こんにちは、ニャンコです。
このブログは小説『すずめの戸締まり・原作』のこんな疑問に答えていきます。
・見所ポイント
・ネタバレ一覧
・感想と考察
①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
⑤Twitterで毎日おすすめ映画ツイート
小説『すずめの戸締まり・原作』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。
まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・
きっとブログを読み終わったとき、もっと小説『すずめの戸締まり・原作』が好きになると思いますよ♪
小説『すずめの戸締まり・原作』のあらすじ
九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、
「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。
彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、
まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、
古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…
やがて、日本各地で次々に開き始める扉。
その向こう側からは災いが訪れてしまうため、
開いた扉は閉めなければいけないのだという。
―――星と、夕陽と、朝の空と。
迷い込んだその場所には、
すべての時間が溶けあったような、空があった―――
不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。
・新海誠最新作『すずめの戸締まり』の原作小説を考察
・ストーリー、キャラクター像ともに過去最大スケールの出来栄え
・日本各地を旅する鈴芽と草太の成長ストーリー
・ラストシーンは感動間違いなし
『君の名は』、『天気の子』などで世界中を魅了し続ける新海誠監督の最新作です。
日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる”扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描く現代の冒険物語に仕上がっています。
当ブログでは、11月11日に公開される映画『すずめの戸締まり』の原作小説を読み込んだうえで、考察・解説をしています。
小説を読み終わった人、映画公開前に内容を知りたい人の手助けになれば嬉しいです。
主題歌「すずめ」の歌詞考察もしていますので、興味のある人はご覧ください。
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【ネタバレあり】小説『すずめの戸締まり・原作』のネタバレ一覧
ネタバレ①:登場人物
本作には、とても魅力的なキャラクターが多数登場します。
そのため予めキャラクターの特徴を把握しておくと、より本作の世界観に浸ることが出来ます。
岩戸 鈴芽(いわと すずめ)
九州の静かな町で、叔母と二人で暮らす17歳の女子高校生。
広大な廃墟の中、幼い自分が草原をさまよい歩く不思議な夢をよく見る。
本作の主人公でありヒロイン的な存在。
母親は既に亡くなっており、母親の妹である叔母の環と一緒に暮らしている。
4歳の頃、2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災しており、震災時に仕事先の病院から戻ってこなかった母親の姿を追い求め、後ろ戸から常世に迷い込んでしまう。
常世と接触したため、何度も常世の夢を見続けている。
ある日、偶然出会った草太と共に、大災害を防ぐ&要石であるダイジンを探す=戸締まりを行うため日本中を旅することになる。
宗像 草太(むなかた そうた)
“災い”をもたらす扉を閉める「閉じ師」として、日本各地に現れる扉を探し
旅をしている青年。
