こんにちは、ニャンコです。
このブログは映画『アステロイド・シティ』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
映画『アステロイド・シティ』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『アステロイド・シティ』が好きになると思いますよ♪
映画『アステロイド・シティ』のあらすじ
時は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子供たちとその家族が招待される。
子供たちに母親が亡くなったことを伝えられない父親、マリリン・モンローを彷彿とさせるグラマラスな映画スターのシングルマザー──それぞれが複雑な想いを抱えつつ授賞式は幕を開けるが、祭典の真最中にまさかの宇宙人到来!?この予想もしなかった大事件により人々は大混乱!街は封鎖され、軍は宇宙人出現の事実を隠蔽しようとし、子供たちは外部へ情報を伝えようと企てる。果たしてアステロイド・シティと、閉じ込められた人々の運命の行方は──!?
・監督の世界観満載なパワフル映画
・ストーリーは非常に難解、好みが分かれる
・とても綺麗なパステル調の色使いに没頭
・豪華俳優陣が勢揃い
アカデミー賞®4部門、ゴールデン・グローブ賞作品賞を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』などで、世界に一つだけのウェス・ワールドを披露し、映画ファンの心を歓喜で満たしてきたウェス・アンダーソン監督の最新作です。
2023年カンヌ国際映画祭のプレミア上映され、6分間のスタンディング・オベーションで讃えられ、アメリカでの先行公開では3日間で1劇場あたり13.2万ドル(約1872万円:1ドル141円換算)と『ラ・ラ・ランド』以来の最高記録を樹立した最新作が、ついに日本公開されました。
本作の舞台は1950年代のアメリカ、人々が豊かな日々を謳歌し、アメリカが最も輝いていたと言われる時代、宇宙開拓への夢も広がり、誰もが不可能なことなどないと信じていた。
そんな中、人口わずか87人の砂漠の街アステロイド・シティで開かれたジュニア宇宙科学賞の祭典に、思わぬ訪問者がやってきた!というストーリーです。
出演はウェス・アンダーソン獲得作品の常連で本作で主演を務めるジェイソン・シュワルツマンを筆頭に、トム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、マーゴット・ロビーなどハリウッドスターが集結しています。
またスペインのチンチョン郊外に実際に建てられた、壮大かつポップな街の“ウェス・アンダーソンすぎる”撮影方法も見逃せません。
一つの大きな事件をきっかけに、そこに集った人たちの人生の軌道が少しだけ変わっていく、まぶしい太陽と陽気な音楽の元で大事な何かに気づく、おかしくてちょっと切ない映画に仕上がっています。
当ブログでは、『アステロイド・シティ』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。
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【ネタバレあり】映画『アステロイド・シティ』のネタバレ一覧
ネタバレ①:本作のテーマ
本作は非常に難解な映画であり、テーマを特定するのも難しいのが実情です。
しかし本作が現実世界(モノクロ)と虚構世界(カラー)を行き来しているため、ある程度の想像は可能です。
個人的に本作のテーマは、”人生とは、舞台である”ということだと考えています。
まず本作のタイトルである『アステロイド・シティ』は、映画のタイトルというだけでなく、映画中に登場する戯曲と、それを上演する舞台のタイトルでもあります。
そしてこの映画の冒頭シーンは、新作舞台『アステロイド・シティ』の舞台裏を伝えるテレビドキュメンタリー番組の映像、もしくは番組の制作現場の様子として描かれています。
そのため本作は、舞台裏を描くテレビ番組のパート(現実世界)と、上演された舞台の内容が展開されるパート(虚構世界)が交互に描かれているのが特徴です。
テレビ番組のパート(現実世界)は、1950年代のテレビ映像に合わせ、モノクロ映像に仕上げている反面、舞台劇のパートはカラフル映像に仕上げています。
また舞台とは本来、舞台の広さという物理的な制約のある空間のはずですが、舞台劇のパートは、広々とした砂漠の空間で展開されており、色彩はウェス・アンダーソン監督らしいパステルカラーで描かれています。
舞台劇のパートは、それぞれ役者が自らの役を演じておりますが、確かにそこには1つの人生が描かれています。
舞台は現実ではなく虚構世界ではありますが、人生を描いている点においては、現実世界も虚構世界も変わりはありません。
確かに現実世界でも、人間は何かしらの役を演じていることには変わりありません。
