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【ネタバレ】『犬王』考察【呪いの正体・友魚との絆】

こんにちは、ニャンコです。

このブログは映画『犬王』のこんな疑問に答えていきます。

・見所ポイント

・ネタバレ一覧

・感想と考察

ニャンコ
ニャンコ
【ブログを書いているのは、こんな猫♪】

①芸術学部映画学科卒(卒論学年2位)
②映画歴20年以上
③累計2,000本以上観賞している変態
④実はホラー映画苦手(特に和風ホラー、リングとか無理!)
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映画『犬王』の見所を、映画好きの変態猫であるニャンコがネタバレありで感想と考察を書いています。

まさか、ラストがあんな展開になるなんて・・・

きっとブログを読み終わったとき、もっと映画『犬王』が好きになると思いますよ♪

映画『犬王』のあらすじ

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

・圧倒的迫力と音楽で作り上げるパフォーマンス

・犬王と友魚の時代を超えた絆に感動

・犬王と友魚の人生が切ない

・ラストシーンは爽快な気分になること間違いなし

『夜は短し歩けよ乙女』、『映像研には手を出すな!』の湯浅政明監督の最新作です。

アニメーション表現の可能性を拡張し続ける湯浅監督が描くのは、世界最古の舞台芸術《能楽》であり、室町時代に実在し、人々を熱狂させた能楽師【犬王】をポップスターとして華やかに逞しく描いています。

強烈な友情と《能楽》の世界を鮮烈な視点で綴る本作に、常に次作が期待されるトップクリエイターたちが集結していることでも話題になりました。

キャラクター原案の漫画家・松本大洋は、湯浅監督と『ピンポン THE ANIMATION』以来5年ぶり、2度目のタッグを組んでいます。

そして脚本は『アンナチュラル』、『MIU404』、『罪の声』など話題作を連発する野木亜紀子が、自身初の長編アニメーションを書き下ろし、音楽には「あまちゃん」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」『花束みたいな恋をした』の大友良英が参加しています。

犬王役には女王蜂としての音楽活動に加え、様々なジャンルのアーティストへの楽曲提供など、止まらない躍進を遂げるアヴちゃん、友魚役にはダンス・演劇・映像など、カテゴリーに縛られない表現者として、卓越した演技力と歌唱力を持つ森山未來が演じており、共に圧倒的な存在感で本作を描いています。

原作は「語り」の力で虚実を超えた物語世界を構築する作家・古川日出男による「平家物語 犬王の巻」です。

歴史に消えた能楽師【犬王】の物語をもとに、変幻自在のイマジネーションで描かれる、ミュージカル・アニメーションです。

当ブログでは、『犬王』の気になる謎を徹底考察・解説していますので、観賞後のヒントになれば嬉しいです。

ニャンコ
ニャンコ
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【ネタバレあり】映画『犬王』のネタバレ一覧