扉のある廃墟に向かう途中ですずめと出会う。
代々続く閉じ師の家系であり、教師を目指す大学4年生。
後ろ戸の鍵を閉め、その土地を本来の持ち主である産土(うぶすな)に返す戸締まりを行うため、日本中を旅している。
普段は東京にアパートを借りて生活しているが、大災害を防ぐため定期的に日本各地の後ろ戸を閉める戸締まり=閉じ師の活動を行なっている。
ある日、偶然出会った鈴芽と九州宮崎の戸締まりを行うが、要石であるダイジンに呪いをかけられ、魂を椅子に移動されてしまい、椅子の姿にされてしまう。
その際、ダイジンから要石の役目も引き継がれることになる。
ダイジン
すずめの前に突如現れた、人の言葉を話す謎の白い猫。
扉が開く場所に出没し、すずめたちを翻弄する。
鈴芽から「ウチの子になる?」と声をかけられたことがきっかけで、鈴芽のことが大好きになった白い猫。
正体は、日本に2つあると言われている、ミミズを封印するための要石の1つ。
九州宮崎で戸締まりを行なった際、鈴芽が誤って抜いてしまい封印を解いてしまった。
大臣のような髭をしていることから、ダイジンと呼ばれており、姿を自由自在に変えることが出来る。
日本各地の後ろ戸を開けている黒幕かと思われたが、実際は後ろ戸がある場所に鈴芽を案内していた。
すずめの椅子
すずめが幼い頃に使っていた子供用の椅子。
脚が1本欠けている。
ある出来事をきっかけに、3本脚で動き出すようになる。
鈴芽の母親が、鈴芽の4歳の誕生日プレゼントとして自作したオリジナル椅子。
ダイジンの呪いにより、草太の魂が椅子に乗り移ったため動くようになる。
岩戸 環(いわと たまき)
漁協で働くすずめの叔母。
すずめが幼い頃から二人で暮らしその成長を見守るが、
過保護なあまりつい口うるさくなってしまう一面も。
鈴芽の母親の妹であり、母親を亡くしてしまった鈴芽の保護者。
戸締まりを行うため、行方をくらましてしまった鈴芽を心配し追いかけてくる。
岡部 稔(おかべ みのる)
すずめの地元の漁協に勤めている環の同僚。
環に片想いしている。
環に片思いしており、周囲に隠しているがバレバレな男性。
環のためなら、何でもする覚悟を持っている。
二ノ宮 ルミ(にのみや るみ)
女手一つで幼い双子を育てる、神戸のスナックのママ。
ヒッチハイクをしていたすずめを拾う。
4歳の双子(花・空)を育てるスナックのママ。
神戸に向かおうとバスを待ち続けていた鈴芽を車で拾ってくれる。
海部 千果(あまべ ちか)
愛媛を訪れたすずめが出会う、同い年の快活な少女。
実家は家族経営の民宿。
泊まる先もない鈴芽を助けてくれる優しい少女。
戸締まりのことで悩んでいる鈴芽に対し、「あんたはなんか、大事なことをしとるような気がするよ」と優しく声をかけてくれる。
岩戸 椿芽(いわと つばめ)
すずめの母。
手先が器用で、料理や工作が得意。環の姉でもある。
2011年3月11日の東日本大震災で亡くなってしまった鈴芽の母親。
「すずめの椅子」は、母親が鈴芽の4歳の誕生日にプレゼントとした。
母親を探して、幼い鈴芽は常世の世界に迷い込んでしまう。
芹澤 朋也(せりざわ ともや)
草太の友人。
口ぶりや振る舞いは乱暴だが友達思いな青年。
愛車は赤いスポーツカー。
草太の友人であり、良き理解者。
困っている鈴芽を助けるため、愛車の赤いスポーツカーで鈴芽を東北の地まで送り届ける。
宗像 羊朗(むなかた ひつじろう)
草太の祖父。
閉じ師の師匠でもあるが、現在は東京の病院に入院している。
常世で要石になった草太を救おうとする鈴芽に、「人のくぐれる後ろ戸は、生涯にひとつだけ」と、後ろ戸への入り方を教えてくれる。
サダイジン
巨大な姿をした黒猫。
日本に2つあると言われている、ミミズを封印するための要石の1つ。
ミミズを封印するため、鈴芽とダイジンの前に姿を現す。
東京皇居の地下深くに封印されていた。
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ネタバレ②:戸締まりについて
本作で主人公の鈴芽や草太が行う戸締まりですが、いったい何をしていたのでしょうか?
