーも憑依の制限時間である90秒を超えてしまったため、霊が身体に入り込んでいる状態です。
特にライリーはミアより長時間もの間、霊を身体に憑依させてしまったため、魂が地獄に連れ去られており、多くの霊に苦しめられている状態です。
そんな悲惨な状態を憑依を通じて知ったミアは、「ライリーを救うためには、ライリーを殺すしかない」と思ってしまったんですね。
そのきっかけとなったのが、冒頭に登場した瀕死のカンガルーです。
冒頭でミアは、瀕死のカンガルーを一思いに殺すことが出来ませんでした。
それがずっと後悔の念として残り続けているわけなんですよね。
だからこそ、今度こそはライリーを一思いに殺したい、殺すことでライリーが救われる、と信じているわけです。
しかしそれこそが霊の罠だったんですよね。
ネタバレ⑧:ラストシーンについて
ラストシーンは、かなり衝撃的な内容でした。
ミアが自殺し、今度は霊側として謎の手を通じて儀式に呼び出され、憑依する霊となる、という内容です。
というのもラストシーンでミアは車に飛び込み自殺を行っています。
ミアが自殺を行った理由は、”リアの霊がミアの魂を奪うため、身体を操ったから”だと考えられます。
霊たちはライリーの魂を狙っていたのだと思われていましたが、実際にはライリーではなくミアを狙い続けていたんですね。
その理由は、”ミアが最初に90秒間を超えて憑依の儀式を行ったから”だと考えられます。
またミアは母親リアが亡くなったことにより精神が不安定であり、霊にとっても操りやすかったのだと考えられます。
こうして無事に霊の仲間入りを果たしてしまったミアは、今度は憑依する側として儀式に呼び出される立場となります。
そして今度は、ミアが誰かの魂を奪っていく・・・というループが生まれたわけです。
つまり”憑依の連鎖は、永遠に続いていく”ということがわかります。
映画『トーク・トゥ・ミー』の感想
A24ホラー史上最高興行収入を叩き出した話題のホラー映画です。
冒頭の掴みは100点満点であり、「いかに憑依が危険であるか」、「取り憑かれた人間による恐怖」が上手く描かれ、一気に映画の世界観に引き込まれました。
また憑依=ドラッグのような中毒性として描いており、若者たちが娯楽感覚で憑依を繰り返し快感を得ている様子は、面白さと同時に恐怖を感じましたね。
肝心のホラー要素は薄く、ジャンプスケアも少ないため、ホラー初心者の人も大丈夫だと思います。
冒頭に登場したカンガルーがミアの死生観に影響を与え、ラストシーンの選択に繋がってくる展開には痺れましたね。
そしてなんと言っても本作最大の見所はラストシーンですね。
なんとなく展開は予想出来たのですが、「おぉ!そうくるのか…」と単純に驚きました。
あんな感じで憑依は伝染していくのか…絶望と同時にどこか希望を持たせるようなラストシーンだったと思います。
死んだとしても、憑依して会えるわけですからね。
また俳優陣の憑依された演技が抜群に上手く、憑依された特徴である黒目も相まって、背筋が凍るようなシーンもありました。
特に憑依された演技は、もはや演技ではなく本当に憑依されているかのような狂気を感じました。
まとめ
ジャンプスケアも少ないため、ホラー映画ファンにとっては少し怖さが物足りないかもしれません。
しかし逆に言えば、ジャンプスケアに頼ることなく、ここまで怖さを表現できたのはすごいと感じました。
憑依=ドラッグのような中毒性として描いている点も、現代社会を風刺しており良かったです。
ラストシーンの展開は非常にまとまっており、スッキリとしたシーンに仕上がっていました。
いやぁ面白かった!
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最後まで読んでくれてありがとうございました。