ネタバレ①:本作の舞台

出典:『犬王』オフィシャルサイト

本作の舞台は、”現在から600年以上前の室町時代”です。

西暦でいうと1368年頃です。

室町時代は、1336年に後醍醐天皇と足利尊氏が対立し、北朝と南朝に幕府が分かれていました。

そして1392年に3代将軍足利義満が南北朝を統一します。

この時までが南北朝時代と呼ばれています。

ちなみに室町時代の終わり頃は、俗にいう戦国時代に突入します。

ニャンコ
ニャンコ
室町時代の次は、安土桃山時代だね
ミケ猫
ミケ猫
織田信長や豊臣秀吉の時代だ♪

そして室町時代は、文化が発展した時代でもあり、そこに登場するのが猿楽です。

猿楽は、日本の伝統芸能の中でも、古くから歴史がある芸能と言われています。

ちなみに猿楽は、中国大陸から伝わった舞台芸能がモデルになっていると考えられており、能楽の原型でもあります。

そんな猿楽を歌って舞うのが、本作の主人公である友魚と犬王なのです。

ネタバレ②:犬王について

出典:『犬王』オフィシャルサイト

犬王は、”父親が呪いの仮面と交わした契約の犠牲となり、異形の姿”となっています。

ニャンコ
ニャンコ
犬王の呪いについては、後ほど詳しく説明するよ♪

また母親は、犬王の出産の際にショックで亡くなっているため、犬王は家族からも疎まれている存在です。

もちろん普通の人間と人付き合いが出来るわけもなく、普段は犬などの動物たちと過ごしています。

そんな犬王ですがある日、兄たちの猿楽を見よう見まねで真似て、1つの芸を完成させると急に2本足が生えてきました。

つまり、”犬王の呪いは、何か芸を完成させるたびに呪いが解けていく”ということです。

そして犬王の人生は、琵琶法師の友魚と出会うことで加速していきます。

犬王は自らの畏敬な身体を持ち味として圧巻の踊りを繰り出し、友魚は天性の才能で犬王の物語を民衆に拡める、この2人の掛け合わせが時代をリードしていくわけです。

遂に将軍である足利義満の前で猿楽を演じる機会を得ますが、条件として「お面の下の姿を見せろ」とお達しが出ます。

しかし犬王のお面の下の素顔は異形ですので、もし素顔を晒してしまうと死罪になってしまうんですよね。

そのため犬王と友魚は、何としても猿楽を成功させ、犬王の呪いを解く必要があったのです。

そして遂に呪いを解くことに成功し、犬王は美しい素顔を手に入れ、足利義満の寵愛を受けることになります。

しかし足利義満が「平家物語は正史以外は語ってはならない」という勅命を出したため、パートナーである友有は斬首され、犬王は足利義満の犬として人生を過ごすことを余儀なくされてしまうのです。

ネタバレ③:友魚について

出典:『犬王』オフィシャルサイト

友魚(ともな)は、”本作の語り部であり、犬王の相棒である琵琶法師”です。

友魚は、両親と共に平家が滅亡した壇ノ浦の港村で育ち、海の底に沈んでいる平家の遺物や残骸を潜って拾い生計を立てていました。

しかしある日、都の武士たちがやってきて「源平の合戦で海の底に沈んだ三種の神器である天叢雲剣(あまのむらくも)を拾い上げてほしい」と友魚の父親に依頼します。

友魚は父親と共に天叢雲剣(あまのむらくも)を拾い上げますが、鞘から刀を引き抜いた瞬間に天罰が下り、父親は一刀両断され、友魚も両目を失明してしまうのです。

天叢雲剣(あまのむらくも)の天罰に恐れをなした都の武士は逃亡してしまったため、友魚は亡霊となった父親の「あいつらに復讐しろ!」という声に導かれるかのように京の都へと向かいます。

その途中で友魚は、立ち寄った厳島で琵琶法師の谷一と出会い、弟子入りすることになるのです。

そして京の都にたどり着いた友魚は、谷一の所属する覚一座に入り、名前を友魚から友一(ともいち)に改名し、犬王と運命の出会いを果たすことになります。

犬王と運命の出会いを果たした友一は、犬王と共に芸の道を極めようと様々な猿楽を演じていきます。

友一が歌う物語は、犬王の物語であり、その物語は民衆の心を掴み、2人の名前と偉業は日本全国各地に拡がっていきます。

そして友一は、自らの意思で名前を友有(ともあり)と改名し、友有座を立ち上げるのです。

ミケ猫
ミケ猫
友魚→友一→友有、になっていくんだね♪

遂に将軍足利義満の前で猿楽を演じ、友有の名前を天下に轟かせるかと思いきや、足利義満の「平家物語は正史以外は語ってはならない」という勅命により友有座は解体され、反抗した友有は斬首されることになります。