戸締まりのポイントは、次のとおりです。
【戸締まり】とは
ミミズが後ろ戸を通じ、常世から現世に出てこようとするのを防ぐため、閉じ師が後ろ戸の鍵を閉め、その土地を本来の持ち主である産土に返す行為
簡単に言ってしまえば、”邪悪な存在があの世と通じている扉から出てくるので、出てこられないように扉に鍵をかけること=戸締まり”ということです。
しかし誰でも戸締まり出来るというわけではなく、専門の知識を持った閉じ師が必要であり、その役割を果たすのが草太ということです。
また本作には、「ミミズ」・「後ろ戸」・「常世」・「現世」・「要石」といった専門用語が多数登場します。
これら専門用語の意味を深く理解することで、より本作を楽しむことが出来ます。
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ネタバレ③:後ろ戸について
後ろ戸とは、”常世と現世を繋ぐ扉”のことです。
通常後ろ戸は、人の心の重さや想いが土地を鎮めているので、後ろ戸が開くことはありません。
しかし人の心の重さが消える=人々の記憶から消えるor思い入れが少なくなると、後ろ戸が開いてしまいます。
本作では、次の場所で後ろ戸が開いてしまいました。
①1日目(九州地方)
→宮崎にある廃墟となったリゾート施設
②2日目(四国地方)
→愛媛にある土砂に飲み込まれた中学校
③3日目(近畿地方)
→兵庫にある廃墟となった遊園地
④4日目(関東地方)
→東京皇居の地下深くにある城跡跡地
⑤5日目(東北地方)
→宮城にある東日本大震災跡地
後ろ戸は常世と繋がっており、常世にはミミズと呼ばれる災害を起こす存在がいます。
つまり後ろ戸が開いてしまうと、”常世からミミズが現世に現れ、災害が発生する”ということなのです。
そのため鈴芽や草太が日本中を旅して、後ろ戸に鍵をかける=戸締まりをしているのです。
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ネタバレ④:常世・現世について
本作において常世と現世は、非常に重要な役割を果たしています。
①【常世】
・後ろ戸の中にある世界
・死者の赴く場所
・ミミズの棲家
・すべての時間が同じ場所にある場所
・生きている人間が行ってはいけない場所
・見る者によって姿を変える
・人の魂の数だけ常世はある
②【現世】
・後ろ戸の外にある世界
・生者の赴く世界
・時間と場所が異なる世界
・死んでいる者が行ってはいけない場所
・見る者によって姿は変わらない
・数は1つだけ
つまり、”常世と現世は表裏一体”ということがわかります。
普通であれば生きている人間が常世に行くことは出来ません。
しかし何かの拍子に常世に迷い込んでしまう人間がいます。
それが鈴芽です。
鈴芽は4歳のときに、母親を探して後ろ戸を通って常世に迷い込んでしまいました。
そのため鈴芽は不思議な夢を見ますし、戸締まりを行うことが出来るのです。
ネタバレ⑤:ミミズについて
ミミズとは、”常世を住処にしている、災害を発生させる邪悪な存在”です。
日本列島の下をうごめく巨大な力、土地を揺るがす存在とも呼ばれています。
ミミズは、空に広がりながら地気を吸い上げ、重みを増していき、そして地上に倒れたときの衝撃で地震を発生させます。
もっと簡単に言ってしまえば、”大災害そのもの”ということです。
ちなみにミミズの身体は、土で出来ています。
ミミズは、単に戸締まりをするだけでは一時的に常世へ閉じ込めただけであり、いずれまた別の後ろ戸から出現してしまいます。
そのため完全に封印するためには、要石で封印する必要があるのです。
またミミズが出現すると、鈴芽は甘い匂いを感じとりますが、この甘い匂いは鈴芽が4歳の時に遭遇した東日本大震災で飲み込まれた故郷の街の匂いです。
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ネタバレ⑥:要石について
要石は、”古来から日本をミミズの大災害から守り続けてきた、神の力が宿る封印石”のことです。
草太が持っている「閉ジ師秘伝ノ抄」という古い本には、天明3年(1783年)と記載があり、山から噴き出した炎が集落を飲み込もうとしている描写があります。
また同本にある龍の絵図には、蛇行する龍の長い体の隙間に山や集落や湖が描かれ、龍と土地は一体であるかのように記載されています。
その龍の頭と尾のそれぞれに巨大な剣が刺さっており、この刺さっている剣こそが要石です。
つまり要石は、”西の要石、東の要石の計2本でミミズの頭と尾を刺し、ミミズを封印している”ということです。
確かに何度も後ろ戸の戸締まりを行えば、ミミズを封印し続けることは可能です。