そのため「人生とは、舞台である」と言えますし、本作のテーマはここにあると考えられます。
ネタバレ②:宇宙人の意味
出典:IMDb
本作に登場する宇宙人ですが、かなり謎の存在でしたよね。
この宇宙人が持つ意味としては、”人生に刺激を与える存在”であると考えられます。
確かに宇宙人が登場したことにより、街は封鎖され、人々は混乱しながらも力を合わせることが出来ました。
刺激のある人生のほうがより充実しますし、また成長することも出来ます。
本作では宇宙人でしたが、別に宇宙人以外でも人生に刺激を与えてくれる存在であれば、何でもいいんです。
また意味深だったのが、”オーギーの故障した車の底部に取り付けられる部品と、UFOの底部から突き出してくるパーツが形態的に類似している”という点です。
この意味合いは非常に難しいのですが、個人的には”人生に刺激を与える存在は、日常に溢れている”ということを表しており、その存在に気がつけるかどうかは自分次第だということです。
本作のテーマは「人生とは、舞台である」と説明しましたが、自分の人生(舞台)を生きていくうえで、いかに刺激を与える存在に気がつくことが出来るのか、ということを表しているのかもしれませんね。
ネタバレ③:向かい合うということ
本作では、向かい合うという行為が非常に重要な役割を果たしています。
印象的なのが、”オーギーとミッジが向かい合い、人生の悩みを打ち明けるシーン”ですね。
どちらかが一方的なのではなく、お互いが向かい合って人生の悩みを打ち明けるシーンはとても印象的でした。
しかしそれ以外にも非常に印象的なシーンがあります。
それが”オージーと亡くなった妻役の女優(マーゴット・ロビー)が向かい合い、カットされたセリフを言い合うシーン”です。
尺の都合でカットされてしまった2人のセリフを、さも本当に愛し合っていたかのように語り合う姿にとても感銘を受けました。
この尺の都合でカットされてしまうというのも、人生に共通するものがあります。
というのも、”人生における時間は限られているため、人間は様々な場面で何かしらの取捨選択”を行なっております。
そのため本来は語られるべきだった言葉、そして行動が尺の都合(=時間の都合)によりカットされてしまうこともあります。
そんな人生の儚さを表現しているように感じました。
ネタバレ④:眠らなければ目覚めることはできない
出典:IMDb
本作の象徴的なセリフとして、「眠らなければ目覚めることはできない」というものがあります。
現実世界のパートで脚本家や演出家が言っていたセリフですね。
このセリフには、”現実世界に対して目覚めているためには、虚構世界が必要”ということを表しています。
前日世界を幸せに生きていくためには、舞台のような虚構世界が必要であるということです。
これはウェス・アンダーソン監督の人生観を表現していると考えられます。
現実世界を生き抜いていくためには、虚構世界が必要であるとは、いかにもウェス・アンダーソン監督らしい考え方ですね。
映画『アステロイド・シティ』の感想
舞台演出をそのまま映画で表現したような映画です。
ウェス・アンダーソン監督の世界観が満載であり、好きな人はハマりますが、苦手な人には合わないですね。
それぐらい世界感とストーリーが強烈です。
色調はウェス・アンダーソン監督らしいパステル調でまとめられており、とても不思議な世界感に仕上がっております。
また登場人物を左右対称に映し出しており、それぞれが抱える人間模様を対比させているように感じました。
現実である舞台裏をモノクロ、虚構である舞台をカラフルに描いている点もウェス・アンダーソン監督らしいですね。
虚構こそが理想郷である、ということを表しているのでしょうか?
虚構である舞台を目が痛くなるようなパステルカラーで描いている点も、ウェス・アンダーソン監督の想いが伝わってきますね。
その反面、ストーリーや場面構成はわかりにくく、「いま何をしているのか?」が捉えにくくなっています。
まぁいつもウェス・アンダーソン監督の映画は、わかりにくいのですが…
本作は更にわかりにくくなっているように感じました。
ちょっと現実と虚構を混ぜ過ぎてしまったような印象を受けました。
まとめ
非常に難解な映画ですが、ウェス・アンダーソン監督の考える「人生とはなにか?」について、1つの答えを受け取った印象を受けました。
色使いも非常に綺麗であり、ウェス・アンダーソン監督の世界観が好きな人にはたまらないと断言出来ます。
しかしハマらない人にはとことんハマらないため、注意が必要です。
ストーリーも基本的にはウェス・アンダーソン監督節で突き進んでいくため、明瞭な解説などは一切行ってくれません。
「そういう映画が好きなんだ!」という人以外には、あまりオススメ出来ないのが本音ですね。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。