そして友有は、亡霊として現世で漂い続けることになるのです。

ミケ猫
ミケ猫
なんだか可哀想だな・・・

そして友魚が行ってきた名前の改名には、深い意味があります。

その意味とは、”自分自身の意志で名前を決めたのが「友有」のみ”ということです。

友魚は「両親から名付けられた名前」、友一は「覚一座から名付けられた名前」、友有は「自らの意志で名付けた名前」です。

ニャンコ
ニャンコ
整理すると、こんな感じだね♪

①友魚(ともな)
・両親から名付けられた名前
・自らの意志で選ぶことは出来ない

②友一(ともいち)
・覚一座から名付けられた名前
・自らの意志で選ぶことは出来ない
・時代に望まれた名前

③友有(ともあり)
・自らの意志で名付けた名前
・「自分と犬王はここにあり!」というメッセージが込められている
・時代に望まれていない名前

そしてポイントとなるのが、友魚が斬首される直前に叫んだ名前が「友魚」ということです。

死ぬ直前に叫ぶ名前が、「友一(時代に望まれた名前)」でも「友有(自分の意志で名付けた名前)でもなく、「友魚(両親から名付けられた名前)」ということは、”友魚は自分の人生を選択出来なかった”ということを表しています。

友有を名乗り、犬王と共に時代を駆け上がった友魚ですが、権力者である足利義満により、自らの人生を押し殺すことを強要されてしまうのです。

そんな自分の人生に絶望して、最後は「友魚(両親から名付けられた名前)」を名乗ったということです。

そのため、無念が大きく、現世でも亡霊として彷徨い続けていることになるのです。

ネタバレ④:世阿弥について

出典:『犬王』オフィシャルサイト

世阿弥(ぜあみ)とは、”日本を代表する猿楽師であり、能を現代に受け継いだ立役者”です。

室町時代初期に父の観阿弥(かんあみ)とともに猿楽を大成させ、後世に多くの書や伝統を残している偉人です。

本作中では、藤若という名前でしたが、後に足利義満から世阿弥(ぜあみ)の名前を与えられます。

世阿弥(ぜあみ)が後世に多くの書や伝統を残している偉人である理由は、”権力者である貴族や武士の好みに合わせ、言葉・所作・歌舞・物語に幽玄を漂わせる能の形式「夢幻能」を大成させたから”と言われております。

本来、世阿弥(ぜあみ)のような猿楽者は教養が低いとされておりましたが、世阿弥(ぜあみ)は将軍・貴族・武士の保護を受けていたため、教養を身につけていました。

そのため世阿弥(ぜあみ)の能は、現代にも受け継がれているのです。

ちなみに世阿弥(ぜあみ)の作品は、「高砂」、「井筒」、「実盛」など50曲近くあり、現在も能舞台で上映されています。

また「日本の顔10人」には、徳川家康、織田信長に次いで3位にランクインするなど世阿弥(ぜあみ)の名前はとどまることを知りません。

しかし本作をご覧になった人であれば、「世阿弥(ぜあみ)より犬王のほうがすごいんじゃないか?」と思うかもしれません。

もし犬王が世阿弥(ぜあみ)より足利義満に気に入られていたら、現代に名前を残しているのは世阿弥(ぜあみ)ではなく犬王だったのかもしれませんね。

ネタバレ⑤:犬王の呪い

出典:『犬王』オフィシャルサイト

犬王の掛けられた呪いの正体は、”この世に未練を抱いている平家と琵琶法師の怨霊”です。

この呪いを犬王は友魚と共に、失われた平家の物語を歌と踊りで人々に伝えていくことで呪いを解放していくのです。

それはすなわち、「平家と琵琶法師の怨霊を無念を晴らす」ということでもあるのですが、結果的には権力者である足利義満により弾圧されてしまうことになります。

そんな犬王の呪いですが、きっかけは”犬王の父親が究極の美を求めて、呪いの仮面と取引をした”ことです。

ニャンコ
ニャンコ
取引の内容は、こんな感じだよ

①母親のお腹にいる犬王の身体を奪い、醜い身体に変える

②平家物語を歌う琵琶法師の命を捧げる

つまり犬王の父親は、自らの欲望である究極の美を叶えるために「実子と琵琶法師の命を捧げた」というわけですね。

そんな犬王の呪いですが、一つの芸を完成させて観客を沸かすたびに呪いが解け、犬王の穢れた身体は、美しい身体へと変わっていきます。

そして犬王は、比叡座の棟梁にまで上り詰め、将軍足利義満の寵愛を受けることになるのです。

ネタバレ⑥:三種の神器

出典:『犬王』オフィシャルサイト

本作で都の武士たちが探し、結果的に友魚の父親を殺害し、友魚を失明させることになった三種の神器ですが、いったいどのような代物なのでしょうか。

まず三種の神器とは、”日本神話において、最高神アマテラスがニニギ(神武天皇の曽祖父)に授けた三種の宝物”のことです。

現代社会においても、天皇の皇位継承の際に使用されます。

ニャンコ
ニャンコ
宝物の種類は、こんな感じだよ♪

①八咫鏡(やたのかがみ)