しかし数百年に一度の大災害は、後ろ戸の戸締まりだけではミミズを抑えきることは出来ません。
そんな数百年に一度の大災害を防ぐために、日本には古来より2本の要石が神様より与えられているのです。
しかし要石は、時代ごとに場所を変えています。
その理由は、”時代ごとに本当に必要な場所に、要石を祀る必要がある”からです。
人の認識が変われば、土地の形も変わり、龍脈(ミミズの形)や災害の形も変わっていきます。
そのため、要石を必要とする場所も変わっていくのです。
少しずつ変化し続ける人と土地のの相互作用により、要石を祀る場所が変わり、要石は人知れず何十年、何百年にもわたり、土地を癒し続けています。
そして現代、2本あると言われている要石を祀っている場所は次のとおりです。
①西の要石
→九州宮崎にある廃墟となったリゾート施設
→鈴芽が誤って抜いてしまった
→ダイジンの姿に変化している
②東の要石
→東京皇居の地下深くにある城跡跡地
→100年前にミミズが出現し、関東大震災を起こした後ろ戸
→草太が新しい要石となり、ミミズを封印した
→サダイジンの姿に変化している
東の要石は、草太が新しい要石となることでミミズを封印しました。
鈴芽は、草太を助けるため再び常世の世界に向かおうとしますが、生きている人間が常世に辿り着くことは出来ません。
しかし鈴芽は、4歳の頃に後ろ戸を通じて常世の世界に迷い込んだことがあります。
そのため、当時迷い込んだ後ろ戸からであれば、鈴芽は常世に辿り着くことが出来るのです。
ラストシーンでは、鈴芽が要石となった草太をミミズから抜き、要石の姿に戻ったダイジンとサダイジンを再びミミズに刺します。
そうすることで、ミミズを封印することに成功し、大災害を防ぐことが出来るのです。
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ネタバレ⑦:鈴芽が戸締まり出来たわけ
本来戸締まりを行うには、草太のように代々戸締まりをする家系=閉じ師であることが前提条件です。
しかし本作では、閉じ師の家系ではない鈴芽も戸締まりを行うことが出来ました。
その前に、まず戸締まりを行える条件について理解する必要があります。
①後ろ戸を閉める鍵を持っている
②常世の存在を知っている&理解している
まず「①後ろ戸を閉める鍵を持っている」ですが、これは草太が首からぶら下げている鍵も重要なのですが、それ以上に必要なことがあります。
それが”目を閉じ、ここで暮らしていた人々のことを想う=鍵穴を開ける”ことです。
具体的には、「かつてこの場所にあったはずの景色、この場所にいたはずの人々、その感情を想い声を聞くこと」、これが出来て戸締まりを行うことが出来ます。
続いて「②常世の存在を知っている&理解している」も非常に重要です。
というのも、戸締まりを行う後ろ戸は常世の入り口でもあります。
また後ろ戸から出ようとしているミミズは、常世にいる存在です。
つまり”常世の存在を知っている&理解していなければ、戸締まり自体が出来ない”ということになります。
そしてここで鈴芽が戸締まりが出来た理由に繋がってきます。
というのも、”鈴芽は①と②の条件をクリアしている”んですよね。
鈴芽は4歳の時、偶然的に母親を探す道中で後ろ戸から常世に迷い込んだ経験があります。
そのため鈴芽は、常世の存在を知っている&理解しています。
そして肝心の鍵は、草太から引き継いでいます。
そのため閉じ師の家系でもない鈴芽が戸締まりを行うことが出来るのです。
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ネタバレ⑧:椅子の脚が3本の理由
鈴芽の母親の形見であり、草太の魂が乗り移った椅子ですが、何故か脚が3本しかありません。
椅子の脚が3本しかない理由は、”東日本大震災の津波で流され、脚が1本欠けてしまったから”です。
しかし鈴芽は、母親の形見として椅子を大切に持ち続けていました。
椅子が母親との唯一の繋がりだったわけです。
そんな椅子をラストシーンで、4歳の鈴芽に12年後の鈴芽が渡すことになります。
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ネタバレ⑨:祝詞の意味
本作で草太が戸締まりの際に唱える祝詞ですが、どのような意味があるのでしょうか。
かけまくもかしこき日不見の神よ。
遠つ御祖の産土よ。
久しく拝領つかまつったこの山河、かしこみかしこみ、謹んでお返し申す。
この祝詞を単語ごとに現代語に翻訳すると、次のとおりとなります。
①かけまくもかしこき
→声に出して言うのも畏れ多い
②日不見の神よ
→ひみずもぐらの神よ
※「ひみずもぐら」とは、ミミズや昆虫を食べるモグラ科の哺乳類
③遠つ御祖の産土よ
→古い土地神様よ
④久しく拝領つかまつったこの山河
→長い間、いただいていた山と河
⑤かしこみかしこみ
→恐れ多くも
⑥謹んでお返し申す
→謹んでお返しいたします
つまり祝詞を現代語に翻訳すると、”声に出して言うのも畏れ多い、ひみずもぐらの神よ。古い土地神様よ。長い間、いただいていた山と河、恐れ多くも謹んでお返しいたします。”という意味です。
意外だったのが土地神様である産土意外にも、モグラの仲間である「ひみずもぐら」の神が祝詞に含まれていることですね。
「ひみずもぐら」は、ミミズの天敵としても知られています。
そのため本作で災害を引き起こす元凶であるミミズの天敵として、「ひみずもぐら」の神にも祝詞を捧げているのでしょう。
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ネタバレ⑩:ラストシーン 鈴芽の選択
鈴芽が何度も見てきた夢には、幼い自分と母親が登場していました。
しかしラストシーンで、”実は母親ではなく成長した鈴芽自身”だということが判明します。
東日本大震災の津波により、行方がわからなくなってしまった母親を4歳の鈴芽は必死に探していました。
その道中で後ろ戸の中に入ってしまい、常世に迷い込んでしまったのです。
そして4歳の鈴芽は、本当は幼いながらも理解していました・・・”母親は既に亡くなっている”ということを。
しかしその事実を認めたくなくて、必死に母親を探していたのです。
そんな4歳の鈴芽に常世で遭遇した12年後の鈴芽は、自分自身のためにも「母親はもういない」という事実を伝えます。
と同時に、”何があっても私は成長し続け大きくなる”、”私は光の中で大人になっていく、それは誰にも邪魔出来ないこと”のだと勇気づけるのです。
これは鈴芽にとって非常に大きい成長の軌跡だと思います。
そして何と言っても、4歳の鈴芽が「お姉ちゃん、誰?」と問いかけたのに対し、12年後の鈴芽が「私は、鈴芽の明日」と答えたシーンは感動ものです。
というのも4歳の鈴芽は、常世で未来の鈴芽と草太に遭遇しており、未来の鈴芽から母親の形見である3本足の椅子を受け取っています。
そして今度は成長した鈴芽が、常世を通じて過去の鈴芽に母親の形見である3本足の椅子を渡すことになるのです。
鈴芽が草太と初めて出会った時、どこかで会った気がしていたのは、過去に常世で未来の草太に出会っていたからなんですね。
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小説『すずめの戸締まり・原作』の感想
『君の名は』、『天気の子』も途中から展開が180度変わり、観客の度肝を抜きましたが、本作も同様に展開が180度変わるストーリー内容です。
東日本大震災をテーマにしているため、過去2作よりも世界観は重たいかもしれません。
東日本大震災が2011年3月11日ですので、映画が公開される2022年は11年後の世界です。
本作の鈴芽は、12年前の東日本大震災で被災しているため、時間軸も現実と合わせてきている印象を受けました。
ストーリーは、「要石を取り戻すため、戸締まりをしながら日本各地を旅する」という内容のため、舞台が過去2作よりも遥かに広がっています。
新海誠監督の真骨頂の1つに、圧倒的映像美が挙げられますので、映画化したときの日本各地の描写が非常に楽しみです。
また本作は、神話的な描写が多いのも特徴です。
「常世」・「現世」・「産土」、「要石」・「ミミズ」など、現実社会ではあまり耳にしない専門用語が飛び交いますので、初見だと混乱してしまうかもしれませんね。
しかしこの専門用語の数々が、観客を不思議な映画の世界へ没入させるきっかけにもなっているのでしょう。
小説『すずめの戸締まり・原作』で描かれているストーリー、キャラクター像、日本各地の風景が映画ではどのように描かれているのか・・・今から楽しみでたまりません♪
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まとめ
東日本大震災という重いテーマを掲げながらも、魅力的なキャラクター像とストーリー構成で読者を引き込む内容に仕上がっています。
小説で描かれている内容が映画ではどのように描かれているのか、今からワクワクが止まりません。
小説を読んでから映画を観賞すると、より理解が深まると思いますので、興味がある人は是非小説もご覧ください。
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最後まで読んでくれてありがとうございました。