②天叢雲剣(あまのむらくも)

③八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

そして本作に登場した神器は、②天叢雲剣(あまのむらくも)」であり、友魚の父親が鞘から刀を引き抜いた瞬間に天罰が下り、父親が一刀両断され、友魚は両目を失明してしまいます。

最終的に都の武士たちは、逃げ帰ってしまいましたので、神器である天叢雲剣(あまのむらくも)が将軍である足利義満の手に渡ることはありませんでした。

ネタバレ⑦:ラストシーンについて

出典:『犬王』オフィシャルサイト

本作のラストシーンは、”亡霊となった友魚を犬王が見つけ、2人でパフォーマンスを行い、天へと昇っていくシーン”で幕を閉じます。

このとき2人の姿は、初めて2人が出会った頃の幼い姿をしているのです。

つまり、”幼い2人の姿こそ、2人が最も幸せを感じていた瞬間”ということです。

そして亡霊と彷徨っていた友魚を犬王が見つけるのに、600年もの年月がかかった理由は、”友魚が名前を変えていたから”です。

というのも、友魚は犬王と共に過ごしていた時代は「友有」と名乗っていましたが、斬首される直前には「友魚」と名乗っています。

犬王は自身の死後、亡霊となった友有を探していましたが、名前を「友有」→「友魚」に変えていたため、見つけるのに時間がかかってしまったということですね。

そんな2人が600年の年月を経て再び出会い、そしてパフォーマンスをするシーンは非常に感動的です。

時代や権力のしがらみを捨て、ただ2人がやりたいようにやる、これってとても素敵なことですよね。

映画『犬王』の感想

出典:『犬王』オフィシャルサイト

まるで1つの舞台を観賞しているような気持ちになる映画です。

ニャンコ
ニャンコ
舞台「犬王」をリアルに観賞しているような気分になるね♪

盲目の琵琶法師、異形のダンサーがタッグを組み、時代を駆け上がっていく様子は爽快であると同時に、どこか焦燥感も持ち合わせています。

というのも、呪いが解けていくたびに犬王の姿は普通の人間に戻ってしまうんですよね。

もちろん良いことなんですが、犬王の魅力って異形の姿にあると思うんです。

ミケ猫
ミケ猫
異形ならではのパフォーマンスもあったしね♪

印象的だったがのが、犬王と友魚の最初のパフォーマンスで犬王の手が元に戻った際、犬王が自分の手を見つめながらどこか寂しげな表情をしているんですよね。

犬王は元の身体にもどりたかったのかもしれませんが、異形の姿は犬王のアイデンティティーでもあったわけでもあり、そのアイデンティティーが失われていくことに焦燥感を抱いていたのかな?と感じました。

そしてコンビである友魚の人生も壮絶でしたよね。

失明→琵琶法師→犬王とコンビ→一座解散→斬首、ですもんね・・・。

自らの意志で名付けた友有の名前を死の間際に叫ぶことも出来ず、さぞや無念だったんだと思います。

もし友魚が犬王と共に生きていれば、現世に名前を残したのは世阿弥ではなく犬王と友魚だったんじゃないでしょうか。

そんな2人が現世で再び出会い、出会った頃の姿でパフォーマンスを奏でる様子に胸が熱くなりました。

まとめ

出典:『犬王』オフィシャルサイト

とても爽快感があり、圧巻のパフォーマンスを体験出来る映画です。

少しわかりにくい部分もありますが、そこも含めて本作の見所でしょう。

特に民衆や私たち観客も想像していないパフォーマンスや音楽、そして演出を生み出してくれる犬王と友魚の2人には感謝しかありません。

これからもこんな素敵な映画に出会っていきたいものです。

ニャンコ
ニャンコ
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最後まで読んでくれてありがとうございました。